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入管法「改正」採決とこれから

 入管法が成立してしまった。
 反対運動を続け、それが空前の広がりを見せる中、先週国会で起きたことは、あまりにショッキングだった😭

 この法案の問題について改めてコメントした。

 国会の力関係を考えれば簡単に採決されることは見通せただろうという人がいた。
 しかし、一度廃案になったあまりにも問題のあるこの法案、命がかかっている法案。これだけ反対運動が広がり、入管の闇が暴かれる中で、奇跡を再び起こしたいー、きっと起こせるとみんなが思って力を尽くしてきた。何より、こんな論外の法案を通して恥ずかしくないのか、という強い思いを共有してきた。苦悩する庇護申請者やその子どもたち、反対運動を担った多くの若い人たちの声を前に、良心の呵責もなく賛成してしまう等、決してあってはならないことなのだ。

 「こんな結果になるなら、野党が修正協議に参加して法案賛成に回るほうがまだマシだった」だろうか?そうは絶対に思わない。
 こんなに人権に反する法律に野党も賛成してしまったら、この国が丸ごと外国人差別に加担することになってしまう。
 構造的な外国人差別と外国人排斥が深く根付いた制度構造。その構造を温存したまま送還ありきの改悪をすることは、一層の差別への加担だと思う。 命の危険から逃れて日本に救いを求めてきた人たちを送還することで、拷問や殺害の危機にさらすような、犠牲を伴う政策決定を是とすれば、自分もその政策決定の共犯になってしまう。
 私たちもあなたたちを差別し、迫害する共犯なんですよ、という態度の選択は自分のためにもすべきではないし、そういうメッセージを私たちが発することは、今恐怖の中にいる人たちを一層追い詰め、孤立させる暴力的なことであって、決して取るべき選択肢ではなかったと私は確信します。

あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。それをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである

ガンジー

 
 私たちがすべきことは死刑宣告をする事ではなく、共に生きること、手をつなぐこと。
 そして、差別や人の命を蔑ろにする入管行政と政治にこれだけ怒り、抗議しているということを形にしてその運動をここまで広げたことは絶対に次につながると思う。
 議会は怒りの場ではなく建設的な熟議の場だと言う意見を聞く。しかし、とんでもないことにが議会で起きている時、怒りを示して議会の熟議の土俵を変えさせるのは有権者の役割だと思う。

 「繋いだ手を絶対に離さない」と野党議員たちは言っていたが、本当にそう思う。
 ここまで広がった運動を無にしないで、次につなげていくこと、絶対に命を守ること、入管の暴露された闇を徹底究明して制度改革につなげていくことを、まずは施行までの1年間にやっていかなくてはならないと思う。

 この問題の先頭に立ってくれた一人である 安田奈津紀さんの記事に心から賛同します。

 それと、これからのアプローチについて。
 私は、与党の中も、当初の態度決定段階で、事の深刻さに気付かなかっただけで、話せばわかる人たちがいると信じたい。
 本当は後悔し、改正法の実施を心配している人がいるはずだ。
 賛成派は、詳細な付帯決議を提案し、採択された。この付帯決議の内容を入管が実施したのか否か、国会は少なくとも厳しく監視し、一年後の施行にあたり、付帯決議が実施されていないと判断した場合、送還停止効に関する改正を施行させずモラトリアムとすべきだ。それが、命の危険をもたらす法律を採択してしまった政治の責任のはずだ。
 諦めている余裕は私たちにはない。人権と命をあきらめることはできない。明日からも、がんばりましょう❣️

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