【体験談】タンブラー
むかーしむかしのある日。
僕は、友人二人とカフェで喋っていた。
友「TAKAってタンブラー使わないの?」
僕「使わないなぁ〜、洗うの面倒じゃない?」
この会話が全ての発端だった。
タンブラー使わない派の僕
VS
タンブラー使えよ派の友A.友B
という縮図で謎の戦が始まった。
僕の意見としては、
バッグがかさばる。毎回洗うのが面倒。家でコーヒー作らない。こぼれた時が怖い。内容量が少ない。という理由だった。
そして対抗の連合軍の意見としては、
節約できる。おしゃれ。環境にやさしい。
というものだった。
なぜか、二人とも「は?タンブラー使わないの?それはやばいよ?遅れてるぅ」とばかりのノリだった。
僕はその謎のノリに負けじと張り合った。
おしゃれと環境に優しいって理由、ビミョーじゃね?と槍をなげた。
その戦はもはや平行線も平行線。
タンブラーのメリット・デメリットのプレゼンのし合いみたいになったが、「まぁ気が向いたら買ってみるよ、10年後くらいに」と僕が雑な終わらせ方をして、その話題は終着した。
数時間カフェで話しをして、夕方になり、居酒屋に場所が変わった。しばらく酒を飲みながら話していると、友人らはバックから何かを取り出した。
蝶々結びのリボン🎀がついた箱だった。見るからにプレゼント🎁という感じ。
友「ほれ、誕プレじゃ。」
その日、僕は誕生日の二日前だった。
まさか誕プレをもらえるなんて思ってなくて、びっくりして、喜んだ。
え!?ありがとう!!!
わーいわーい、なんだろな〜!
とばかりにリボンを取り、鮮やかな色の紙袋を丁寧に開けていく。
さて、プレゼントは何なのか。
そこの名探偵はもう気づいていることだろう。
僕はそのロゴの入った箱を見た瞬間、
友人の顔に向けて超速で視線が移った。
その視線移動のスピードは、もはや光速だったと思う。
左様。中身はスタバの「タンブラー」だった。
二人の友人はニターっとしながら僕が何を言うのか、前のめりでじっっっくりと見てきた。
数時間前、自分であれほどディスってしまったタンブラーをプレゼントされ、時間は停止した。そもそも、カフェの場面、あれは今考えれば、不自然だった。
目の前に座っている二人は「TAKAはタンブラー使うの?」なんて話題を出す奴らではないのだ。
そこで気づくべきだったと後悔した。
しかし、時既に遅しであった。
すかさず、この場を打開できる言葉を脳内フル回転で考え、テンションを無理やり上げ目で言った。
「こ、これ欲しかったんだァァァ!!!!」
勢いでどうにかしようとした。
さっきの会話がまるでなかったかのように。
しかし、一瞬で「嘘つけよ!」と返されたのは言うまでもない。
重ねて「絶対に使えよ!?」と言われ、「いや、マジで使わせていただきます」と返した。
この日、僕の経験上でもトップレベルの「やっちまった感」を覚えた。
月日は流れ。
今は毎日、学校にそのタンブラーを持って行っている。
いつでも温かいコーヒーが飲める素晴らしい文明の力。環境にも経済にも優しく、とてもオシャレ。本当に本当にタンブラーは素晴らしい。
(…これくらい褒めればいいか)
あの時は、大変失礼しました。
タンブラー大好きです。
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