みろこ

noteには、書いていて気に入った「たからもの」をまとめていきます。インターネットでよく遊んでいて、主にTwitterになわばりを張っています。自分を表現する手段を獲得しながら生き延びています。

詩の写経 #とは

詩の写経にハマっている。
詩の写経とは、詩集から詩を一編ずつノートに手書きで書き写すことである。
手を動かすことは落ち着く作業のひとつである。とりわけ手書きで文字を書き連ねることが心に平穏をもたらす。
うつ病で休職中の私の日課としては、打って付けの作業なのである。

作業と創作の狭間

「作業」という言葉を用いたが、詩の写経は作業と創作の狭間であると思っている。
詩の写経を行う際は、どちらかという

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嘘で曇った眼鏡のレンズ

口元を覆ったマフラーから上昇する呼気が
嘘を並べて二枚のレンズを曇らせる
銀のフレームが視界を切り取る
白濁したぬるま湯の世界
吐息でみるみる凍る長い前髪が
嘘を隠すように揺れている
心地良い加減に浸かり
真実を知ったビニールのアヒルが
ぷかぷかと泳いでいる
「あ」と発した唇は後に続かず
雑踏に紛れるコートの裾が揺れるのを
控えめに追うだけだった
コートの隣には
踵を小気味よく鳴らした長い丈のブー

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赤と白

スクランブル交差点を斜めに渡る
赤いティントリップ達が会話をしている
赤がこちらを見下ろしている
見下ろした赤はそのままファッションビルに吸われていった
私は小さい
私は小さい呼吸をする
もこもことした白のスヌードの隙間から酸素を探す
風が乾かした唇を赤に染めようかと
コスメショップへ進む嘘に足並みが崩れた
ビルはセピア加工で広告だけが青白いピンクで笑っている
自動ドアの開閉のなめらかなリズムに

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創作するなら少し不幸なくらいが丁度いい

「どうせ生きるならコンテンツとして消費されたい」と思ってブログを始め、ネットで文章や思考を公開するようになった。
何者かになりたいのに何にもなれないし、このまま人生を終えたときに何が残るのか考えると妙に怖くなってしまったのだ。
社会生活を営むならば、日常にもっと対話する機会が存在していてほしかった。
コミュニケーションが得意な人とそうでない人がいる。私はきっとコミュニケーションが得意ではない側の人

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旅の人が辿り着く街―50万通りの価値観―

私にはこの街の良いところがわからない。
 “愛着”ではないと思う。「まぁ全く知らない場所というわけではないから」という、妥協にも似た選び方で、たまたま運良く仕事も見つかったことだし、進学でしばらく離れていたこの街へ戻ってきた。
 
 「何が見られるの?」「美味しいごはん屋さんはどこ?」
 この街は一応観光地でもあるので、学生時代の知人や仕事で出会った人たちから尋ねられることがある。
 観光パンフレ

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チョコレートミントのコンプレックス・ハーモニー

パッケージのデザインから届く光の信号は序曲だった

早る気持ちで蓋を捲り 五感がたちまち不協和に支配される
ブルーグリーンと濃ブラウンの一粒の狂いもない均衡
鼻先を刺激する清涼感
挿し入れたスプーンの金属を伝播する氷点下の値とラクトアイスの感触

毒々しささえ感じられるドットのパターンへの思い

これは難解な現代詩集を開いたときのそれだ
一つ一つの要素に分解したなら 記憶から拾い集めることは不可能

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