青の帰り道

自然と涙が出る。そんな映画だった。
私がこの映画の中の7人のような居場所に憧れるように、この7人もそれぞれ憧れの場所があって、届かなくてもがいている。どれだけ理想と現実がかけ離れても、それでもやっぱり生きていくしかないんだ。

カナはきっと多分誰もが憧れるキラキラした女の子で、夢や希望を両手いっぱいに抱えて、そんな夢や希望に負けないぐらいの努力も抱えて、頑張ってきたのだろう。でもそんな現実とは裏腹に、きっと誰よりも不安を抱えていたのだろう。ひとりきりで。

キリは本当は誰より愛されていて、誰かを愛したくて、でもそれに気づけなくて、もがいてる。人の言葉を受け入れすぎてしまったり、自分の思いを吐き出せなかったり。でもきっとその想いはゆらゆらと届き、届かせられるのだろう。

リョウは誰よりも仲間思いで、でも仲間意識が強いからこそ負けず嫌いで、素直じゃない。コウタが大人になるのも、みんなが東京へ染まっていくのも、誰より凄いと思いながらも、やっぱり認められないんだろうな。でも、どんな壁にぶち当たっても、ボロボロでも、生き抜いていく強さが美しかった。

タツオは優しくて、優しすぎて、ちょっぴり弱かった。人を思うあまりに、自分を思うことを忘れていたのかな。でも、タツオが天才じゃなくても、試験に合格しなくたって、タツオが元気でいてさえくれれば、みんなは幸せだったんだよ、カナはタツオの曲が誰より大好きだったんだよって、きっと届いているかな。

コウタとマリコは守るものが出来て、誰よりも強かった。親の強さを見せつけられた。強さは優しさに変わって、優しさは幸せに変わることを教えたもらった。ずっと2人が幸せでありますように。そんなことを祈らずにはいられないな。

ユウキは不器用だけど、何もかも上手くいかず消えたくなったタツオの気持ちも、生きていくしかないと誓うリョウの気持ちも、どっちもちゃんと理解できる器用な人だった。そして、個人的には、普通の感性で普通に悩むユウキは自分と重なった。

どんな悩みを抱えていても、どんな失敗をしたって、いつもあの青い想い出が彼らを強くするのだろう。
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