講義6 なぜ障害のある子どもの支援が保育の原点と言えるのか?

講義6 なぜ障害のある子どもの支援が保育の原点と言えるのか?
私自身、障害のあるお子さんと関わることが多く、専門とも言えるのかもしれませんが、なぜ講義の中にあえて入れたかというと、障害のある子に対する支援は保育の原点だからです。なぜそう言えるのかをお話いたします。

保育所に居る子ども達の中には、さまざまな課題を抱えているお子さんが居ます。講義4や5の中にも出てきますが、お勉強、運動、お友達関係などに課題を抱えていたりします。そのような課題がより強く表れているお子さんが発達障害と言われるお子さんだったりいたします。ですので、そういったお子さんの支援が出来なければ、保育所の子ども達に対していい保育が難しくなります。

もし様々に課題を抱えている子ども支援の引き出しがないままだと、子ども達を一つの集団として、実年齢相応の(発達年齢ではなく)力があると仮定しながら保育をすることになります。そうなると、個人差のあるお子さんが置いてけぼりにされ、自信や意欲を失ってしまう可能性が出てきます。また、定型発達のお子さんでも、どこかに苦手さを抱えているものです。みなさんもそうではないでしょうか?苦笑 その苦手さに対して保育士が、無理に他の子ども達と同じようにさせようとすると、保育所が辛くて苦しい場所になり、保育士に対して信頼を持てなくなります。保育士に信頼を持てないとなると、生まれてきてまだ間もないお子さんですので『自分のことを誰もわかってくれない!』と大人全体への悪いイメージや不信に繋がりかねません。

そういう様々な課題に対する支援の引き出しを持っていただけたらと思います。例えば保育士が何かやってほしいことを子どもに伝える時に、言葉だけじゃなくて、実際に大人がやって見せることや、文字、イラスト、写真、動画などで伝える方法があります。それらの方法を知っていただけたらと思います。

以上の事から、障害のある子に対する支援は保育の原点だと考えます。

※障害を持つではなく、障害のあるという表現について
障害というのは例えば何かをしようとするけれど、何かが邪魔になって出来ないことを指します。なので〈障害〉は周りの環境ということになります。人のサポートがないことも障害になり得ます。私は世界旅行がしたいけれど、お金や時間がないことが障害になっています笑
なので、障害というのは本人や本人が"持つ”ものではなく。周囲の環境や状態のことを指します。こういう考えは保育そのものというよりも、福祉の視点なのかもしれません。保育も子どもの福祉であるという視点を少し意識していただけたらいいなと思っています。

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