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京都・定番旅行

 3月上旬に帰省を兼ねて京都を訪ねました。
 実家が大阪北部、中高は京都市内に通っていたので、主な観光スポットはだいたい訪問済みなのですが、今回はあえて定番の場所を巡ってみました。 

 最初に訪ねたのは知恩院。浄土宗の総本山です。法然が営んだ草庵が起源のお寺ですが、現存の三門や御影堂(本堂)は徳川秀忠・家光が再建したものです。大きな鐘でも有名なお寺ですが、本堂から更に上に登らなければならないということで、今回は省略。

知恩院・御影堂(国宝)

 知恩院の隣が枝垂れ桜で有名な円山公園です。織田作之助の小説にもよく登場するので、戦前は三高(今の京大)の学生の溜まり場だったのかもしれません。小学校の遠足では、この公園でお弁当を食べました。多分近くにお墓がある縁だと思いますが、公園内には坂本龍馬と中岡慎太郎の像もあります。

円山公園にある坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像


 円山公園を抜けると、八坂神社です。平安時代初期の文献にも載っている、歴史のある神社なんですね。近くに祇園や南座(歌舞伎等の公演が行われる建物)があるので、芸能関係者の信仰も厚いとのこと。関東ではあまり見かけませんが、関西にはここの関連神社が多いです。私がお宮参りや七五三をしたのも、地元にある八坂神社でした。


八坂神社・西楼門(重文)。1497年築


 知恩院〜円山公園〜八坂神社は京阪電車の祇園四条駅からの徒歩圏内にあります。京都駅からだと、市バスで行くか、地下鉄→阪急を乗り継ぐか。山手線内ならほぼ地下鉄で行ける東京と違って、京都の交通網はわかりにくいですよね。市バスに乗る海外からの旅行者は、チャレンジャーだなぁと感心してしまいます(まあ、東京も銀座など地下街がわかりにくいのか、日本人にもよく道を聞かれますけど)。

 四条から三条まで鴨川の河原を歩きました。

鴨川。好きな風景です
鴨川のそばを流れる高瀬川。森鷗外『高瀬舟』の舞台です

 三条から京阪電車に二駅乗って出町柳に行きました。すぐそばに鴨川デルタがあります。鴨川と高野川が合流する場所で、京大に近いので、森見登美彦さん等京大出身者の作品で有名になりました。数分電車に乗っただけですが、このあたりは鴨川の水も綺麗ですし、川の向こうに比叡山も見えたりして、とても素敵な場所です。

鴨川デルタ。昔はもっと寂しげな場所だった

 鴨川デルタから少し歩くと、下鴨神社(正式名称は賀茂御祖神社)に着きます。この神社は、奈良時代にも朝廷から崇敬を受けていたということで、京都でも最も古い神社の一つだそうです。有名な葵祭はこの神社の例祭で、今読んでいる『源氏物語』の葵の巻にも、葵祭やこの神社が登場します。

 情緒に乏しい性格のせいか、パワースポットに行っても何も感じることができないのですが、下鴨神社だけは「とても神聖な場所だ」と強く感じました。聖域という言葉がふさわしい。他の観光スポットからは少し離れていますが、鴨川デルタとあわせてぜひ訪問してみて下さい。

下鴨神社・楼門(重文)

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 二日目は生憎の雨でしたが早朝から祇園界隈を散策しました。八坂の塔が見える道を歩き…

八坂の塔

…清水寺へ。このお寺も平安時代以前からこの地にあったそうです。清水の舞台で有名な奥の院まで行く予定だったのですが、雨で道も悪そうだということで中止。ほんと、やる気のない旅行者ですね😅

清水寺の仁王門・西門・三重塔(すべて重文)

 代わりに、すぐ近くにある二寧坂のスタバに行きました。古民家を利用した店舗です。家族揃ってスタバ好きなので、必ず訪問しようと決めていた場所でした。

二寧坂スタバ
畳の部屋もありました

スタバでのんびりしている間に本降りになってきたので、屋内で鑑賞できる場所二行くことにしました。
 まずは、三十三間堂へ。鎌倉時代初期に造られた1001体の仏像があるお寺です。風神・雷神や金毘羅、阿修羅など名前しか知らなかった仏像を拝見し、いわれを学ぶことができました。他の観光地からは少し離れていますが、圧倒される光景ですので、ぜひ訪問なさってみて下さい。

千手観音立像(Wikipediaより)

 三十三間堂の隣に京都国立博物館があります。常設展で展示中の円山応挙の絵を見たくて、立ち寄ってみました。東京国立博物館に比べるとコンパクトな会場なので、短時間で鑑賞できるのがいいです。天気のせいもあって、海外の方も含めて混み合っていました。
 三十三間堂と京博は、京都駅からは市バスで。京阪電車の七条駅からも歩けます。

明治古都館。改装中でした
銹絵寒山拾得図角皿。尾形乾山の皿に兄の尾形光琳が絵を描いたもの

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  三日目は天気が回復したので、新幹線に乗る前の時間を利用して、京都御所に行きました。天皇家の方々は平安時代から京都に住まわれていますが、御所が今の場所に移転したのは南北朝期だったとか。また、江戸末期の嘉永七年(1854年)に大規模な火災が発生したので、現存する建物は幕末期に建てられたものだそうです。
 私が通っていた中学は御所の隣にあったのですが、当時は自由に見学することができず、男子がふざけてボールをぶつけたりするので、宮内庁の職員がよく声を荒げていたものです。百%男子達が悪いのですが、怖い場所だという印象を拭えず…。
 今回思い切って訪ねてみて、ようやく昔の恐怖が消え去りました。今は、天皇のお住まいや公務をなさった建物は外から自由に見学できるようになっています(上皇の住居である仙洞御所は時間ごとに整理券が配られる)。
 

京都御所・清涼殿。天皇の私邸
蛤御門。幕末の蛤御門の変で激戦地になった。上はその時の弾痕

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さて、今回の京都旅行では、料亭のお弁当食べ比べをしました。料亭で懐石料理を食べるのは敷居が高いですが、お弁当なら手軽。河原町にある髙島屋、京都駅の伊勢丹、JR京都駅などで予約購入ができます。

辻留。裏千家の茶懐石を手がけた。今は赤坂虎屋本店と同じビルに料亭がある
菱岩。祇園にある仕出弁当屋
祇園いづう。鯖寿司と小鯛寿司。谷崎潤一郎が愛した店
これは菊乃井のカジュアル店、菊乃井無碍山房で食べた弁当。高台寺の近く
お土産。新選組と鳥獣戯画、ちいかわのコラボ。虎屋の羊羹は黒豆黄粉と白味噌が京都限定


 行く前は、インバウンドでめちゃくちゃ混んでいるのでは? と心配でしたが、時期も良かったのか、東京の渋谷ほどではなかったです。比較にならないかな…。渋谷は混みすぎて平日でも身の危険を感じるレベルなので。何となく歩くだけで、歴史ある建物に出会えるのが京都の良いところですね。


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