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手の平サイズ「グエノルライオネス」

「フィッシャー」は、ウィルフォード・キングが1915年に試算した数字を引用しながら嘆いた。
「資産の50%以上を人口の2%が保有しています」
「人口の3分の2が資産をほとんど持っていません」
フィッシャーに言わせれば、これは「非民主的な富の分配」であり、米国社会の基礎を脅かすものだった。

1919年、アメリカ経済学会の会長だったアーヴィン・フィッシャーは「会長スピーチ」で不平等の問題について語った。
彼は集まった経済学者の前で、富の集中が米国の主要な経済問題になっており、この問題を放置すると、米国が古い欧州のように不平等になってしまうと直截に語ったのだ(当時の米国では、欧州は寡頭制の国々の集まりと見られており、寡頭制は米国の建国理念に反するものとされていた)。フィッシャーは、ウィルフォード・キングが1915年に試算した数字を引用しながら嘆いた。これは「非民主的な富の分配」であり、米国社会の基礎を脅かすものだった。

米国が1918~1920年から、ウィルソンの民主党政権のもと、他国に先駆けて所得最上位層に70%を超える税率を課せたのは、このような認識があったからだった。ローズヴェルトが1932年に大統領選で勝ったときには、大規模な累進課税を実施するのに必要な知的な土台作りはすでに整っていたのだ。だからローズヴェルトは1942年の有名な「勝利税」で88%、1944年には94%という最高税率を課すことができた。

米国はその後、ドイツと日本で同水準の税率を課した。このような大規模な累進課税制度が民主主義の制度を補完する不可欠なものだというのが当時の認識だった。大規模な累進課税制度がなければ、民主主義はプルトクラシー(富裕層による支配)に堕してしまうと考えられていた。

■21世紀の資本~最新版トマ・ピケティ 2023/6/17(土)  クーリエ・ジャポン 引用

その方程式は間違ってはいない?

旧くなった電卓で何度も計算しても、やっぱり1パーセント寡占率は変わらないし、その底辺層には自分もいる、と云うことの実感がないと、思っているだけで、実際はその中の砂粒の一つ、なんだろう。そんなこと皆さん自覚するだろうか。

一昨日書いた「ウォール街」シンドローム記事は、多大な数字の講読数をみて感じたのは内外の「経済事情」であることを再認識させられたわけです。

こんな記事を書くと、早速その筋の方からの閲覧があったのですが、この経済(特に金融)においては、勧誘的な話とか、経済指数とか、世界の株価指数とか、ほとんど当事者の為の記事で、その実態カラクリを書いたものは、殆どありません。
もっとも、そのウオール街の手練手管を、よくよく精査してみれば、仕組まれた芝居を知っているか、そして知らないかの決定的な違いで、巨額を手にするかホームレスになるか、という分岐のような気がしました。

と云っても、再三口にしてますが、私はその「けものみち」を歩いたこともないし、ルートもしらない。だから、その道の途中ですれ違った、不釣り合いの美人が女狐だったとか、炭焼き籠を背負った老人が「狸親父」でスワの父親であったことも知らない。

それは全部つくり話しだった、と云ってしまうと完全詐欺師ですが、まあ戯曲も人が喜んでくれれば~、など言い訳もしたくなります。

フランスのトマ・ピケティとか、エマニエルドットの著名人が、テレビとか書籍で、世界とその経済分布指数とか、グローバルな世界経済を分析しますが、それが合っているのか外れているのか、まったく判らない。その内に、新説を云う、気鋭の学者とかが出てきて、それまでの説を否定して、現代経済トレンドは此れだ、とあちこち(メディア)が吹聴するので、ああそうかな、とにわかにそれを信じてしまう。無節操この上ない。

またそんなことを人前で口にすることが博識だとかアンテナ感度が鋭いとか、そんな風聞を流していい気になると云うのは江戸の昔の瓦版以来なんでしょう。とかいう自分がそれか。

まあ、戯曲シナリオプロットを考えていて、井戸に脚を獲られたアリストテレを例題にしとけば、なんとか誤魔化せると心底思っていない詐欺師なのできたない馬脚をさらけ出してしまいます。

「グエノル・ライオネス ライオン石灰岩塑像が64億円(07/12/7 時価)

「グエノル・ライオネス」、冒頭を飾る古代ライオン像の64億円。約5000年前の古代メソポタミア文明の石灰岩製で全長約8・3センチのライオン彫像。
同社によると彫刻の落札額では過去最高だという。このライオン像を実際に彫ったメソポタミアの民は、経費はいくらだったのだろうか。おそらく石灰岩の石は専門業者から買ったものだろう。5000年前のメソポタミアでも、すでに近代国家的なインフラは整っていたという見方もある。道具のノミは、これも石器でなく、鉄製ノミを使い、研磨仕上げは今でも湿地帯に自生する古代種「トクサ」で充分だ。サイズは8・3センチ程度だから、いまだったら3日間くらいで仕上がる。
値段は、1200円くらいか。(原材料のみ2023年時価)
それを5000年間、ジッと待てば64億円になる。FXより断然確実な投資だ。

古代ライオン像に64億円 米、彫刻落札の最高額  07/12/7  

競売大手サザビーズは約5000年前に作られたとみられる古代メソポタミア文明のライオン像がオークションに掛けられ約63億6000万円で落札されたと6日発表した。同社によると彫刻の落札額では過去最高。擬人化されたメスのライオンが手を前で組むポーズが力強く表現されている。   落札されたのは石灰岩製で全長約8・3センチの「グエノル・ライオネス」・・・。 ( 画像はメソポタミア5000年前の彫刻 11/30 AP-共同提供  四国新聞社

英語翻訳-
グエノルライオネスは、イラクのバグダッド近郊で発見されたとされる5000年前のメソポタミア像です。筋肉の擬人化されたレオニン人間を描いたこの彫刻は、2007年12月5日にサザビーズのオークションハウスで5,720万ドルで販売されました。 ウィキペディア(英語)

ライオン像「グエノル・ライオネス」=11月30日撮影2007/12/07 11:27【ニューヨーク6日共同】競売大手サザビーズは6日、約5000年前に作られたとみられる古代メソポタミア文明のライオン像がオークションに掛けられ、5716万1000ドル(約63億6000万円)で落札されたと発表した。同社によると、彫刻の落札額では過去最高で、落札予想価格の1800万ドルを大きく上回った。


ウイキペディア


2023年06月18日記事

神々の指紋 グラハム・ハンコック
『神々の指紋』は、グラハム・ハンコックによるノンフィクションとされる超古代文明についての本である。 単行本は翔泳社、文庫版は小学館から発行。また本書のコミカライズした「完全コミック版」が小池書院から発行されている。

その真偽については、学術的には否定されている。

『エコノミスト』誌の東アフリカ特派員の経歴を持つイギリス人作家グラハム・ハンコックが、世界各地を調査して執筆、イギリスで発売されたものである。本国イギリスでは発売後2週間で書籍セールスのトップになり、27言語に翻訳され、300万部以上売り上げたと推測されている。
内容としては、世界各地にあるオーパーツとされるものを分析し、超古代の南極大陸に現代文明以上の高度な文明を持った国家があったと結論する。
ノンフィクションを名乗りつつも事実の捏造や参考文献の曲解・歪曲、既に否定された学説を持ち出してくるなど、信憑性は無きに等しいとの指摘も多い。科学界と大学関係者たちは、この本は疑似科学であり偽史の超古代文明であると評している。

歴史学者の長谷川亮一は、ムーやアトランティス大陸説などは白人優越主義による偽史と評価している。そのうえで、『神々の指紋』について「明らかに従来のアトランティス大陸説の影響を受けた、白人の優越感を誘う発想が背後にあるものと思われる。」と評している。

ASIOSの本城達也は、古代宇宙飛行士説を世界に広めたエーリッヒ・フォン・デニケンの焼き直しであり、さらにチャールズ・フォートや近代神智学の創始者ヘレナ・P・ブラヴァツキーに遡ることができると述べている。
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)

その「グラハム・ハンコック 神々の指紋」(上下)の例もそうだが、トマ・ピケティなど世界的なベストセラーは何か共通するものがある。
内容自体はどちらも、小学生や女こどもが読める代物ではない。むしろアカデミックに、しかも具体的な数字年代を引き合いに出すというのは、ギリシア以来の哲学の影響の断片を覗かせているのかとおもったりする。

仏経済学者トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本論』について、批判的な異論を述べてみるとこんなことだ。
この社会とくにアメリカで起きている現実では、アメリカンドリーム億万長者としてグーグルのペイジ、ブリン、古くはビル・ゲイツ、そしてザッカーバーグなど、IT分野で一躍有名になった。

彼らの所得と自分の所得を比較すれば、桁が大幅に違うのは歴然だ。だか、余りにも違うその数字に対して憎悪感は抱かないだろう。
どうしてそれだけ稼ぐのが、そのからく知っているいるからだ。いまいましいのは、「米国人はこれまで何年も、持てる者と持たざる者の格差問題」など、欧州的な強迫観念にすぎないと軽視してきた。

だが、その米国人もここへきて突然、ウォール街が過剰に富を得ていることに怒りが爆発、「富裕層と富の再分配の在り方を問題にした」、ということに集約されるのだ。

だが、そんなことは昨日今日始まったことではなく、一攫千金を確実に狙って営業資本を作った古い時代の商人企業はいくらでもいる。

いま問題にしているのは勿論、所得格差に違いないが、「働けど楽にならざり」という現実からくる呪縛で、では明日どうしたら余計に所得を増やせるか、という期待感がもてないという社会のインフラに対してだ。

さらに、ネット時代も成熟してきて、旧メディアが情報発信していなかった封印情報をネットが大っぴらに公言する時代になったからだ。
スノーデンスパイ事件しかり、「アノ二マス」ハッカーによる国家超シークレット情報の漏洩など、以前だったら社会に晒すことのなかった情報が、自分のパソコンで、それを覗けるという安易さがそこに拍車をかける。

「実際バカらしくてやってらんない」という本音が、あちこち世界中からきこえてくるようだ。


Premier Atlantic Demo with Abigail Zachko | D'Angelico Guitars




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