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品川~天王洲アイル

昨日は平日の一人休暇。建築倉庫と品川のどこかをセットにして楽しむつもりで事前に調べていた。が、あまり行ったことのない品川駅前だけでも、何だか楽しそうだったために、今日は品川駅前のギャラリーとミュージアムへ。その後は、天王洲アイル駅へ歩いてみた。

雨だった。朝、夫には「さすが雨女」と褒められた(?)が、実は雨は久しぶり。出かける日に基本的に晴れているというのは、こんなに楽なことなのかと、最近になって知った。

私は昔からの「嵐女」。そんな表現があるのかは知らないが、小雨では済まない急な激しい雨も普通。虹もたくさん見てきた。

海辺で高層ビルの品川・天王洲アイルで雨の場合、どれくらいのビル風・海風が吹くのだろうと、あまり行かない場所への雨支度に悩んだ。結果的には、いつものスニーカーと折りたたみ傘で問題なかったのだが。雨も風も弱かった。

品川駅港南口からはすぐにスカイウェイを下り、汐の公園へ。キヤノンギャラリーへは、屋根のあるスカイウェイを通り、地上に下りることなく到着できる。

公園の両脇にスカイウェイが通るというのに、雨の中、公園を端から端まで歩く人は私くらいだった。たくさんのベンチなど座れる場所のある大きな公園だった。雨でなければ、ここでパンを食べたかったなと思いながら、のんびり歩いた。

汐の公園は、東京湾の潮の満干に応じて変わる水景があることを、昨日の移動途中に地図を見ていて気づいた。遠回りでもないので見ながら行くことにした。

が、雨の水分は感じるものの、水景は見当たらなかった。
「どこだったんだ?」と思いつつ、探し直すこともなくキヤノンギャラリーへ。

帰宅してから調べると、駅側の入口すぐにあった、石庭のようなデザインの場所(水のフォリー・Folly1)だった。そこは見たが、水のある景色だった記憶がない。

とはいえ、水がなかったともあまり思わないので、私がスルーしてしまったと思われた。今日の干潮は7:11に58cmだったらしい。私が通った頃は110cmと気象庁のサイトに出ていた。

朝の弱さを感じる時刻@風のフォリー・Folly4

キヤノンオープンギャラリー1・2で「鉄道遺産 今、そして未来へ」を見た。現役で使われている施設ではなさそうな写真もあれば、今も使われている建材や道具の写真もあった。日常で見かけることのない光景を面白く眺めた。

写真はとても大きく、大きなことで伝わるものもあるのだなと、写真美術館で見たPANTANALパンタナール展を思い出した。

見終えてからは公園に下りず、スカイウェイで斜向かい付近のニコンミュージアムへ。

大きな展示エリアではないのだが、密度の高い展示は見終わらなかった。夫も興味があるのは間違いなさそうだったので、再訪を前提に見終えた。

これまでに販売されたカメラ全てだろうと思われる数
子どもが使っているカメラも展示されていた
断面図ではないリアルな断面は面白い
こちらもリアルな断面

カメラやレンズがたくさん展示されてそう、というのは予想していた。が、迫力というより多数の視線にも感じられる、夥しい数だった。

私はかなり昔、当時は社会不安障害と呼ばれていたのだったか、人の視線の中では手元の細かなコントロールが効かなかった時期があった。その後、ほぼ困らずに過ごしているが、ここで無駄に視線を感じて緊張する意味はない。

ほぼ人のいない展示室をウロウロしていたので、スタッフさん・警備員さんに気にされている感覚は気のせいではなかっただろう。が、それも楽しむことには関係ないので気にしない。

日本カメラ博物館にもカメラは多かったが、カメラの展示からそんな感覚は持ったのだろうかと思った。多数のカメラやレンズによるどことなく嫌な感覚は、スルーすることにし楽しんだ。

製品になったカメラ・レンズ以外も、公式サイトで見た以上に濃い内容だった。

1940~1980年代のカメラ試作機
大型探照灯用反射鏡。8km先まで照らしたらしい。1939年製造。
半導体露光装置。科博による重要科学技術史資料(未来技術遺産)の認定証も展示されていた
Arfスキャナー NSR-S308F 投影レンズ。これも半導体のための装置
天文学にも大切な技術
はやぶさ2が持ち帰ったサンプルの精巧なレプリカ。拡大された大きい方は回転する展示だった

産業にも分野がいくつもあり、計測や研究にも欠かせない様子だったり。機器だけでも多いが、その説明を、気になったものだけでも全部を読む時間はなかった。

企画展「光学ガラスの軌跡」も、興味深かった。

これはおそらく常設のインゴット

光学ガラスは、建築倉庫での「新素材研究所」展と、国立新美術館の屋外で展示されていたガラスの茶室「光庵」のときに見かけたことがある。茶室のそばのWater Blockというベンチの素材は光学ガラスだった。

今日の展示を見ていると、光学ガラスは、作るというより、育てているように見えた。興味深く眺めた。

削られていない凹凸感が、育ったように見えたのだろうか

ヤマトグループ歴史館クロネコヤマトミュージアムへ向かった。ニコンミュージアムを出て傘をさす前、ここから見えるのではないかと建物を探すと、特徴のあるファサードとロゴが見えた。

ミュージアムは建物の外周部分にある。受付は2階で、エレベーターで上がった6階からスタート。6階は通路だけではなかったが、そこからグルグルと下りてくる通路が展示室。

展示室もグルグル巻きだが、展示室からは見えない車路も一緒にグルグル巻き。建物の模型もエレベーターホールに展示されていたが、実際の建物を外から見ると、グルグル巻きの車路はわかる。

到着するまで、外は動物園のような臭いがした。「品川駅前に動物園?」と思ったが、後で調べると食肉市場に隣接していた。

事前に、食肉市場にもミュージアムがあるらしい、と知ってはいたが思い出さなかったらしい。行こうとしていた場所や、見終えた後の所要時間が読めなかったこともあり、そこへ行く予定にはしていなかった。

宅急便はTA-Q-BINと表記するらしい。以前にもどこかで聞いた気はするが忘れていた。

創業100年を超える歴史は、とても古い資料から、今、その先を想像する内容まで幅広く興味深かった。大変だった時代も評価の悪かった時代も含め、淡々と見せている感じだった。

わかりやすい展示だと思ったが、子どもに全て理解できるとは思わない。それでも、子どもも楽しめるようなコーナーはあった。

私は、その子ども向けの宅急便体験コーナーだったと思うが、壁面のディスプレイにあった、荷物の自動仕分けの動画を、ジェットコースターに乗っているみたいだと楽しく眺めた。

ウォークスルー車
助手席のドアから入り、荷台から出られる体験コーナー

2階に戻ったカフェで購入した文明堂のドラヤキには、クロネコの焼印が入っていた。特殊な構造の影響を感じるファサードに、雨粒が付いているのを眺めながら、コーヒーとともにいただいた。

窓の外は、建物の細いワイヤーのようなものにまで、雨粒がたくさん並んで載っていた。不思議な光景だった。運河の向こう岸は紅葉しているらしき赤い木もあり、秋なのだなと思った。港南公園C面が見えていたらしい。

クロネコヤマトミュージアムのエントランス上部

品川で予定していた場所を見終え、落水橋で運河を渡った。

パブリックアート「Tap」@港南公園D面
「Tap」の上も雨

初めて天王洲アイルらしい景色を見たように思う。私が思う天王洲アイルらしい景色は、建築倉庫の倉庫見学で見られるエリアにある、天王洲アイルの大きな建築模型で知っているだけ。

その模型は2度、見たことがある。ブラックライトが使われていたり、水中にもたくさんの生物がいたりで楽しい。

天王洲アイルというと、建築倉庫へしか行ったことがなかったということなのか。昨日は「WHAT」のロゴの建物は見かけたが、展覧会や倉庫見学を楽しむという時間は取れていなかった。

天王洲ふれあい橋

天王洲ふれあい橋で再び運河を渡り、そのまま運河沿いの第2水辺広場Boardwalk2を歩くと、水門のそばに帆のない帆船が見えた。きれいな形だとは思ったが、何だろうと思いながら通り過ぎた。

帰宅してから調べると、東京海洋大学のキャンパス内にある、文化財の雲鷹丸うんようまる。水産事業の開発に役立ったり、たくさんの練習や研究に使われた船のようだった。

蟹工船というのはカニを船上で加工するのかと、今さらなことも思った。以前にも、今さらだなと思った気がする。蟹工船の事業が本格的になるより前の、開発に関わったような話を見かけ、そんなことを思った。

帆船を見たあとは、スカイウォークへ上がり天王洲アイル駅まで歩いた。無事に着いて良かったと思った。

事前に乗換案内で検索した結果、クロネコヤマトミュージアムから天王洲アイル駅へ歩ける、という経路の地図は表示されていた。

が、本当に着けるのか疑っていた。川など水路を渡るとか、大きな道を横断するとか、そこは渡れないという場所を、経路として表示していることがある。表示されていたのは運河を2回渡るルート。ストリートビューでの確認まではしていなかった。

途中、どこかの企業の敷地内で入れないとか、人が渡れる訳ではない設備の橋ではないのかと考えていた。渡れるなら運河は渡ってみたかった。が、雨の中、途中で行き止まりのうえ品川駅に戻るのは大変だな、というような考えで昨日を迎えていた。

が、ニコンミュージアムを出た後、クロネコヤマトミュージアムへ行こうとしたところで「天王洲方面」という歩行者向けの看板を見かけた。大丈夫そうだと安心できたので、落ち着いてクロネコヤマトミュージアムを楽しめた。

天王洲アイルに入ると、スカイウォークに上がれば案内表示はたくさんあり、迷うことはなかった。スカイウォーク沿いには飲食店も多く、そこからも天王洲アイルの雰囲気を感じられた。

みどりの広場

慣れない場所をたくさん楽しめた。
別なときに休みにし直そうかとも考えた日だったが、休暇返上しなくて良かったと思った日。

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