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分譲を超える賃貸がようやく完成間近。常識を逸脱した賃貸建築の概要を一部公開

師匠と共に、構想から約2年。来週完成予定の建築物件を今日は少しだけ公開してみます。

ブランド会社のプロダクト(物件をそう呼んでいます)として、作るたびに、前作を超えることは必須であり、また企業価値の進化を建築で表現している私たちは、常に世の常識に捉われず独自の価値観、観点で物事を進めています。

今回の建築も、デザイナーである師匠の意匠を進化させたものでもあり、またゼネコンも完全オリジナル設計のため難しい施工と管理に日々頭を悩ませさせてしまいました。そして外構などの大詰めということもあり、全員が気の抜けないピリピリした時期でもあり、そして設計会社も非常に多くの難しい課題に立ち向かっていただき、ようやく完成直前まで来れました。

分譲をある意味大幅に超える概念は達成しました。

1Fは店舗部分、2F ,3Fのメゾネット戸建型賃貸住宅は、難解なアーキテクチャの塊となってしまいました。

師匠のオリジナルデザインである、3LDKの戸建住宅をRC構造とし、様々な点で大幅なレベルアップを施しました。細かい部分では、僕のこれまでの経験と思い、アイデアもかなり取り入れ、師匠のアイデンティティを更に昇華させた開発となりました。

最大の難点は、1F店舗の排煙、吸気、水道、ガス設備、エアコン室外機やパイプ類をどのように建物内部に効率的に隠せるかでした。 エアコンの室外機に至っても、屋上から見てもデザインを損なわないことが作品としても求められること、雨樋など一切外に出さない為に、無数のアイデアを試行錯誤したものです。
さらに言うなれば、屋上の雨水、2F ,3F住宅の排水をどのようにデザインを損なわず1Fを通すか等、パズルのような図面構成。全てのフロアで間取りが違うことから、壁式ではなく、ラーメン構造を生かした構成となり、1F店舗では20ミリ厚の強化ガラス、3メートルの高さのサッシを収めるためのオリジナルフレームなどの制作の為、大幅に予算が増えたことも、大変な悩みとなりました。

キッチンはサンワカンパニーのグラッド45 2400サイズ、1台組み立て代込み130万円

RC造の戸建型住宅である為、既に構造的に分譲を超越してしまっていますが、さらに内部では分譲でも採用されないような建具、設備、環境を作り込みました。
キッチンは当然ながら、照明も標準採用、コンセント位置、数も無数に設置しました。

グラッド45の最上級モデルは、無方向研磨仕様。
幅の広いキッチンと、両側収納で、カップボードは人によっては不要なほど、余力あるキッチン

当たり前ですがキッチン周辺には、調理家家電を多く同時に使えるよう、コンセントも数箇所配置しています。

建具は全てフレームレス。本物のハイドアを標準。引き戸は、吊り下げ式を全て標準としました。

師匠の作品作りは、意匠を突き詰めるために、徹底的な引き算を行います。フロアタイルも、トイレ周辺まで、全て段差なく、敷き詰められており、建具は完全なオリジナル。ハイドア、ダンパー付き、吊り下げ式で完全なフレームレス仕様。

調理ガス器具はリンナイドロップイン4口仕様。キッチンサイズに負けない仕様。

ガス器具もキッチンのカラーリング、研磨状態に違和感のない、リンナイのドロップインを設置しました。過去からドロップインを使用してきましたが、今回4口は初めてでしたが気に入っています。

テラスはこれまでにない仕様。非常用侵入口を造作していただきました。

最大の進化の一部が、9m2のテラスに加えて、バルコニーを設置したことです。ステンレスフレームとワイヤータイプの手すりは、高級感がありますが、劣化が少なく、また錆などに強いことでコストはかかりますが採用しました。

2Fがテラス、3Fにバルコニーという、分譲では存在しない構成。しかもRC造という贅沢な内容。

テラスには、電気、水道を設置し、バルコニーでは洗濯物、布団を干したりと、室内以外も居住部分であることを生かした構成です。 分譲を大幅に超えてしまっている部分ですが、これは梁部分を有効に生かした、機能的箇所。
ある意味、象徴的な部分でもあります。

トイレは2F、3Fに2つ設置していますが、2F部分はかなり贅沢な作りをしました。

トイレはLIXILのサティス(タンクレス)を採用し、レプトカウンターは、サンワカンパニー製。空調用コンセントも備えています。
また壁面収納も過去から使っているLIXIL製を標準としています。


師匠の作品は、巾木がありません。デザイナーが手がけた物件の証ですね。

師匠の作る作品は、巾木がないだけではなく、建具もオリジナルであるため、徹底的な引き算が見て取れます。 だけど、これ、カッコイイか、カッコ悪いかだけの違いなので、当然施工が難しくとも、コストが掛かろうとも、巾木などない方がかっこいいに決まっています。

その他では、浴槽、シャンプードレッサー、収納、数箇所新規で導入した間接照明、僕のアイデアなど、師匠の作品をも上回る構成とした為、説明はしませんが難しい箇所もいくつかあります。そこは引き渡し後手直しを行いつつ、居住部分は一旦完成作業を進めてゆくところであります。

そうそう、この建築を進めるにあたり、分譲で売ってくれないか?という問い合わせがありました。世間の分譲を遥かに超えているからこそだと思いますが、そのようなお声をいただけるようになり、本当にありがたい限りです😊

外構は手直しの連続。デザイン的なバランス、安全性など確認事項が非常に多い。

最後の仕上げは外まわり。
外構で、デザイン的な物語、プロダクトの空気感を演出する、伝えるために、最後の仕上げ作業が進んでいます。
バレバレかもしれないけど、今回のプロダクトの全容を伝えることはブログ上では致しませんので、その辺ご理解ください。

見ただけで、師匠と僕の作品であることは十分伝わるような、革新的な構造体とデザインを有した建築は(物件とは言えません)まだ成長過程のものであり、当然コスト含めて誰でも作れるものではない世界です。

今回の自己資金は💦だけど、作る価値がある。
そして、僕は大きな決断をしたもう一つのプロジェクトがあります。
その辺は記事にはしませんが、そのプロジェクトの図面などを近く公開したいと思います。

お楽しみに😊

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