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転職して半年以内に感じる「失敗した」という感情は恐らく理論的には幻想であるということ

 ジョブホップを何度かして、今また転職をして、悩んで、藻掻いて。そして、また気づいたことをここに記しておこうと思う。本当は恐らく今までも脳裏には浮かんでいたことなのだろうが、自分の中で言語化できていなかっただけなのかもしれない。

 まず、色々な本にも書いてあるが、離職の理由は「人間関係」であることがほとんどである。これはあくまでも「突き詰めていくと」ということで、これを否定したくなる人がいることは理解できる。
 私も今までの転職の全ての離職理由が主に「人間関係である」ということはまず、無い。そもそも人間関係がいいからこの会社に残りたい、と言う風に思考したこともないのだが。

 ただ「人間関係」というのは離職の要因とかそういうものに特化してお話すべきでもなく、確実に「働きやすさ」に影響を及ぼすものであると断言はできる。ここを恐らく否定できる人はいないだろう。

 そうなった場合、転職をして新しい職場に出向く場合、一日目から「オッス、オラ〇〇!よろしく!」なんてフレンドリーにいくこともできないし、いったとしてもそれが逆手に解釈されて「なんやこの馴れ馴れしい輩は。うーわ」という印象を持たれかねないので、とどのつまり初めから人間関係が円滑であるということはほぼあり得ない。
 円滑でない人間関係の中で働きにくさを感じてしまうのは人間であれば至極当然ではある。ただ、それを「失敗」と判断してしまうことなかれ。というお話をここではしたい。

 勿論、1年経っても2年経っても人間関係がうまく築けない、ということも考えられるし、有りうる。それはもしかしたら会社と属性が合っていないかもしれないし、何か他の要因があるのかもしれない。しかし考えてみたら小学校から16年ぐらい通って、団体生活を送って、それで今、気軽に話せる人が一人も二人もいない(ちなみに私はおらん)のであれば、そもそもそんな人間関係を円滑にできる人など簡単に見つかる訳もなく、そんなもんなんだろうと勝手に結論付けてもいいかもしれない。

 短いスパンで転職を繰り返してしまうと、確実に自分のキャリアにはマイナスの影響が生じる。ジョブホッパーであろうが何だろうが、会社に応募するとき、内定を受理するとき、必ず悩みに悩んで結論を出したはずである。ダーツを投げて「あ、真ん中に当たった。入ろ」とか言うことではないだろう。(そういう生粋のギャンブラーもいるかもしれないが)悩んで入った会社なのだから、簡単に「失敗かな?」と仮定してしまうのは良くない。何社も経験していたとしても、初めから会社に打ち解けてバリバリにいけるなんていう絶対の解や方法と言うものは無く、ほぼすべての方は初めは辛い。或いは何かしらの違和を感じて仕事をしているだろう。

 加えて日本企業型の会社である場合は、そもそも新卒採用にプロセスの比重が傾いていた為に教育システム等がそっちに寄っていることが多く、中途の人は蔑ろにされるなんていうケースも正直珍しくはない。「素人じゃないんだから適当にやるだろ」ぐらいに思われていることも往々にしてある。実際はこれだけ個性豊かで謎ルールで溢れた会社が多い中、初めからスペシャリティを発揮できる会社なんか早々あったもんじゃない。
 そんなわけで、転職したての時は働くうえで重要な要素である「人間関係」も無い、文化も違う、システムも整ってない。でもそれは「失敗ではない」と思うようにした方が良い。
 そして1年ぐらい経ったある時に人間関係を除いた要素の中で「自分の決断はどうだったのか」というのを改めて振り返ることができれば、良いのではないかと思う。

 私自身、ジョブホッパーであることを自覚してはおり、且つ客観的には生き急いでいたのかもしれないと思う。周りでもそのように映る人はいる。私の後輩にもそのような人がいる。しかし、人生をそんなに焦ることは無い。40を悠に過ぎて、八方塞がりかけた今だからこそ、そう思う。焦らず、今できることをして、チャンスと言うか何かタイミングが合えば、転職をしたら良いのではないかと思う。

良い、舵取りを。

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