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時をかける少女 感想・考察

どうも、yukihisaです。なんとこの時代に映画館で時をかける少女が上映されていまして、先日はそれを観に行きました。せっかくなので、久々に感想や考察を書きます。
原作は未読です。ネタバレ注意。それでは参りましょう!



ログライン



時をかける少女の作中では、以下の内容が強く描画されていたと思います。

  • 真琴、千昭、功介の3人の日常が恋愛をきっかけに変わっていく様子

  • 真琴がタイムリープで自分自身にとって都合のいい結果を手にすると、その分他の誰かが割を食う、という仕組み。

  • 別れ

この結果から、時をかける少女のログラインは

タイムリープ能力を手に入れて都合のいい日々を謳歌していた真琴だが、巧介が告白されたことをきっかけに真琴・千昭・巧介の仲良し3人組の日常が徐々に変わってゆき、タイムリープを繰り返す中で千昭と好き同士になるも、最後に千昭はいなくなってしまう。

だと考えました。誰かがタイムリープの割を食う、という部分まではログラインに入れることができませんでした。



起承転結

時をかける少女の起承転結を以下のような感じで考えました。

起:仲良し3人組の日常
・仲良し3人組の日常
・運の悪い真琴
承前:タイムリープで日常を謳歌する真琴
・タイムリープ能力を手に入れた真琴
・死を免れる
・タイムリープで日常を謳歌
ミッドポイント:告白
・巧介が告白される
・千昭から真琴への告白
承後:変わる日常
・料理の座席を変わってもらった子がいじめられるシーン
・千昭を避ける真琴
・千昭と早川のデート
・付き合い始める巧介
転:大切な人の消失
・巧介と彼女の死
・千昭がタイムトラベラーだと打ち明ける
・千昭が姿を消す
結:別れと成長
・千昭を好きな気持ちに気付く真琴
・タイムリープ能力の終わり
・未来で待ってる

save the catの法則におけるストーリータイプでは、時をかける少女は「人生の節目」のタイプに当たるでしょう。上記の起承転結を見ると、恋愛を主軸に置きつつ、最終的には真琴が人生の中で忘れられない経験をして、成長を見せたというのがこの映画の本質だったのだと見えてきます。




個人的な見どころ


公開から17年経った今、見どころもクソも無いと思いますが…
そういった年月の面も含めて、見どころを紹介します。

  • 1度は聞いたことのあるセリフ、1度は聞いたことのある音楽、1度は見たことのあるシーンに出会える。

  • 好きを好きだと認められない、好きなのに好きだと言えない、という初心な恋愛

  • 別れで終わる切ないストーリー

  • 今では見られない、なんだか儚さを感じる作画

こんな感じです。公開当時にこの映画を見ていたら自分はどんな反応をしていたのか…。タイムリープをして見てみたいですね。


感想

  • すごい夏:時をかける少女を見て思いました。この映画は夏だなと。青い春が過ぎ、夏が来たんだなと。ポスターやイメージの随所に見られる入道雲、「帰らなきゃいけなかったのに、いつの間にか夏になった。」という千昭のセリフ、ナイスの日など、様々なところで夏を強く感じましたね。これに影響を受けて、僕は今度どこかへ夏の写真を撮りに行こうと思っています。どこかは分かりませんが。夏と言えばサマーウォーズも今後公開されるようなので観てみたいですね…。


  • 真琴の声が良い:真琴の声は、恐らく現代ではもう聞けないような、作っていない声というか、そんな声でした。それが逆に作品のリアル感を出している気がして凄い良かったです。真琴の抜けたキャラともマッチしています。声優は「仲 里依紗」さんという方で、女優の方なんですね。素晴らしい仕事をしてくださったと思います。


  • 色んな作品に影響を与えているのでは?:2003年公開のタイムリープものということで、色んな作品に影響を与えているのではないか?と思いました。ただし、僕の知識が薄すぎて「時かけより前のこの作品のほうがタイムリープものとして色んな作品に影響を与えているよ」という意見があると思います。そういうお話があれば、是非コメントでお聞きしたいです。ただ、あまり根拠がないので時をかける少女が影響を与えた作品などは色々と調べてみようと思います。




考察

  • 何故、最後に千昭は真琴に好きだと言わなかったのか:最後、真琴と千昭が分かれるシーンで、千昭は真琴に好きだと言いませんでした。巧介が告白を受けた後のタイミングでは、千昭は真琴へ告白していたので、最後の場面でも好きだという思いを伝えるのが普通かと思われます。ここで千昭が好きだと言わなかったのは、タイミングではなかったから、ではないでしょうか。作中で好き同士が分かっているのに結ばれなかったのは、最後のシーンのほかに、魔女おばさんの学生時代もありました。ここで、魔女おばさんが好きな人と付き合わなかった理由について「タイミングじゃなかったから」と説明しています。つまり、千昭と真琴も好き同士だったのに結ばれなかったのは、タイミングが良くなかったためであると言えます。


  • 「未来で待ってる」とは:上記の考察から、千昭の「未来で待ってる」というセリフは、個人的には「タイミングが良くなる(=付き合える)未来まで待っている」という意味ではないかと考えています。今はまだ付き合えないけど、その日が来るまで待っているぞ、と。


  • 「タイミング」とは:では、タイミングとは一体何なのか。これは、僕は、我々の生きる現実世界と同じようなものだと考えています。どういうことかというと、例えば、「転勤が決まっているので今プロポーズをしても相手を困らせてしまう」「親の思想が違うのでいくら好きでも付き合ってと言えない」といったような、好きだという気持ち以外の状況を踏まえた結果、今は告白できない。という状況が「タイミング」なのではないかということです。作中では、千昭が好きだという思いを伝えても、結局姿を消してしまいます。そうなると、真琴は好き同士になった千昭のことを思い続けて、その思いに縛られて生きることになるでしょう。千昭はそれを分かった上で、「いつかまた会う時に思いを伝えたい」という意味で未来で待ってるという言葉を残したのではないでしょうか。そして、この言葉で千昭を好きだった気持ちに縛られずに生きていけるからこそ、「いつか他の誰かを好きになったとしても、あなたはずっと特別で、大切で」という歌詞に繋がるのではないでしょうか。


まとめ


以上、なぜか2023年に時をかける少女を見た男の感想でした。私生活で、映画を超えるような夏を堪能したいものです。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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