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眠たくてぐずる、という甘い幸せ


なかなか寝てくれない赤ちゃんを胸に抱っこしたまま、自分が寝ちゃう、なんていう毎日を送っていたことがあったんだなあ って思った。
本当に、大変だった。子どもが苦手だって思ってたし、まさか自分が赤子を育てる経験をするだなんて思ってなくて、本当に よく途方に暮れたものだった。
ああ こんな日がいつまで続くんだろう、、、と。

ただ、柔らかい赤ちゃんの体は、あったかくて気持ちいいんです
布団に置こうとして 泣かれるなら、一緒にくっついて 一緒に寝ちゃえー
夫の晩ごはん?知ったこっちゃないわ。
散らかった部屋?ああ 見ないふり。
と思えば 強い。
誰かに気遣うから、夫のことをなんとかしなきゃと思ってるから、苦しかったのだ。

さて、最近 すっかりおばちゃんになった私は、疲れて眠くなった時、初めて赤ちゃんの気持ちがわかった。なんだか、駄々をこねたくなったのである。
ねむーい。
眠気に逆らえなーい。
眠気に沈み込んでゆくーーー。
あああああ。

夫に八つ当たりしてみた。
眠いのよーー
すごく眠いのー

寝たらいいじゃん
寝室に行きなよって 言われる。そりゃそうだ。

その時、急に これが赤ちゃんの気持ちかーって確信した。
赤ちゃんにインタビューしていないのでわからないけど、そんな気がした。

眠いの眠いのって ぐずぐず言って、
そっかそっか眠いのか って言ってもらいながら 抱っこしてもらって、
お母さんのお腹の中にいた頃のように やわらかくて あたたかいものにくるまれて
そして だんだん 眠りの中に 夢のなかに 溶け込んでいくのだ
眠る時 ひとりじゃないんだって 安心できること
そうであるために ぐずって 抱っこしてもらって
そして 守られてる っていうあったかさの中で 眠るに違いない


夫に 発見したわ、私、
きっと赤ちゃんってそう思ってるのよって 得意げに 説明してみた。

あなたは まだ赤ちゃんだったのか
と感心したように言われた

今度 娘たちにインタビューしてみようか、と思ったが、彼女たちも赤ちゃんの頃のことは覚えていないだろうし、それに「うちの親、大丈夫だろうか」って心配させてしまうかもしれない。

でも、たぶん この前感じたことって、間違いない気がするのだ
かつて、そうやって 私は 母親に抱かれて、祖母に抱かれて、世界に溶けていっていたんだろう


そういう甘い幸せが ずっと続いていきますように

それにしても、毎晩毎晩赤ちゃんが寝てくれないのは、母さんにとっては、しんどいだけだったりするんです。こうやって ずいぶん前のことを思い出しているから、こんな呑気なことを書けるだけ。
赤ちゃんと過ごす人たち お疲れ様です。赤ちゃんはもちろん、お母さんが、少しでもゆっくり休めますように。

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