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⑮僕は自分の音楽の何に拘っているのか?🤔

そんな事を考えていると、これまで自分が自分の音楽に対して一体何に拘っているのか?
について語りたくなりました。

先ずはロック・バンド形態で音楽をやりたいというのが前提にあります。
そこには自分のギター・プレイバンドの出音のクォリティーなど、拘りたい要素は沢山ありますが、僕が作曲するオリジナル曲についての拘りに的を絞ると、

それはポリフォニー様式というのに尽きます。

ポリフォニーとは、多声音楽様式といわれる、複数の旋律が同時的に鳴らされる音楽形態のことです。

例えば、高音部で書かれる事の多い主旋律(曲の中心になるメロディ)に対して、他の声部が楽曲を支えますが、その主旋律に負けない美しさを持ったメロディーを同時に鳴らせたいという願望が僕にはあるのです。

普通ならば主旋律が決まると他の声部には和音にあたる音符を当てはめるか、コードを付けてしまえば、とても簡単に曲はそれなりに出来上がります。いわゆる弾き語りと同じで歌メロに対してコード伴奏するという曲の形態です。

僕はそこに出来る限りコードではなく複数のメロディー(裏メロ)を同時に書きたくなるのです。
とてもJ.S.バッハのような精巧な対位法音楽は僕には到底書けないですが、、、( ;  ; )
そういう音楽がめちゃくちゃ好きなのです。

そういう音楽を作り、アレンジするには楽譜を書くという作業は必須になりました。
主旋律に対して他の声部を見渡せないと不協和音の嵐になってしまうからね(>_<)

それでは、今までFacebookなどに何度か紹介してきたマグダレーナ初期に僕が書いたポリフォニー音楽を幾つかこのblogでも紹介したいと思い転載します。

①Leanhaun Shee (ラナン・シィ/序曲) 
アルバム収録曲

1985年、バンドのメンバーが揃った。
バンド名を〝MAGDALENA”と付けた。
当時からJ.S.BACHに夢中だったからだ。
バロック音楽の対位法的なポリフォニーをアンサンブルとして盛り込んだロックを創りたい!というのが一つのコンセプトとしてありました。

バンドで初めてデモ・レコーディングをする事になった時、そのコンセプトを印象付けしたくて急遽短いアンサンブルを付け加えたのがこの短い序曲です。
この曲がファーストアルバムの第一曲目になるとは当時想像すらしなかったな。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fc2f7609b85505aa17702aa-leanhaun-shee-xu-qu


②Anna Magdalena アンナ・マグダレーナ
アルバム収録曲

この曲から全てが始まったとも言える。

僕が大学に入りたての頃、それまで愛聴していたプログレやヘヴィ・メタルと並行してバッハに目覚め始めた。
そんな時一冊の著書に出会ったのです。
それは、バッハの2度目の奥さんで声楽家でもあったアンナ・マグダレーナがバッハの死後、バッハとの想い出を回想する〝バッハの思い出”という伝記だった。
愛に溢れたこの著書に僕はもの凄く感動した( ;  ; )
その感動がこの曲を作らせたのです。

当時はまだバンドも結成していなかったけど、この曲を演りたくてオリジナルバンド結成を決意したのです。
曲名もアンナ・マグダレーナにしました。

♬Flat楽譜から視聴できます↓
https://flat.io/score/615be52030574600138b6465-anna-magdalena-anna-magudare-na


③Lagrima  (ラグリマ/涙) イントロ部
アルバム収録曲

Leanhaun Sheeと同じ楽譜ファイルにはこの曲も収容されています。
初期マグダレーナの曲の中では自分でもお気に入りの一曲です。
珍しくキーボードのみで作曲したこのイントロ部は楽譜の見た目より弾くのはとても簡単です。

今回の楽譜入力での〝Flat”のストリングスの音色はちょっとイメージが違うのだけど、それでも厚みを持たせる為にダブルトラックにしています。
また内声の動きも聴き取り易いようリヴァーブも控えめにしています。

それと徳久恵美が書いたこの曲のイメージにピッタリの歌詞もお気に入りのポイントでもある。 

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fc4f8e69488755a9f319a6e-lagrima-lei-intoro


ラグリマ清書譜


④前兆 合唱セクション3
アルバム収録曲

この曲の原曲はマグダレーナの前身バンド〝安楽死”時代に作り、マグダレーナになってから完成させた。
デモ・レコーディングもした3部構成の組曲なのですが、この時に合唱セクションはなかった。

このデモ・テープがキッカケでアルバム制作の声がかかった時、僕はレコーディングを想定して更にバロック趣味を注入したくなったのです。

結局僕はこの曲に合唱のパートを5つのセクション注入してアレンジし直した。

今回UPするのはその第3セクション。

アルバム・レコーディングで合唱してくれているのは大阪音大の友達に集めてもらった学生さん達とスタジオに遊びに来ていた友人達です。

このメロディーに上手く歌詞を合わせた徳久恵美も大したもんだ(笑)と今更ながら思います。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fd894e6c4a83d550b0f8160-qian-zhao-he-chang-sekushon3


⑤前兆 合唱セクション2
アルバム収録曲

マグダレーナのレパートリーの中から〝前兆”もアルバムに収録される事が決まった(収録曲はプロデュース側で決められていた)。

もしアルバム・レコーディングの話しが無かったらこれらの合唱セクションは書かなかったと思う。

僕はそれまで憧れてはいたものの自分のオリジナル曲に4声とか5声を盛り込んだ事が無かったからとても苦労しました。
なのでこのチャンスを与えてもらった事に感謝しています。
曲の持つ緊張感を宗教観を纏わせた合唱で表現する事が出来て自分では満足しています。

因みに歌詞にあるエレイソン(eleison)とは聖歌やレクイエム(鎮魂歌)で使われる慣用句、〝キリエ・エレイソン(主よ、憐れみたまえ)”から取りました。

それと、イントロから現れるこの曲の🎵ラ-ミ-ド-シ-ラ-シ-ド-シという音型のシンセの音色を、JRの特急電車の警笛のような音色を出して欲しい!とメンバーに伝えたところ誰も理解してくれなかった(笑)😓

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fdca0b5f2eccb6f59082141-qian-zhao-he-chang-sekushon2


⑥前兆 合唱セクション4-5
アルバム収録曲

〝前兆”の2部後半から3部エンディングにかけての合唱セクション4と5。
そしてこの物語は高揚のピークを迎え幕を閉じるのです。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fdb4790528c55198ac81d84-qian-zhao-he-chang-sekushon4-5


⑦LEFT ALONE (レフト・アローン) イントロ
LIVEのみ

同じ楽譜ファイルから。
オリジナル、レフト・アローン。
35年振りに弾いたけどこのイントロが自分でもお気に入りだったなぁ。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fccbc2a541cac422dfd0980-left-alone-refuto-aro-n-intoro


⑧LEFT ALONE ボーナス・トラック・バージョン イントロ
再発時ボーナス収録曲

レコード・アルバムがキング・レコードから2回目のCD化再発される企画の時、今回ボーナス・トラックとしてライヴで演奏していたロック・バラードの〝レフト・アローン”を追加収録したいという。
しかも既に第一期マグダレーナとはメンバーが変わっていたのでバンド演奏ではなく打ち込み伴奏とヴォーカルのみでレコーディングしたいとの話しでした。

何となくだったが承諾した。

だけどオリジナル・バージョンを打ち込みで再現出来る筈もない!だから僕は歌メロを残してオリジナルとは全く違うアレンジで新しく作曲し直すことにしました。
コード進行は同じでバロック弦楽風にしたら全然違う曲になりました。

僕はこれはこれで気に入っています。

当時のメンバーはもしかしたら驚いたかも知れない。

僕は楽譜だけ送ってあと打ち込みなどはメンバーに任せた。
仕上がりを聴いたのはマスタリングを終えた後でした。
注文の付けようはなかった(笑)。

今こうして聴き比べてみると面白い。
あとリヴァーブは控えめにしました。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5fce6ca464dbbd272ab732d3-left-alone-bo-nasu-torakku-ba-jon-intoro


⑨Immensee (イムメンゼー/みずうみ) 第1部 イントロ
デモ録音、LIVEのみ

イムメンゼー清書譜


イムメンゼー”の第1部イントロの楽譜を〝Flat”に書き写しました。
以前、Facebookでも紹介しましたが、この曲は学生の時、偶々本屋で見付けた「Immensee/みずうみ」という小説のタイトル(ドイツの叙情詩人シュトルムの短編小説)に惹かれて読んだ事で出来た曲です。

当時ユーロピアン・プログレに影響されて、自分でも組曲を書いてみたいと思っていた。

原曲はマグダレーナの前身バンド〝安楽死”時代(1984年頃)に作っていたが、完成させたのはマグダレーナ第2期(1989年)になってからです。
2期ではよくライヴでも演奏していました。
小説の物語に沿って5部構成あり、演奏すると約20分くらいになります。
20分の曲を休みなく観客に聴かせるのだから当時から自己満足な音楽性を突っ走っていた。

第2期の時に作ったデモ・テープ〝Reconstraction”には敢えて録音しませんでした。
長いので他の曲を収録出来なくなるからです。
第3期(1993年)になってデモ録音したけど発表はしなかった^^;

因みにこのイントロのオーケストラ・アンサンブルはギターのみで作曲しています。
主旋律を軸に音を縦割りにしてギターの指板上で全ての音を押さえ、和声に照らし合わせて各声部との音を濁らせないよう旋律を考えていくという、多分僕しかやっていないだろうアンサンブルの作り方です。
今もこの方法で作るのでこれは僕のひとつの特技だと思っている。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/605ec343de00334411c13a9e-immensee-imumenze-mizumi-di-1bu-intoro


⑩Immensee (イムメンゼー/みずうみ) 第5部 みずうみの情景
デモ録音、LIVEのみ

2022.6.5
♬随分昔に書いた曲だけど😅
木管楽器セクションにクラリネットを付け加えた✒️♬
フルートとクラリネットで湖岸に打ち寄せる穏やかな波を表現しています。

♬Flat楽譜から視聴できます↓↓
https://flat.io/score/5eb6c12a923a8169e9e75c44-immensee-imumenze-mizumi-di-5bu-mizuminoqing-jing


⑪♬第2部フーガ
↓↓ 👆🏻
https://flat.io/score/5d4652e2cc6e3848bdaac758-immensee-fugue-imumenze-mizumi-di-2bu-fu-gadao-ru-bu-fu-ga

⑫♬第4部エリザベート〜第5部みずうみの情景↓↓👆🏻
https://flat.io/score/5fb870f262fb1f57ac36548f-immensee-imumenze-mizumi-di-4bu-erizabe-to-di-5bu-mizuminoqing-jing


書き出したら止まらなくなって長くなってしまいました😰
最後まで読み進めて下さってありがとうございます🙏😊
今回はマグダレーナの初期に書いたものをご紹介させて頂きました♬
次回は、
⑯ポリフォニーを考えるのが楽し過ぎて!
で、もう少しポリフォニー的に作曲した楽曲をご紹介したいと思っています。
ご来場くだされば嬉しい☺️です♬




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