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こだわってみたけれど。

 家を建てた時に、こだわったことが二つあります。緊急時に、子ども👬が安全に避難できることを考えました。2階が寝室なので、寝ぼけていたり、慌てていたら階段はとても危険です。階段の踏面の幅と奥行き、段の高さなどを細かく要求しました。

 回り階段の予定でしたが、それでは三角△の踏み板を使います。私が子どもの頃、三角の踏み板から滑り落ちたことがあります。上から足👣を踏み外しても、途中の踊り場で止まることができる折り返し階段に変更してもらいました。
 四角🔲の踊り場のスペースがあることで、赤ちゃん👶だった次男を抱きかかえて上り下りして万が一足を滑らせても、ここで止まれば怪我で済むと考えました。
 この踊り場の四角い踏み板が、こだわりの一つ目です。 

 住宅販売会社のコマーシャルでは、当たり前のように女性👩がキッチンに立って、子ども🧒を見守りながら食事🍛の用意をしています。美味しそうな料理🍳が並んでいます。わが家のキッチン台の高さは夫に合わせました。シンクが低いと、腰が痛くなります。私には少しだけ高めのキッチン台なので、背筋を伸ばして包丁🔪を握っています。


もう一つのこだわり

2000年ごろからオール電化が普及してきました。家を建てた約20年前、ご近所の多くの方がオール電化住宅を選択されました。キッチンは、家族のものです。母親だけのものではありません。大人も子どもも使う場所です。悩んだ末、ガスコンロを置きました。
そのこだわりの理由は、子どもたちに
「火🔥を使い、火🔥を見せる」ためです。

ここから昔話①に入ります。


 田舎の夕方は、畑や土手の辺りから焦げたにおいが風に運ばれてきます。においのする方へ行くと、笑い声が聞こえて近所のおじいちゃんやおばあちゃんがちらほら顔をのぞかせます。ぽつりぽつりと集まってきます。
 寒そうに手をこすりながら、炎🔥に手✋をかざしています。刈り取って乾燥させておいた草木🌿を焼き、火が消えるまで誰かが残っていました。その輪の中に入れてもらうと、焼いたサツマイモや、自家製の干し柿に、干芋をもらえることがありました。じっと炎🔥が動くようすを見ながら、あつあつの焼き芋🍠をやけどしながら食べました。


 IHクッキングヒーターは火災事故の心配が無いと言われていました。しかし、冬場に電気ストーブやセラミックファンヒーターを使うので、当然火災のリスクがあります。


2011年の東日本大震災後は減少傾向。電気代の値上がりなど経済的な理由もあり、普及は伸びなかったようです。
 しかし、震災後の復旧は、ガスは5週間、電気は1週間でとても早かったのです。この違いは、ガスの配管は地中に埋没し、電信柱は地上にあるからでしょう。

2016年4月から電力自由化で普及率が拡大していきます。

炎は、無い方が安全?見えるから安心?

 近所には、共働き世帯が多く、
「子どもだけで留守番するからオール電化にしたよ。」
とおっしゃっていました。私は、3年間は働きに出ることができませんでした。ですから、子どもだけで留守番することなどは想定していませんでした。代わりに、子どもに安全に使う方法を教える時間がありました。

 天ぷら🍤を揚げている時に、
「今、この油に火が移ったらどうする?」
と聞くと、
「コンロの火を消して、すぐにふたをする。」
と答えました。小学校の家庭科で勉強したそうです💮👏

 住宅火災の出火原因(さいたま市・令和元年中)
1位 コンロ
2位 たばこ
3位 電灯・電話等の配線

 天ぷら火災でしてはならないこととして、その場を決して離れないこと、途中で電話📞や来客などがあっても、スルーします。
離れる時は、火を止めること。
天ぷら🍤の出来上がりは、あきらめること。

 そして万が一、火が上がったときは、絶対に水をかけてはいけないことを忘れないように。程よい蓋がないときは水で濡らしたタオルをきゅっと絞り、何枚も重ねて、酸素が触れないように窒息消火させるのです。


 子どもにも、安全に火🔥を使い、火🔥を扱わせる体験(調理・バーベキューの火起こしなど)をさせたいと思いました。

ここから昔話②に入ります。

 朝起きると、台所の「おくどさん」で母親が薪に火🔥を点けて大きな黒い釜でお湯を沸かしていました。今もその時の灰のにおいを覚えています。寒い冬でも、台所は温かな蒸気と煙で、いっぱいになります。薪に火をつけるには、コツがあって、炎の通り道を考えなければなりません。酸素をうまくくぐらせないと太い薪を燃やすことは難しいのです。やみくもに積み重ねても良い炎にならないと母親に教えられました。 
 「おくどさん」を使ってご飯を炊いていたのは保育園にいくまでのことで、その後は、ガスでご飯を炊いていました。母親はガスの炊飯器がうれしくてたまらなかったそうです。朝早く起きる必要がなく少しゆっくりできるので、楽になったと話してくれました。
 しかし、祝い事や弔い事があれば「おくどさん」の釜でご飯を炊いて、おこげの握り飯をたべさせてもらいました。おこげの味も懐かしいです。

この自然は、生きている匂いがします。


2021年のオール電化の普及率は14,3%
2030年には1000万戸を突破し普及率は約20%になると予想されています。

 私が住んでいる町は、「プロパンガス」の地域です。都市ガスと比べると、ガス料金が割高で、損をした気分になります。だからプロパンガスのエリアに家を新築する人はオール電化住宅にする方が光熱費を安くできるようです。

においのあるくらしから

 料理を作る時に、コンロに火🔥を点けるとガスのにおいがします。ガス漏れをすぐに察知できるよう、無色無臭のガスにあえて不快なにおいを付けています。

ガスの付臭剤
ターシャリーブチルメルカプタン 玉ねぎが腐敗したような臭い
ジメチルサルファイド      ニンニクから出るような臭い
テトラヒドロチオフェン     昔の石炭ガスのような臭い
この臭いの成分は事業者ごとに異なります。
高圧ガス保安法により、空気中に混入しても1/1000レベルで臭いが分かるように着臭することが義務付けられているそうです。


ここから昔の話③に入ります。

 鼻腔につんと来る臭いのナンバー1は、街中を走っていたバキュームカーが発する臭いでした。今では、その意味も通じない?「ぼっとん便所」や「肥溜め」「肥桶」これらの言葉もなくなっていくのでしょうか。

 中沢啓治さんの漫画『はだしのゲン』の中で、主人公のゲンが肥溜めにいじわるな大人を突き落としたり、糞尿を盗ってきたりする場面があります。原爆投下後の人々の悲惨な暮らしの中で、人糞は、畑の野菜の貴重な肥料でした。そのシーンを見ると、あのにおいを思い出すことができます。


何が安心なのかにこだわる


 年々、うっかりミスが増えてきました。そろそろオール電化を考える時期になったと思います。

 火🔥を使用するガスコンロの方が、料理🍴をすることを楽しめる気がします。けれども、判断が遅かったり、鈍くなったりしているので、IHクッキングヒーターの出番かも知れません。
 今のところ、停電💡が最も不安な要素です。
 ガスと電気を併用すれば安心です。台風などで停電になった時、ガスが通っていれば料理ができたり、お風呂🛁に入ることができますから😊


 「ごはんを炊くこと」一つをとっても、エネルギーの変遷が見えます。「おくどさん」の薪から、ガスそして電気へと変わってきました。変わるときはいつもこんな風にかんじます。
いつの間にか知らないうちに、気づけば、、。

それで良いこともあれば、何としても阻止しなければならないこともあります。

ニュースを見るたびに、胸が痛みます。
繰り返してはならない❗️と。


 人生20段の階段を、すでに14段ぐらい上りました。15段目は「踊り場」です。いったん小休憩に入ります。人生の踊り場🔲を滑り落ちないように、安心して歩きたいですね。踏みしめ踏みしめ上ります☺️





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