かりん

大好きな母を2021年に亡くしました。自死遺族になった日常のあれこれ。 それまでのわた…

かりん

大好きな母を2021年に亡くしました。自死遺族になった日常のあれこれ。 それまでのわたし、その後のわたしの気持ちの揺れや、現実の彩り。

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永遠に答えのでない問い

母が亡くなってから、しばらくして 生きている意味がわからなくなり、 どこへ行っても何をしても、 死にたい、としか考えられなくなった。 と同時に、 母がなぜ、死を選んだのか、 なぜ、本当に決行してしまったのか。 草花に霜が降りれば「かわいそう」と鉢を動かし、 鳥のさえずりが聞こえれば、窓辺まで寄って行き、 「ジョウビタキだよ、かわいいこと」 「ほら、かりんも見て」 そう笑い、なんでもない日常を喜びに変える人だった。 怒鳴り声は聞いているだけでドキドキし、 何かを言われた

    • 母のいる世界

      母が亡くなってから 考えずにいられなかったこと。 人は死んだらどこへいくのだろう? 葬儀を終えて身体は無くなってしまったが、 なんというか、nothing、ゼロになるのは違う気がした。 この世のどこを探しても、どこにもいない。 でも・・・ 気配というか・・・ かすかに皮膚で感じているそれを この世の言葉で翻訳するならば、 たましい。 そう、母そのものはどこへ行ったのだろう。 身内、友人、知人、宗教、本 いろいろな答えがあったが、 これが唯一の正しい答えというもの

      • ひとすじの光

        母がいなくなって1年と少し、経つのに 亡くなった当時のことは、いまだ思い返すことができないでいる。 記憶がとても曖昧だ。 火葬場で骨になってしまった母を見ても 感情の凹凸はなく、涙は出るのに、 泣き叫ぶこともなかった。 生きてきた中で、最悪の出来事だったと言うのに。 蓋をするってそういうことなんだ、振り返って思う。 凍った気持ちは、いまだ溶けない。 ただ、話すことで、離し 言うことで、少しずつ、癒えている。 お世話になったのは、 自死遺族の会の皆さんと、 相談ダイア

        • チークをつける

          母が亡くなってから化粧をする気力も湧かず、 しばらくはそのまま。 人前に出れるようになって、 なんとか眉毛だけは描けるようになり、 一周忌と二ヶ月が過ぎた今日、 あ、チーク、つけてみようかな、という気持ちになった。 母が亡くなる前までは 表参道にあるトリートメント専用と髪を切る美容院とをわけて通い、 ネイルやマツエクにも1ヶ月に一度は通っていて 帽子と靴と、洋服が大好きで、 (おしゃれが好きな母の影響もあり) 世の中に溢れている大好きを無邪気に受け取っていたのに そこへ戻

        永遠に答えのでない問い