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なぜ、イノベーションと資本主義のど真ん中にいる私が、今「サステナブル資本主義」なのか

はじめまして、TAKA(@Murakami_Japan)です。この度、初の著書『サステナブル資本主義:5%の「考える消費」が社会を変える』が祥伝社より9月30日に発売されることとなりました。

既に、いくつかnoteで抜粋記事(本記事の最後にもリンクを張っています)を無料公開していますが、なぜ、これまでのキャリアにおいて、イノベーションと資本主義のど真ん中にいる私が、今「サステナブル資本主義」という思想を本にしてまとめたのか、お話ししておきたいと思います。

ど真ん中にいた私が書くからこそ意義がある、そう信じて本を書きました。是非、このnoteをご覧いただき、少しでもこの本の内容を広めていきたいと考えていますので、SNSでのシェア、ご友人やご家族、同僚、周りの方にオススメして頂けると嬉しいです。

宇宙の研究から外資系の投資銀行へ

私は、宇宙工学の研究者として技術や宇宙という、未来や未知に興味を抱いていた若者 の一人でした。 幸運にも大学で小型衛星開発に関わる機会を得て、その後「宇宙科学研究所(現JAX A:宇宙航空研究開発機構)」にて川口淳一郎先生の元で勉強し、研究をしていました。

先生が、「はやぶさ」などの深宇宙探査のプロジェクトを実現させるために、文部科学省などに出向き、予算取りに多くの時間を割いているのを見てきました。 また、国際学会に行った際は、アメリカの論文発表者が扱うプロジェクトの規模にうらやましさを感じることも度々で、国のコミットメントや資金力の違いによるなんとも言い 難い差を肌で感じていたのです。

日本との違いを見るにつけ、研究者として単に優れた技術や研究をしているだけでよいのだろうかと考えるようになりました。国力や研究対ビジネス、研究対国防といった乗り越えがたい壁を感じざるを得なかったように記憶しています。

技術だけではいけない。ビジネスやグローバル、そして何をやるにもお金は切っても切り離せないものだと思うようになり、当時は門外漢であったグローバルビジネスの世界に飛び込むことを決めたのでした。

そこでお世話になったのが、当時世界最強の投資銀行として日本市場でも頭角を現し始めていたゴールドマン・サックスです。

ビジネスの世界に飛び込んだ私は、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門で、国内外のグローバルなテクノロジー企業や、海外の大企業やスタートアップ(新しいビジネスモデルによる新興企業)に触れて経営の議論を重ね、資金調達や自社株買い、「モノ言う株主(ア クティビスト)」に対する防衛、買収や合併など、様々な経営判断の支援や助言を行ない、また時に投資を実行してきました。

ゴールドマン・サックスでの私は、M&A(企業の合併・買収)グループと「TMT」(通 信・メディア・テクノロジー)と呼ばれるテクノロジー企業を担当するグループを兼務していました。ITソフトウェア業界を担当する立場であったため、リーマンショックによる金融危機 や東日本大震災を経て、再び日本が再成長を目指そうとしていた頃、世界で「GAFAM」を筆頭とした新興テクノロジー企業が急速に勢いを増すのを担当者として肌で感じていました。

大企業の閉塞感と海外の新興テクノロジー企業のダイナミズムの両方を同時に感じる中、 今後の未来社会をつくるのは若者世代であり、新しい産業であるとの思いを強くしました

既に出来上がった凝り固まったものを変革するのではなく、新たなカルチャーや組織、ガバナンス(企業統治)、資本政策を閉塞感にとらわれることなくゼロイチから新しい日本のスタンダードをつくっていくことが近道であると考え、心血を注ぐようになったのです。

今も私はそれを「ミッション」として活動しており、起業し現在経営している会社、シ ニフィアンにおいてもそのミッションのもと、上場・未上場スタートアップの経営へのエンゲイジメント(伴走)や、時に投資を通じて、新しい未来を創る一助になろうと日々多 くの若手経営者と熱い議論を重ねています。

ビジネスの世界に飛び込んで二十年足らずの間にM&Aや投資という枠組みを通じて多くの失敗と成功を見てきました。その経験から、資本主義の課題と、持続可能な未来を生み出していくために、どのように資本主義をアップデートしていく必要があるかを、本書を通じて皆さんと考えてみたいと思っています。

この本を読んで欲しい皆様へ、なぜ「今」なのか

今、我々が生きている時代をメタ認知するならばどういう時代なのでしょうか。もし人類が何万年も先も幸せに暮らしているとしたらな、この100年は大きな転換期であったと後々振り返ることになると思います。

産業革命に始まるイノベーションの歴史、資本主義の発展。この2つは100年の間にとてつもない大きな変化を人類にもたらしました。その両輪であるイノベーションと資本主義は21世紀に入りその勢い加速してきています。それは、一部の先進国から始まった大きなうねりが、地球全体に広がり最後の人口爆発の世紀において、お金と技術が生み出す竜巻がピークを迎えつつあることと無縁ではありません。

20世紀に地球は悲鳴をあげ始めていました。石油の世紀、自動車の世紀、様々な敬称が付けられるかもしれませんが、資本主義の世紀だったと言えるのではないでしょうか。人類はこれまで200万年もの間、常に飢えや病気と戦ってきました。その中心にいたのは紛れもなく人であったと思います。その人の苦しみを救ってくれる存在、それがイノベーションと資本主義であると無意識のうちに信じ込んでしまっているのではないでしょうか。その結果、地球が悲鳴をあげ、格差は今もなお拡大していっているのです。

この難しい問題を世界中で解決しようという機運、持続可能な社会に関する議論が盛り上がってきています。20世紀末、その議論が巻き起こりつつも、まだ世界は本気で取り組もうとしていませんでした。21世紀に入り大きな変化が起きようとしています。ただ、まだ変化に必要な十分な速度を有していません。まだどこかで、誰かが解決してくれる、そんな他人事として捉えてしまっているからではないでしょうか。

資本主義の力は強大で、広大に社会システムに組み込まれています。だからこそ、当たり前だと思ってしまってはいけません。資本主義は人をお金の奴隷にしてしまう力があります。このままではいけない、今まさにその時に我々はいるのではないでしょうか。新しい21世紀の資本主義は、人が中心であるべきだと思います。原点に回帰すべき時がやってきたのです。

なぜ、たった「5%の考える消費」が社会を変えることができるのか。5%は過半数ではありません。この極少数のマイノリティの意見こそが社会を正しい方向に前進させていく原動力となり得ます。本書を手に取ってもらいたいのは、社会を変えたいが何をしたら良いかわからない、そういった方々です。そして、未来を担う若い人にこそ、この本を手に取って今後の社会を作っていくためのヒントを得て欲しいと願っています。さあ、一緒に「サステナブル資本主義」の扉を開き、持続可能な社会を実現していきましょう。

目次無料公開中

9月30日の発売に先駆けて目次を無料公開しました。目次を見て読んでみたいと思われた方、是非Amazonで予約頂けると嬉しいです。

本の抜粋を無料公開している連載

本の抜粋を一部無料公開しています。以下、<無料公開5回連載>の3回分(本noteが4回目)と原点となったnoteのご紹介です。ぜひ、合わせてご覧ください。

現在Amazonにて絶賛予約受付中(9/30以降は販売開始)

第一回:「持続可能な社会」は延長線上には存在しない

第二回:日本人が苦手なお金と資本主義が生んだ大量消費

第三回:豊かさが導く「人」中心の社会が持続可能な社会を実現する

原点:「持続可能な社会」を目指すことがなぜ企業価値向上につながるのか

追伸)カバーの写真は初版を手にした際の記念撮影をアプリで加工したものです。少しnoteに自分の写真が大きく出るのは抵抗があったので加工した次第です(笑

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