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【第50回】夏は概念だけでいい。

あつい。あつすぎる。

「暑い」と漢字に変換するのが億劫になるくらいに、あつい。

どうなってんのこれ。季節が変わる度に過ごしやすさが違うっておかしくない?一定であれよ!!!!!!

博物館や美術館の保管庫みたいに地球が年がら年中同じ湿度と気温が保たれていたらいいのに。

そのせいで衣替えしなきゃいけないし、ものすごくめんどう。今日は半袖にしようか長袖にしようか、という季節の変わり目の悩む時間は無駄でしかない。そんな博打やらなくていい。賭け事は法律で禁止されてるんだぞ!!

季節に人が合わせるんじゃなくて、季節が人に合わせにきて欲しい。21世紀に突入して、20年近く経っているのに。もしそんな未来が訪れるのなら誰かタイムマシンに乗せて連れていってくれ。コールドスリープでも可。喜んで被検体になりますよ。

いや、わかってる。わかってる。「去年の夏の方が暑かったんだから、ちょっとくらい我慢しなさいよ」という気持ちもわかる。もう俺21だしガキじゃない。

でもね、暑いものは暑いのよ。車に跳ねられて大怪我した人がやっとこさ退院して、いきなり事故を起こしたやつに殴られ文句を言ったら「あの時の方が痛いんだから我慢しろや!!!」って逆ギレされてるのと全く同じ。そんな理不尽な言い訳がまかり通るわけがない。違うか。

ああ、やだ。やだやだやだ。夏やだよう。早く秋になってくれ頼む。マジで。

確かに夏っぽいものは好きだ。夏の抱えるノスタルジーはとても好き。モクモクと湧き上がる入道雲もカンカンに照りつける日差しもいい。花火大会やお祭り、海水浴にプール。そこから生まれる甘酸っぱい経験はなんて魅惑的なんだろう。僕はほとんど経験ないけど。悲しい。

そうじゃなくても夏休みという単語を聞けばワクワクするし、良い思い出もいっぱいある。帰ってこない、あの夏も記憶の彼方にある。

でも、暑いのやだやだやだやだ。滝のように流れ止まらない汗とムシムシとした湿気がやだ。なんで俺こんなに汗かきなんだよ遺伝子のバカ。ただでさえ体力ないのに。汗ともに内なるエネルギーが奪われていく。

そもそも夏の持つ良さって、夏休みにエアコンをガンガン効かせた部屋でゴロゴロしながら「ぼくのなつやすみ」を遊んだら、それで夏の醍醐味全部網羅できるんじゃないだろうか。早く新作出てくれ。

夏はもう概念だけでいい。人々が生み出したまやかし、それが夏ってことにしようよ。春秋冬で十分。さよなら。

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