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煙草のデメリットは健康面ではなくハードボイルドな点である

この間僕は振られたショックで仮病を使いバイトを休んだ。

しかしこのご時世のため、コロナだった場合を考慮して一か月ほど休みになった。「自業自得」という四字熟語もこのような状況から生まれたのだろうか。

そんなバイトが明日から再開になる。

しかし嬉しいよりもしんどいがどうしても勝ってしまう。

コロナのせいで業務が増えに増え、オーバーシュートしているのだ。

少しでも気分を晴らすためコンビニでスイーツでも買おう。200kcal以下で。

何か嫌なことがあるときはこんな感じでコンビニでスイーツを買うようにしている。それも少し遠めのコンビニに向かい夜道を歩く。

PUNPEEとくるりを聴きながら、生温い空気を浮かぶように歩いていく。

こんな時いつもなぜか煙草を吸う真似をしてしまう。

痛い奴だと思うだろうか。せめて訳だけでも聞いてくれ。

まず僕にとっての煙草のイメージを説明しよう。

世界最高齢を狙う僕にとって煙草は、人生最大の天敵である。

歩き煙草をしている人の横を通るときは息を止めるし、一度呑みの席で煙草を吸う先輩に対し、「副流煙のこと考えろや!」と酒の力を借り怒り狂ったことがあるらしい。(記憶にないのが幸い。)

おまけに片思いしていた女の子の元彼達は大体煙草を吸っていると伺った。

一体煙草を吸う男のどこがいいのだろうか。(もはや煙草を嫌いな原因の主な理由はこれかもしれない恥ずかしい、、)

そんなどうしようもないことをずっと考えていたある日、前のバイト先の女性の先輩を帰り道に見かけた。

その人は僕とは真逆で、周りに分け隔てなく笑いを注ぎ、常に輪の中心にいた。

見かけた以上声をかけるべきか迷っていると、先輩の頭上から白い煙が立ち上がっていた。

喫煙者だったのか、、 少しショックだった。

しかしいつも口角が上がりっぱなしだった先輩の表情はどこかへ行き、まるで一人殺めてきたような表情をしていたのだ。

刺されたかのように背中がぞくりとした。

煙草という体に悪い棒切れで人はこんなに別人になるのか。

いや別人になれるのか。

その瞬間を見て以降、少し片思いをしていた女の子の気持ちが分かった気がした。

そして現在。

夜道には僕一人。誰もいない。

いっそのこと別人に思えるほどハードボイルドに思われたい。

そう思いを馳せ、人差し指と中指を唇にあて、親指を、ほうれい線が将来浮かび上がってくるであろう場所に添わせる。

この瞬間だけは孤独という概念が正論になる気がする。

そんな訳でハードボイルドな別人になった僕は、今日もコンビニでシュークリーム増量verを買うのである。

200kcal以下とは、ハードボイルドとは何だったのだろうか。

精神年齢2か月のナスオ。

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