見出し画像

noteで人気の文学賞

 先週だったか、「阿波しらさぎ文学賞」一次選考に落ちた作品がnoteの「あなたへのおすすめ」に出ていました。
 フォローしている方でもないのに、敢えて落選作を勧めてくるnoteのアルゴリズムよ。
 ただ、その時「へぇ?」と思ったのは、フォローしている方が、ひと月ぐらい前に、その賞に応募したと書いていらしたためなんですね。
 一ヶ月で一次選考の結果がわかるって、ずいぶん早いなと思ったのです。
 調べてみると、6月10日が締め切り、7月31日に一次審査&最終候補作が出たみたいです。
 一ヶ月半で最終候補までわかるって、すごく早い気がしますが、待たずに済む分、応募者に優しい賞ですね。

    *

 公募の文学賞といえば、「群像新人文学賞」と「文藝賞」ぐらいしか知りませんでした。群像は村上春樹さんが受賞なさった賞ですし、文藝賞は学生時代に好きだった山田詠美さんの受賞歴に書いてあったので。
 去年、太宰治賞に応募した後で調べて、その二つと「文學界新人賞」「すばる文学賞」「新潮新人賞」が、純文学の作家になりたい人が目指す賞だと知りました。
 五大文芸誌が主催する賞なので、受賞したら文芸誌に載せてもらえます。

 それ以外に、地方文学賞と呼ばれる賞もあるとその時に知りました(太宰賞も地方文学賞の一つなのですが…それも知らずに応募したんかい…)。
 地方文学賞は、地方自治体や地方新聞社、地方の文芸協会などが公募する賞です。
 阿波しらさぎ文学賞も、地方文学賞の一つ。徳島文学協会と徳島新聞社が主催しています。今年が第6回で、応募総数は427点、一次通過は50点、最終候補作は16点です(HPより)。ジャンル指定はないようですが、作家の選考委員がお二人とも芥川賞受賞者なので、純文学系の賞なのかな。ネットで調べたところ、一般的に一次通過は多くて一割ぐらい、もっと低い賞もあるみたいなので、比較的一次を通過しやすい賞と言えそうです(最終候補作が16点というのも、かなり多めだと思います)。

    *

 他にも応募した方がいらっしゃるのかnote内を検索したら、「阿波しらさぎ文学賞」の新着だけで16点ありました。落選報告以外に、落選作の投稿、一次通過作の投稿など。
 また、同じ検索で人気や定番の記事を見ると、第1回〜去年までの落選作・一次通過作・最終候補作がずらっと出てきて、多すぎるので数えるのをやめました。
 noteでは、人気の文学賞みたい。
 これだけ作品数があれば、通過の傾向やどの程度の力量が必要か、参考になりそうですよね。

 残念ながら、私には無縁の賞ですが。
 作品の募集要項が「徳島ゆかりの地域や文化、歴史、産業、人物などを作中に登場させる」のと、「400字詰め原稿用紙15枚以内」なので。 
 大阪出身なのに、徳島には行ったことがないです。大学に徳島出身の人がいて、関西弁だったので、「徳島も関西弁なのか」と初めて知ったぐらい。まあ、こっちは、歴史物にして、三好長慶や稲田騒動を書くという手があるけど(長慶は徳島出身の戦国武将、稲田騒動は幕末徳島藩のお家騒動)。
 でも、15枚以内なんて絶対無理です。改行などもあるので、実質5千字ぐらい? noteには連載物は向かないと思って、色々試行錯誤したのですが、コンパクトにまとめる力がないみたい(noteにちょうどいいぐらいの長さなので、note内で人気なのかもしれないですね)。

 徳島ゆかりの話で15枚以内に収められそうな方は、noteにある過去作を参考にして、応募なさってみてはいかがでしょう(来年の話になりますが)。
 創作大賞の応募作でも、それ以外に読んだ小説でも、うまいなーと感心する作品が結構ありました。だからといって、「作家になる」「商業出版社から本を出す」といったことは考えていない方が大部分だと思うのです。才能のことは別にしても、仕事や家庭もありますから、創作ばかりに打ち込むわけにはいかないですよね。
 そういう方々にとっては、地方文学賞に応募するというのは、良い目標になるのでは。賞はとれなくても、応募するだけでも達成感が得られますし(私はそうでした)、まして一次選考や二次を通過したら、自信もつきます。一次に落ちたとしても、賞に作風が合わないだけかもしれませんから、他の賞にチャレンジすればいいのです。
 ウィキで地方文学賞の受賞者を見ると、その人のページにとべるのはごく少数です。ということは、地方文学賞は作家になるための賞ではないのだと思います。
 失敗で心が折れる方、作品に強い思い入れがあって、他人の評価を受け入れたくない方は別ですが、私自身は、太宰賞に応募して、失うものは何もなかったです。落ちた時には少しはがっかりしましたが、noteで落選報告をしたらスッキリする程度の落ち込みでした。
 落選した後に、noteで公開することもできますし(未公開作限定の賞が多いので、逆のnoteで公開→応募はできない)。
 創作は孤独な作業ですから、賞に応募するなどしてアクセントをつけながら、煮詰まりすぎないようにしたいですよね。
 
 
 
 


 
 

読んでくださってありがとうございます。コメントや感想をいただけると嬉しいです。