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復習:コレステロールのこと⑨

人の体は試験管じゃない


 結局のところ、人の体は試験管じゃないし、食べ物だけで体の様子が変わるわけではないのです。有機物の食品を体に入れ、有機物の内蔵がそれを消化分解し吸収する。そこには夫のように、自前のLDLとか、あれとか、これとか、あるかどうかでしか確かめることができない物質、もしかしたら人類がまだ認知していない有機化学物質があるかもしれない。(う、ううん、絶対ある。そのせいで、おかげで私たちの体にはミラクルに思える現象が起る。でもそれを全て解明するのは、3次元世界にすむ私たちには無理なこと。全解明なぞ、荒唐無稽な企みに違いない。)私たちにできることは、そのミラクルに期待し、身体というガジェットを詰まらせない、錆びさせない、常識的なメンテをしなくちゃいけない。

 もっと体を客観的に捉えて、過信をしない。常識的なことを守る。それは例えば運動。⑧から話題にしてきましたが、夫の数値が目に見えて改善してきたのはランニングを始めてからです。運動すると何が良いかは、いろんなところでいろんな人が言っていますからここでは掘り下げませんが、私は「〜しないで良くなる」効果が絶大だと思っています。
 たくさん食べないで良くなる。
 寝過ぎないで良くなる。
 他にもたくさん。
 日常的な運動は自己肯定感を上げる、という説もありますし、自然と体力がついてきて、ストレスを感じることがあっても運動することっで脳内がリフレッシュするという現象があります。当然酸素を取り込み、脳も活性化するでしょう。これまでいちいち腹が立っていたことが、少しずつ気にならなくなり、ついにはどうでも良くなってしまうという経験もあります。そして過食を防ぎ、本来の自律神経の機能を取り戻す。

 運動によって私たち有機試験管には、自らいろんなものを分泌し、ジャンプの振動や筋肉の震えなどの刺激が電気を身体中に送り、計り知れない作用を起こすのです。

 ややドリーミーな表現になってしまいましたが、つまりは運動は絶対に不可欠ということです。調べた中にも、駅伝選手は一日に驚く数の卵を食べているけれどコレステロール値はこれも驚くほど低いというデータがありました。つま先だって踵を落とす『踵を落とし』という運動がLDLや血糖値の改善に効果的という話もあります。どちらも足の裏を使うところが信憑性のある共通点だとは思いませんか?マユツバものかもしれませんが、やってみる価値あり。お金はかかりませんし無害です。これで効果があれば人間の解明されていないところがまだまだあるって、夢もっちゃいます。 

魚食の効果

 ランニングと合わせて、明らかに数値の改善に貢献したのは、魚食でした。当初失敗した鰻、子持ちシシャモ、お歳暮にいただくイクラ、そうした食品をできるだけ回避。その代わりにぶりやほっけ、鯖、たら、鯵・・・、旬のおさなを主に煮魚にしていただきました。魚は本当に多彩で、同じ煮汁なのに、お魚ごとにちゃんと味が違うんです。焼き魚にするときは最終的にバーナーで炙りました。そうすると、甘みがある鹿児島のお醤油ととてもよく合うのです。長期にわたってお魚をメインにしたとしても、このお醤油だったら飽きずに楽しめます。
 お話ししているのは全部、コレステロールの観点から見たあお話であって、カロリーではありませんからお気をつけて。お魚にもカロリーはあります。しかしコレステロールという点では、フィッシュオイルはLDLの軽減に効果があるとされていますし、運動してカロリーを使いきった飢餓状態の体に魚は遠慮なくたっぷり食べられ最高です。お魚なら、カツオのカツとか、タラのフライとか堪能しても安心していられます。
 アラサーの仲間入りした息子たちが子供の頃、魚を食べさせたくてもなかなか面倒で鯵の開きが精一杯でしたが、今の鯵は昔ほど太っていないんですね。骨のついた側をツーっと外して身だけになったところをいただくけれど、厚みがほとんどなくて以前のようにお腹いっぱいにするには二枚も食べないといけないようです。

ちょっと目を離したすきに、食文化をめぐる環境も変わっていました。 






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