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経営の技法 #59

7-1 内部統制型
 関連会社の管理にも、リスク対応の視点が欠かせないが、そのうち、関連会社を親会社の一部門と同様に位置付けてリスク対応する方法。関連会社は、単体で経営が成立しない場合でも、リスク対応には主体的に取り組まなければならない。

2つの会社組織論の図

1.概要
 ここでは、以下のような解説がされています。
 第1に、関連会社にも、「適切に」「儲ける」ことをしてもらう、という基本的な視点を確認しています。
 第2に、会社の一部門と同様に関連会社を管理する方法として、「内部統制型」を説明しています。
 第3に、典型的な内部統制型の特徴として、間接部門が無いので、関連会社単体では会社経営ができない点を、説明しています。
 第4に、「内部統制型」であっても、リスクセンサー機能やリスクコントロール機能の多くは関連会社自身が果たすべきであることを、説明しています。
 第5に、ここでのリスク管理面からの分析だけでなく、経営面からの分析も併せて行い、会社に合った体制を構築すべきである、と説明しています。

2.労務管理上の工夫
 関連会社の労務管理で、戦後間もないころから問題になったものは、グループ内での人事異動です。
 ただし、会社の一部門としての実態がある関連会社であれば、「転籍」よりも「在籍出向」がメインとなるでしょうから、会社側に人事上の裁量権を比較的広く持つことができる関係でしょう。
 その他にも、労務管理上の問題については、人事部門と一緒に会社の現状と論点を整理してみてください。

3.おわりに
 営業部門一つひとつを会社としてしまい、会社同士の競争をさせている会社も、テレビで紹介されていました。有名なソバ屋のチェーンです。
 会社にするのか一部門にするのか、という段階から、会社のガバナンスの問題です。
 もちろん、「会社」という形式を選ぶことに、ツールとして使いやすい面があってのことでしょうが、グループのガバナンスとしては、「内部統制」の視点を取り入れて、適切なリスク管理と経営ができるような制度設計や運営を行いましょう。

※ 『経営の技法』に関し、書籍に書かれていないことを中心に、お話していきます。
経営の技法:久保利英明・野村修也・芦原一郎/中央経済社/2019年1月



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