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躍進するアフリカに中国の一帯一路

9割の日本人が驚愕「これがアフリカなのか」.2


それが「一帯一路」の一つであることは、すでに知っていた情報で、驚くに当たらないが、実際、それが全面アナログで眺望すると、日本人の驚愕ではなく世界の驚愕になってしまう。

もっか日本では東南アジアなど、経済基盤シフトであることは、容易に想像されるが、コト、アフリカに関しては、殆ど知らなかった。それが9割、即ち1億8000万日本人が、それを知らなかった、という話しということになる。
メディアの責任も大きいが経済界「連合」「経団連」「経済連」は、いったいなにをしていたのかという疑問は払拭できない。

もちろん二国間の問題でもなく高度な政治交渉が必要なことは、誰だった知っている。その超難題を突破してこそ、明日のミライ日本があるはずだと与党に期待していたが、甘かった、という結果論しかない。

昨日書いた記事ではそれを「ダブルガラパゴス」と表題にしたが、それはなかなか理解されなかった。

その周回遅れを挽回するのには2.30代世代に、おっかぶせるという古式が健在日本では、無理な相談なのだろうか。

2023年02月11日記事

ナイロビ新幹線、「一帯一路」の一環として

ナイロビ新幹線を中国企業が受注した驚愕の理由 中国の対アフリカ輸出額10兆円、居住者100万人 椿 進 : AAIC代表パートナー 東洋経済 2021/07/27 10:00

画像 ケニアで長距離鉄道が開通、地域経済活性化に期待 - CNN.co.jp

リープフロッグ(カエル飛び)で飛躍するアフリカのファクトフルネスを解説した椿進氏の『超加速経済アフリカ』が、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介され、大きな反響を呼んでいる。いま、アフリカにとっての最大の貿易相手国は中国。インフラ投資や人的交流も拡大している。今回は、教科書では学べない、テレビや新聞も伝えない、アフリカで存在感を増している中国について椿氏が解説する。
中国の対アフリカ輸出額は10兆円規模

実は1960年代から80年代にかけて、日本の家電メーカーはアフリカ市場を席巻していました。ところがその後、アフリカのトップブランドになっていったのが、サムスンやLGといった韓国メーカーでした。ただ、最近ではOPPO、vivo、ファーウェイ、小米など中国メーカーが急激に追い上げています。

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韓国メーカーも以前の日本の家電メーカーと同じような状況になりつつあります。実は日本のメーカーが進出する前は、トムソンやPCAなど欧米企業が家電市場を押さえていたのです。そこからシェアを日本企業が奪った。
それが韓国企業に、次は中国企業へと移りつつあるということです。実際、すでに中国メーカーはスマホでもアフリカのトップブランドになっています。
中国はすでに、アフリカにとっての最大の貿易相手国です。売るのも買うのも、ともに最大。中国が買っているのは、燃料・鉱物が約9割で、あとはコーヒー、紅茶、ナッツなどの食品関係です。売っているものは、4割弱が機械・電子機器・部品、残りは車両、プラスチック製品、アパレルなど幅広くあります。すでにそれらの輸出額は10兆円規模になっています。
ちなみに、日本とアフリカの貿易は、アフリカへの輸出で約9000億円、輸入で8500億円弱。ともに中国の10分の1以下です。実は中国がアフリカに本格的に目を向け始めたのは、2003年頃からです。そこから18年の間に、圧倒的な存在感を出すことになったのです。
中国のアフリカ進出の最大の目的は「資源の確保」です。2003年頃から、中国の急速な経済成長で資源不足が課題となり、戦略的に進出。特に石油や鉱物、レアメタルなどで、国家のエネルギー安全保障の一環として進出しました。もう1つの目的は、「国際世論の形成」のようです。国際世論を中国の味方につける。国連の票を多く獲得することです。
国連に優れた人材を多く送って、いいポジションを獲得し、影響力を及ぼすことなども、国家戦略として進めているようです。その点でも、アフリカは魅力的です。アフリカの国連における票は54票もあるからです。
アメリカの1票も、小国の1票も、経済規模で加重平均したりはしませんから、同じ1票。アフリカを仲間に取り込むことは、国際世論の形成上、大きな意味を持つのです。さらに近年はアフリカを「市場」としても捉えているようです。物価水準が近いため、中国の商品がそのままアフリカで売れるのです。アフリカ人も、中国に買い付けにたくさん来ています。建材でも雑貨でも服でもなんでもです。中国では、建材も雑貨も供給過剰なものが多く、それらを輸出しているのです。こうして中国は、貿易で輸出入ともに最大相手国となり、インフラ投資や人の交流なども大規模に行い、アフリカに大きな影響力を持つようになりました。中国の投資条件「台湾を国として認めるな」中国のアフリカ投資は、他の先進国とは違ったスキームで行われています。一般に、途上国を援助する際、ODAなどの実施において一定のルールや条件があります。例えば、ODAの工事は、競争入札にする、などです。他にも資金提供において、人権を守る、民主化を進める、不正・汚職をしない、などがあります。
ところが、中国の投資は、これらの先進国のルールに則りません。そもそも自分たちは、1人当たりGDPだと今も発展途上国だと主張しています。
これは、一部の国にとっても都合が良かったようです。いろいろな条件をつけず、ビジネス(儲かればやる)で投資してくれるからです。
もちろん、中国の投資がすべてうまくいっているわけではありません。北アフリカでは、2011年のアラブの春で政権が変わり、中国が投資した権益が破壊され、大規模な損失が出たケースもあるようです。
中国の投資も無条件ではありません。有名な条件は、「台湾を国として認めるな」というものです。以前、アフリカには、台湾と国交を結んでいた国が10カ国以上ありましたが、今は1カ国(2020年時点)しかありません。
直接投資によるパッケージディール中国は今、アフリカでも「一帯一路」の一環として次々に大型インフラ開発を進めています。高速鉄道や高速自動車、ジブチには大型港湾施設も作っています。ケニアの高速鉄道の建設を担ったのも中国です。先進国の途上国への援助や投資には先にも書いた多くのルールがありますが、中国のやり方は異なります。最初にインフラを敷設するプロジェクトとして受注してしまうのです。援助ではなく「直接投資によるパッケージディール」です。高速鉄道であれば、中国の車両・レール・運行システム・メンテナンスなど、すべてがパッケージで契約されます。それから資金調達です。
これも、中国輸出入銀行などの金融機関が大半を融資しているようです。

個別プロジェクトに対する融資という形です。実際、中国は援助やODAとは言いません。通常のプロジェクトファイナンスとして実施するのです。ナイロビ新幹線(Standard Gauge Railway)は、約3500億円のプロジェクトですが、8割以上が中国からの融資です。そして、そのうちの多くは中国の車両、レール、システム、中国ゼネコンの工事代金などとして支払われます。もちろん、ローカル企業やローカルワーカーにもお金は落ちますが、過半は中国企業が受注している。
そしてナイロビ新幹線に限らず、中国のアフリカでのインフラ投資の問題になっているのが、返済できなかったらどうなるか、です。元本を払えなくなったら、関連する土地の長期間租借、といった契約が取り交わされている実例が他であるからです。
最近は「債務の罠」として有名になり、アフリカ各国も警戒をするようになってきています。もともとイギリスやフランスなどの植民地だったのです。債務免除や新型コロナの影響で返済猶予、政変によって踏み倒し、などの債務については今後も丁々発止のやりとりが続くでしょう。
新幹線といえば、本家本元は日本。実はナイロビ新幹線も簡易に試算したことがあるそうです。

日本の新幹線だと、総工費で約1兆円、工事期間6年以上、日本からのファイナンスは最大5割程度。一方、中国は総工費約3500億円、工事期間3.5年、ファイナンスは8割以上。
この条件だと、勝ち目はありません。日本は最速250kmで、毎5分で運行できて、事故がなく安全。でも高い。そこまでのスペックはまだいらない。
新幹線といいましたが、正確には標準軌道(SGR/Standard Gauge Railway)です。最高時速は170km、平均時速120kmです。特急に近いと思います。客車は1日上下4~6本程度で、あとは貨物車が運行します。実は、客車よりもこの貨物車が重要で、東アフリカの物流改革のカギになる可能性があります。今後、ウガンダの首都カンパラや、ルワンダの首都キガリ、ブルンジの首都ブジュンブラまで、ナイロビから一本でひかれる計画になっています。
ちなみにナイロビ新幹線は現在、ナイロビとモンバサ間470kmを運行しています。東京から京都くらいの距離ですが、乗車賃は、普通車約800円(開業特別価格)、一等車が約3300円。5年間、中国の会社が運営して、ローカル企業に手渡すことになっています。私も開業後すぐに乗りました。満員でしたが、とても快適でした。
「儲かるから」「そこにビジネスがあるから」中国は、インフラ工事などを行うとき、一部労働者も含めて送り込んでいることは有名です。ただ、ナイロビなどの工事現場をみると、大半はローカルの労働者で、現場監督や重機の運転を中国人がやっています。ちなみに、正確な統計はありませんが、約100万人もの中国人が、アフリカにいると言われています。最初は、エネルギー開発・インフラ開発から始まりましたが、次にトレーディング(貿易取引)、小売り・不動産・製造業など、通常の商売の人たちが進出してきました。それに合わせて、その人たちのための飲食店やサービス業が大挙して進出してきているというイメージです。強制で来ている人はわずかで、「儲かるから」「そこにビジネスがあるから」という理由で普通にアフリカに来ています。
知り合いの中国人で、数名の仲間と一緒にコンゴで金の採掘権を得て、実際に採掘し、大儲けした人もいます。アフリカ人にとっては、お金を出してくれる人は原則ウェルカムです。中国のイメージは「最近になって急激に成長した」「見習いたい」というもののようです。中国もそれをアフリカで強くアピールしています。「経済発展の仕方を教えます」と、各国の政府にアドバイザー的な人材を送り込んでいます。「アフリカも中国のように発展したい」という感覚は多くのアフリカの国であると思います。
東アジアからは推定100万人の中国人、次に多いのが韓国人の約1万8000万人。日本人は約7500人(新型コロナ流行前、外務省統計)です。中国人は日本人の約100倍いますから、どこに行っても私は「ニーハオ」と話しかけられます。アフリカ人にしてみれば、違いは全くわからないでしょう。私が「ノー」と答えると、次は「アニョハセヨ」と返ってきます。これも仕方がないでしょう。
一方でアフリカ人は、日本とは歴史的なわだかまりが全くありませんから、日本人をとてもウェルカムしてくれます。トヨタやソニーなどの日本ブランドはとても浸透しています。ただ、彼らは日本人にほとんど会ったことがない。
近年、国ベースで考えると、やはり中国の存在感は大きい。インフラ投資から、政府へのアドバイザー派遣、商工会議所、ビジネスセンター、大学や病院、農業学校、チャイナタウンなども中国資本でどんどんできています。
もちろん、貿易でも中国がナンバーワンになっていますが、FDI(海外直接投資)の累積ベースだと、イギリス、フランス、アメリカもまだまだ大きなプレゼンスがあります。日本も、一貫してJICAやODAで支援をしてきており、一定のプレゼンスはあります。さらにトヨタのような、いい商品としての認識や、ハイテクな国というイメージもあります。それらを活かしながら、活躍する日本企業と日本人が増えてくることを心から期待しています。椿 進さんの最新公開記事をメールで受け取る(著者フォロー)

ザンビアの首都ルサカのファーウェイにあるオフィス(写真:Bloomberg)

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中国対抗で膨らんだアフリカ支援「4兆円」の意味グリーンやスタートアップへの投資効果に疑問東洋経済 2022/09/07 7:30中国のアフリカでの影響力の広がりに日本は対抗意識を強めている。写真はザンビアの首都ルサカのファーウェイにあるオフィス(写真:Bloomberg)
チュニジアのチュニスで開催されていた第8回アフリカ開発会議(以下TICAD、Tokyo International Conference on African Development)が8月28日に閉会しました。
TICADは、その名が示す通り、日本が主導するアフリカ諸国の開発をテーマとする国際会議で、1993年に始まり、当初は5年ごと、2013年以降は3年ごとに日本とアフリカで交互に開催されています。開会式には、岸田首相がオンラインで参加し、日本が今後3年間で官民あわせ総額300億ドル(約4.2兆円)の資金を投じることを表明しました。
日本国内では、この資金投入表明に対し、「アフリカ支援よりも、国内の新型コロナや物価高対策に資金を使うべきではないか」との声が上がっています。資金投入額の中には、アフリカ開発銀行との協調融資額や日本の民間企業による投資見込み額なども含まれているとみられるため、300億ドル全額が日本政府による支出という訳ではありません。
アフリカ支援の目的、意義を説明すべきだしかし、政府はしっかりとその目的や意義について国民に説明すべきと思います。同時に、近年のTICADや日本政府の支援のあり方については、いくつか気になる点があります。まず、支援内容です。岸田文雄首相は今回、「グリーン投資」や「スタートアップ支援」を強く打ち出しました。いずれも、日本でもよく取り上げられる「成長戦略の柱」ですが、今のアフリカ諸国に優先すべき支援は、本当にこういったものなのでしょうか。アフリカの人口は、13.2億人で、世界人口の約17%を占めます。こうした巨大な人口を抱えるアフリカは、かなり前から「アジアに続く世界の成長センター」と言われてきましたが、実際には、いまだに成長軌道に乗れていません。
本来、人口規模は国力の源であり、人口増加は「理論上」、労働力増加を通じて、経済成長に貢献します。巨大な人口を抱える中国では1990年以降、増加した労働力がまず繊維産業など軽工業に吸収されました。さらに自動車などのより生産性の高い製造業に移動することで、労働者の賃金が大幅に上昇しました。
これが巨大な消費市場を担う中間所得層を形成し、経済の好循環を生み出しました。ここで重要なことは、単純に「人口増加=経済成長」ではないということです。経済成長の実現には、増加する労働力を雇用する産業、特に、生産性の高い製造業が不可欠です。労働力が増えても、雇用する産業がなければ、失業者が増え、経済成長どころか、治安悪化等につながってしまいます。
デジタル化より製造業の誘致・育成が先決残念ながら、アフリカの多くの国では、インフラ未整備などの問題から海外からの投資が伸び悩み、特に、製造業がなかなか立ち上がってきません。アフリカはこれまでの経済発展段階を飛び越え、一気にデジタル化などが進むとの見方もあります。しかし、現段階のアフリカ諸国に必要なのは、人口増加というメリットを最大限に生かせる付加価値の高い「製造業」の誘致・育成と、それによって実現する雇用拡大を通じた所得の増加です。
一部のアフリカ諸国では、先進国にも負けない技術力をもったベンチャー企業もありますが、こうした分野だけでは巨大な労働力を吸収することはできません。こうした状況の中で、日本が優先する「グリーン投資」や「スタートアップ支援」は、あまりにも先に行き過ぎたもので、十分な効果が得られないのではないかと危惧しています。
AU(アフリカ連合)の議長国を務めるセネガルのサル大統領は、TICAD開会式の演説で「重要なのは食料問題での自立であり、農業生産力や輸送能力の向上などが必要」と訴えました。これがアフリカ側の本音だとすると、製造業はもとより、そのさらに前の段階としての「農業分野のテコ入れ」が最も優先されるべき支援分野となります。先進国目線ではなく、アフリカ諸国が最も求めていることは何なのかを再確認すべき時期にきているのではないかと思います。
二つ目は「中国への対抗意識の過度の強まり」です。TICADはアフリカ諸国の経済発展支援とともに、多くの国連加盟国を抱えるアフリカとの友好関係を強める目的がありますので、日本が中国のアフリカでの影響力拡大に対抗意識を持つのは当然です。今回のTICADでも、中国を念頭に「不公正・不透明な開発金融の排除」や「民主主義の定着及び法の支配の推進」「開かれたインド太平洋戦略への協力」などが大きな論点となりました。

これらは、日頃から日本政府が主張しているもので、内容自体に違和感はありませんが、過去のTICADでは、ここまでむき出しの形で中国への対抗意識を出していませんでした。支援規模も同様です。2019年に開催された第7回TICADにおいて、日本は、200億ドルの支援を表明しましたが、中国は、2021年に開催した中国・アフリカ協力フォーラムで400億ドルの支援を打ち出しました。
今回、岸田首相が表明した300億ドルという支援額は、この中国の支援額を意識したもので、足りない分を「人への投資」といった「日本らしさ」でカバーしたと説明されています。日中双方が提示する金額が、本当にアフリカ側が必要としているものなのか、また、「日本らしさ」という独りよがりとも見えかねない支援に、本当に効果が期待できるのか、懸念はぬぐい切れません。支援効果より意地の張り合い?

日本と中国が争いながらも、その支援規模や内容が、本当にアフリカ諸国の発展に貢献できればよいですが、実際の支援の効果は二の次で、金額の多さや、その国らしさといった曖昧な支援合戦のような「意地の張り合い」が強まりすぎて、本来の主旨がないがしろにされてしまうことがないよう、つねに留意しておく必要があると思います。
日本の対アフリカ投資残高(2020年)はわずか48億ドルで、首位の英国(650億ドル)はもとより、中国(430億ドル)にも大きく水をあけられています。TICAD開催のたびに、アフリカを「人口が多く、潜在成長力が高い有望地域」「アジアに続く世界の成長センター」「最後のフロンティア」などと持ち上げ、都度、見栄えの良い「支援」が打ち出されていますが、本来、評価されるべき「長期にわたる継続的支援」が「惰性」につながってしまっていないか注意が必要です。
巨額の資金投入に対する国民の理解を得るためにも、お題目的な美辞麗句はいったん棚上げして、なぜアフリカ諸国がいまだに成長軌道に乗り切れないのか、日本の支援はアフリカ諸国のニーズに合致し、経済発展に貢献できているのか、中国への対抗意識が強すぎて本来の主旨を忘れてはいないか、といった点を、冷静に再確認すべき時ではないかと思います。

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020211一帯一路


構成編集#つしま昇

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