自分のチームにベクトルを向ける

 自分はマネージャーとして固定された仕事があまりありませんでした。なので、時々自分が何をしなければいけないのか考えても分からないことがありました。それが結構しんどくて、俺チームの力になっていないなーってネガティブになっていました。俺いなくて平気じゃね?なんて思うこともありました。そういう時は、他大学の事を調べたり、ネットで各大学ごとの記録会の結果を掲載しているサイトを見て、戦力や状況を把握していました。それで自分はチームのために何かやっていると勝手に満足していました。

 今振り返ると意外とチームのためになっていなかった気がします。学生時代、言われた言葉は覚えていないのですが、添田監督に「まずは自分のチームをしっかり見よう」的なニュアンスの言葉を言われ、それで我に返りました。当時は感覚で自分のチームをしっかり見ないといけないって思えましたが、考えてみると駅伝やマラソンって相手を攻略するよりも、自分達が何が出来るかをしっかり把握する事の方が重要なんじゃないかと思います。駅伝はサッカーやバスケみたいに外的要因に左右されるオープンスポーツではなく、外的要因に左右されないクローズドスポーツに分類されます。俗に言う「自分との闘い」です。自分の力を100%引き出す事に集中する事が重要なのに、それを知らず知らずのうちにおざなりにしていました。監督に言われてから、仕事がないときは出来るだけ競技場に出て、選手を観察したり、建徳やコーチと色々話すように心がけました。後は力がまだついていない下級生と話す事も心がけました。内容は様々で、とにかく距離が縮まればいいなと思ってやっていました。力がないと自分に自信が持てなかったり、引け目を感じてしまうのでそれを少しでも解消してあげたかったです。

 添田監督の言葉のおかげでちゃんと自分のチームにベクトルが向くようになり、その状態を維持しつつ他大の情報を仕入れられるようになりました。そして気が付いたらチームの事を愛していました。戦力的にはシード権獲得は厳しいなんて言われても、心の中ではずっとシード権を取るなんて思っていました。こんなにみんな頑張ってきたんだ。報われてほしい。そう願っていました。でも、その願いも届かずシード権は獲得できず、さらには繰り上げスタートしてしまいました。現実を突きつけられ、悔しいというよりぽっかり穴があいた感じがして、なかなか受け入れられませんでした。時間がたってようやく受け入れられ、襷を最後まで繋ぐことの難しさ、シード権獲得する難しさを理解しました。

 今年の箱根駅伝。後輩達が繰り上げスタートすることなく、最後まで1本の襷で繋ぐ事が出来ました。卒業してもう3年が経とうとするのに、自分の事のように嬉しかったです。これからも出来る限り応援していきます。

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