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離れているから、姿が見える。

家族ほど近くにいる人はいません。長い年月、一緒に暮らしています。そんなある日のことです。娘が遅く帰ってきました。

「6時ごろに帰って、夕飯を食べるから。」
と朝から部活動に行きました。午後6時になっても戻りません。気づけば10時を過ぎています。
夫に言われ、LINEを送ります。
メッセージが既読になりません。
電話しました。出ません。
ため息😮‍💨が出ました。

今までに何回も繰り返しています。
「遅くなる時は必ず連絡をしなさい。」
と心配していることや、必ず連絡をいれることを言って聞かせてきました。注意された後、しばらくは連絡を入れますが、続きません。

母親と娘の距離

 兄たちと違い、娘は親との距離を近くに感じているようです。保育園の頃は、母親の真似事をして遊んでいました。小・中学生の頃は父親と二人で野球観戦⚾️に行ってヒッティングマーチを高らかに歌い上げていました。思春期になり、映画館やショッピングモールに母親と行くことが増えました。

 最近は、毎週金曜日の夜に、お気に入りの番組を視聴しています。母親と一緒に見ると決めて、
「一週間お疲れ様!」
とパソコンを準備し、月曜日放送の
『ミステリと言う勿れ』を金曜の夜まで、じっと我慢?して楽しみを倍増させる日々を送っています。

 しかしながら、そのまさに金曜日の夜🌖のことです。母親の事など、いいえ、菅田将暉さんの大事なドラマのことなと忘れたのでしょうか?このドラマをしのぐ程の大切な用事って何?という気持ちでした。部活動のメンバーと恋バナ💌だったのかどうかは、確かめていませんが。とにかく友だちとの話が楽しくて、11時前の帰宅となりました。田舎道は暗くて🔦危険です。だんだん心配度?が増していきます。

 親との約束は、守らなくても必ず許されると考えている娘がこのままでは、本人の為にならないと、夫婦で相談しました。

親との約束
①遅くなると連絡すること。(当たり前のこと)
②8時に自宅に帰宅予定なので、7時頃に出なくてはならないと話す。
   (はっきりと相手に伝えること)
ルールを守るという、最低限のしつけもできておらず、深く反省しました。

甘やかされたベルーカ

 『チャーリーとチョコレート🍫工場🏭の映画を久しぶりに見ました。リス🐿を捕まえようとしたわがままなベルーカの曲では、
「甘やかしたのは誰?気ままにしたのは誰?」♪
♬「わがままな彼女誰がこうしたのか?」

「悲しいけれどもママとパパだよ。」♫

 結婚して、2人の男の子に恵まれました。それでも、どうしても娘が欲しいと思っていました。しかし、お腹の中に命が宿った時には、そんな事よりも、ただただその命がいとおしく大事に思ってました。

 夫も私も、下の子にはどんどん甘くなり、手を出し過ぎて、本人が考え体験・経験する機会を奪ってしまったのかも知れません。

 娘が遅く帰宅した日に、夫婦で叱りました。親に叱られても、簡単に許されると思っているようだが、もう甘えるような年齢ではないこと。自分で判断し、行動する人になりなさいと伝えました。

志を高く、もっと遠くへ


 しかし、この出来事で2つのことに気付きました。私が奪っていたことと、今後、私から奪われるかもしれないことについてです。

失敗をする自由

 親から見て、娘の言動が不十分であったり、不適切に映ったとしても、本人のためには、あえて
「失敗をする自由」
を経験させることのほうが重要なのだと反省しました。

 娘は、物心ついた時から、兄たちに守られてきました。保育園のお迎えでは、私が布団を持ち、兄たちが靴👟を履かせてやり、荷物🎒を持ってやっていました。面倒なことは兄や親に任せてしまうことも、ありました。

 また、何か意見を聞かれても、傍にいる兄に任せておけば、発言する必要がありません。だから、自分の意見を準備していても、伝える機会がほどんど無い環境で育ってきたのです。能動的な行動をとるよりも、受動的な行動をとる場面が多い環境にいました。だから、いざ自分の意見を述べる機会があると、戸惑い自信が無くなるようです。相手の反応が怖いそうです。

 今まで、娘が転ばないようにと先回りして、大きな石🪨だけでなく小石まで拾ってきました。それは、私自身が母に厳しく育てられたため、娘にはそんな思いをさせたくないと、甘やかしてきたのです。どうやら、娘が母親に近づいてきたのではなく、私が娘を近くに引き寄せていたのですね。

 しかし、それでは成長できません。自分の意志で行動するならば、自分の責任としてその結果を引き受ける。そんな経験を繰り返し、自信をもち自立心を育んでほしいと思います。

お互いの自由

 もうすぐ子どもたちは自立していきます。独立し、新たな家族ができるとそれぞれの価値観と照らして、親の言動が不適切だと感じることもあると思います。
老いては子に従えといいますが、
 子どもから見て、親の考えでは残念な結末になってしまうと感じたとしても、親自身が
「残念な目にあう自由」
を許してほしいと思います。事業が失敗したり残念な終わりを迎えても、受け入れていくことが大事な事かもしれません。

おかえりなさい。

 これから年老いていく私は、自分自身が安心したいために娘を引き寄せ、束縛してしまう毒親になってしまうところでした。

 そういえば、グリム童話に、わがままな姫👸が貧しい暮らしに四苦八苦し自分のわがままを反省し改心する話があります。子ども向けの絵本名は
「三日月王とわがままひめ」です。

わがままひめの原作は、
「つぐみひげの王様👑
です。 
お姫様👸のわがままにもぎょっとしますが、
断固として王様がお姫様を追い出したことに、
親の立場でぎょっとしました。そしてお城から追い出され、亭主になった男と一緒にいろいろな仕事をしながらも、高慢な過去の自分自身を反省していきます。

 今までの慢心を改め、目の前のことを一生懸命に頑張れば、より良い未来につながるという話です。

 自分が体験してこそ、心に強く刻まれ、その体験が自分を生かしていくのです。

 王様(父親)は、つぐみひげの王👑と相談して、お姫様👸を改心させようと、意図的に仕組んだようです。
親心ですね。かわいい子には旅をさせよといいますね。

離れる時は、もうすぐそこまで来ています😭

 親と子どもたちとの価値観は、一緒に暮らしていても、同じではありません。自分の意思で行動する姿を見せて、娘の成長を見守りたいと思います。
「自分の意志で行動したことは、自分に戻ってくる。」
のですから。



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