矢部立也

メンタルヘルスと働き方、天才や創造性といったキーワードに興味があります。ビジネス系の経…

矢部立也

メンタルヘルスと働き方、天才や創造性といったキーワードに興味があります。ビジネス系の経歴はwantedlyにまとめてます。https://www.wantedly.com/users/18174389

最近の記事

新型コロナで「システム」依存の進む世界は、”次なる3.11”に耐えられるか

新型コロナウイルスに伴う社会の変化を考えたい。 タイトルに引用した「システム」は主に哲学者ハーバーマスが提唱する「生活世界」と「システム」という対概念から引用している。(学術的な著述ではないので、学問的な正確性に重きを置かず、主観的に理解、記述している。) 私の理解では「生活世界」は家族や近隣、友人などの非形式的な領域のことを指し、「システム」は経済、政治もしくは社会規範といった合理的かつ構造的に作られていった領域のことである。 ハバーマスやそれ以降の哲学者や社会学者の

    • 尾崎豊は「若者の代弁者」ではなくなったのか

      以下のブログと映画「尾崎豊を探して」より考えたこと。 尾崎豊に心酔する人々は、社会不適合性や異常性を抱えながら社会と折り合いをつけていくことを望んでいたのではないか。しかしながら今やその異常性に名前がつくようになった。それは「発達障害」なのかもしれない。こうした「生きづらい」人々が同時多発的に何らかの「カテゴリー」を獲得する。するとそうした人ーもちろん全員とは言わないーには、一種の諦念が無意識下に作用しているのではないか。つまり「自分は病気だから仕方ない」、「障害を持ってい

      • ニューロダイバーシティとは何か。〜企業が特異な才能を活かすにはどうすればよいか。〜

        米国を中心に精神疾患/障害の一部をニューロダイバーシティすなわち神経多様性もしくは脳の多様性として捉える考え方が主流になっています。 一般的にこの概念に含まれるのは、ADHD,自閉症,失読症,不安障害,双極性障害,HSPなど先天的で、基本的には治るということがない疾患や障害のことです。 障害として分断するのではなく、性別や人種と同様に多様性の範疇で捉えビジネスシーンなどに積極的に包摂することを目指す考え方です。 *以下の議論は障害診断や公的支援を受け、就労や日常生活が著

        • 「社会起業家とか眠たいこと言ってんじゃねーよ」発言について考える。

          私が参加しているAMPゼミでの議論を踏まえ、改めて社会起業について考えたい。 「社会起業」という言葉を聞くたびに、高校時代に読んだ以下の記事のことを思い出す。 堀江貴文氏のかなり昔のブログ記事であり、主張としては「そもそも社会変革を目指して起業するので、しっかり収益を上げて従業員や株主に報いることが社会貢献に繋がる。従って"社会貢献"をことさらに協調するのは逃げである」とのことだ。 私自身精神疾患や精神障害を事業ドメインに据えており、こういった事業が「社会起業」と形容さ

        新型コロナで「システム」依存の進む世界は、”次なる3.11”に耐えられるか

        • 尾崎豊は「若者の代弁者」ではなくなったのか

        • ニューロダイバーシティとは何か。〜企業が特異な才能を活かすにはどうすればよいか。〜

        • 「社会起業家とか眠たいこと言ってんじゃねーよ」発言について考える。

          シリコンバレーで話題のTRANSTECHを概説する

          シリコンバレーではTRANSFORMATIVE TECHNOLOGY CONFERENCEが近年開催され始め新たなる分野の幕開けを予感させる。 TRANSFORMATIVE TECHNOLOGYとは何か?この技術は、「将来の仕事や社会、技術は人間のマインド/精神の状態に依って左右される」という大前提を出発点として展開している。より具体的には「どうすれば人類は自らの認知的、感情的な能力を向上させ、潜在能力をフル活用できるようになるだろうか?」という問いである。 キーワード並

          シリコンバレーで話題のTRANSTECHを概説する

          シンギュラリティーは人間の脳で起こる。〜「創造と狂気」から考える脳のマイニング〜

          AIが人間を超えるというシンギュラリティーの図式には、ずっと違和感を感じており最近読んだ本や論文、ディスカッションから考察を一歩進めることができたので記していきたい。 脳の10%仮説と脳のマイニング脳の10%仮説というのは非常に有名な話で、人間の脳は10%ほどしか使われておらず未使用部分の潜在能力を開放すれば知能を向上させることができるという話だ。 この仮説に関連し脳科学者の茂木健一郎氏は「脳はマイニングされるべきナチュラルリソースであり、スーパーコンピューターと比べた場

          シンギュラリティーは人間の脳で起こる。〜「創造と狂気」から考える脳のマイニング〜

          【書評】天才を殺す凡人(北野唯我)

          年間結構な数の本を読んでいるが、久々に印象に残った書籍があったので紹介したいと思う。 著者は新卒向け就活メディアワンキャリアの北野氏で、前作の転職の思考法がベストセラーになり、注目されているビジネスパーソンである。 どんな本?北野氏のブログ記事である凡人が、天才を殺すことがある理由。ーどう社会から「天才」を守るか?で説明された天才・秀才・凡人の特性や関係性などの理論を物語仕立てで説明する本である。 かつてベストセラーとなった夢をかなえる像(水野敬也)を彷彿とさせる著述スタ

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          【就活】自己分析について思うこと

          就活生が陥る自己分析の罠に関して私なりに次世代の自己分析とは何かについて考えてみたのでnoteに記してみる。 就活生がよく言われることとして、「自己分析がすごく大事」「生まれたときからの自分の価値観や意思決定の基準を振り返ろう」など”自己分析”をしなければいけないというようなアドバイスがある。 確かに自分のことを知らずに少なくとも数年は取り組む仕事を選ぶのはリスクが高いので、自分のことを知ることはすごく大事である。 ただしそのための最適な手段がいわゆる”自己分析”である

          【就活】自己分析について思うこと