【保育士の技】寝かしつけのコツ「こんなに早く寝れちゃいます!」
こんにちは。
保育園で園長をしているSanaminaです。
育児中のパパやママたち
お子さまのお昼寝の寝かしつけに困っていませんか??
保育士のみなさん
午睡の寝かしつけが上手くいかずに、寝かせられなかったり、ただただ時間だけが過ぎていく…ということはありませんか??
今回はそんなお悩みに
少しでも参考になるような「寝かしつけのコツ」をお話しします!
*理想の睡眠時間を年齢別に考える
その前に
まず睡眠ってどのくらい必要なの??
と思いますよね。
年齢によって変わってきますが
大前提、睡眠はとても大切です。
でも、なかなか理想通りの時間になんて寝てくれないですよね。
今は、家庭の生活リズムが昔とは変わり、それに伴い子どもの生活リズムも夜型になりつつあります。
保育園に通う子ども達も22時以降に就寝している子は多いです。
かといって、起床時間に大きな変化はないため、結果的に子どもの睡眠時間は減っていることになります。
睡眠不足は、健康や身体の成長、脳の成長など様々な影響を及ぼすと言われています。
実際、子どもにとって理想的な睡眠時間とはどれくらいなのでしょう。
生後すぐ~3カ月の睡眠時間は1日14~17時間
眠るのが仕事と言われる時期ですね。
睡眠が生きている証になります。
昼夜に関係なく3時間おきぐらいに目覚めたり眠ったりを繰り返します。
4~11カ月の睡眠時間は1日12~15時間
少しずつ睡眠時間が減っていきます。
寝返り、ハイハイ、つかまり立ちなどできることが増え、徐々にまとまった時間を眠れるようになっていきます。
1~2歳の睡眠時間は1日11~14時間
外での活動が増え、日中起きている時間が長くなります。
まだまだお昼寝は必要ですが、生活リズムが整い始めます。
3~5歳の睡眠時間は1日11~13時間
幼稚園や保育園に通ったりなど、日中の活動が中心になります。
保育園ではお昼寝の時間もありますが、年長になるとお昼寝をしなくなる子も出てきます。
*睡眠不足による影響を考える
成長ホルモンの分泌に影響が出る
規則的な体内リズムに合わせて成長ホルモンは分泌されます。
子どもの身体的な成長には欠かせない成長ホルモン。
睡眠不足になるとこのリズムが崩れ、心身の発育に影響するといわれています。
集中力や意欲が低下する
大人でも睡眠不足になると頭がボーっとして思考力が低下しますよね。
子どもも同じです。
集中力が低下して、日中の運動や学習に影響を及ぼします。
怪我や事故のリスクも高まってしまいます。
日中の眠気が強くなってしまうため活動への意欲も低下し、ストレスも感じやすくなります。
「早起き」の習慣づけからやってみよう
まずは、朝決まった時間に起こすことから始めてみてください。
初めはなかなか起きられないかもしれませんが、1~2週間続けると子どもの体内リズムが整ってきます。
朝早く起きられるようになると、自然と夜も眠くなり早寝の習慣につながります。
子どもを早く寝かせるには、家族みんなで生活習慣を整えていくことも大切です。
子どもにとって理想的な睡眠時間がわかったところで、お昼寝の必要性も理解していただけたのではないでしょうか。
家庭によっては、お昼寝をすると夜寝られないからしないでほしいという要望を言われる方もいらっしゃいます。
その場合は、ご家庭と相談をしてその子にとって1番良い方法を考えていきます。
どちらにしても、保育園は集団生活です。疲れないわけがありません。
眠らないにしても、ゴロンと横になって体を休める時間は必要です。
また、年長さんは就学に向けて生活リズムを整えるためにこの時期はお昼寝がなくなる保育園も多いのではないでしょうか。
*寝かしつけのコツ
それでは、長々と前座が続きましたが
保育士の技でもある、寝かしつけのコツをお伝えしたいと思います!
0歳児の赤ちゃんは
人の温もりや気持ちの良い揺れがあると心地よく眠りに着きます。
横抱きでゆりかごのように揺れたり、バウンサーやベビーラックで適度に揺らしたりですぐ眠る子もいれば、頑張って起きようとして眠くなるたびに泣く子もいます。
眠くて泣いているのであれば、そのまま心地よい揺れを続けていくと自然と眠ります。
もちろんウンチが出ていたり、他の異常があったりなど、泣いている原因が色々考えられますので、よく観察することは大事です。
抱っこで寝た場合、布団やベビーベッドに移した瞬間に起きてしまうことってありませんか?
そんな時のコツ!
赤ちゃんは人のぬくもりに安心しているということ。
なのですぐに赤ちゃんを自分の体から離してはダメです。
そーっとゆーーーーっくり赤ちゃんが離れないようにして自分の体勢を変えていきます。
赤ちゃんを布団に合わせるのではなく、赤ちゃんはそのままで自分の体勢を布団に合わせていきます。
客観的に自分の姿をイメージしないでください…。
おそらくめちゃくちゃ変な体勢なのは間違いありません。笑
無事に赤ちゃんが布団に寝転んだ…とホッとしてすぐに離れてはダメ!
今の赤ちゃんの状態は、布団に赤ちゃんの全体重は乗っているけど、体はパパやママと密着している状態。
そこで起きたり泣いたりしなかったらそーっとゆーーーっくり体を離していきます。
ちょっと起きそうになったり泣きそうになると優しくトントンをしたり、また体を密着したりしてみてください。
次に
心地よい揺れに気持ちよさを感じているということ。
横抱きで寝て、布団やラックに移しても揺れをしばらく継続しているとそのまま眠りにつきやすいです。
赤ちゃんは敏感なので横抱きで寝たと思って布団やラックに移すと起きることも多いですよね。
起きた時にまたすぐに抱っこをするのではなくて、敷布団を持ってゆっくりと揺らしたり、ラックを揺らしてあげます。寝たかなーと思ったら、徐々に揺れを小さくしていきストップします。
何にしても赤ちゃんに気づかれないくらい徐々に徐々にそーっと自分から離したり、揺れを止めていきます。
1歳児になると
布団に横になってトントンでも眠れるようになります。
トントンするときも人の温もりでさらに安心する子は多いので、人の温もりが感じられるように一緒に寝転んだりすると眠りにつきやすいです。
だんだんお昼寝の習慣がついてきて、眠くなると自分で布団にいってゴローンとし始める子もいたりします。
かといってすぐ寝るわけではないですが…。
でも、この頃には睡眠のリズムも整い始め、午睡中も1回も起きずにしっかりと眠れる子がほとんどです。
2歳児になると
完全にトントンだけで眠れるようになります。
でも、これも子どもによって寝かしつけのコツは違います!
胸を優しくトントンしてほしい子
背中をトントンしてほしい子
耳たぶを触ってほしい子
おでこをなでなでしてほしい子
足を撫でてほしい子
子ども達それぞれの寝かしつけ方法を探すのは楽しいです。
イヤイヤ期で寝るのを嫌がる子もいますよね。
泣いて嫌がる子もいれば、1人で楽しそうに布団から逃げて「まだ寝ない!」と言いながら遊び始めたり。
泣いて嫌がる子には抱っこをしたり本人の気持ちをしっかりと受け止めて落ち着かせることが1番です。
だって保育園だったらその大きな泣き声でみんなが起きてしまうから…。
1人でふらふらと遊び始める子には
今「寝よう」と声をかけると、機嫌が最強に悪くなるかもしれないと思い
機嫌を損ねないように、楽しみながら「寝る?」「寝ない〜」のやり取りをしてみたり、しばらく何も相手にせず遊んでいる様子だけを伺っていると、自分から布団に横になりにきたり…などをしています。
「横になったー!」と思ってすかさずトントンすると「寝かされている感」を感じて、不機嫌スイッチが入るので要注意です!
3歳児以降は
トントンがなくても自分で寝られるようになっていきます。
この年齢から
入眠に時間がかかる子
すぐに入眠する子
トントンがないと眠れない子
トントンしても眠れない子
基本的に寝ない子
などがはっきりしてきます。
そして、それぞれの寝やすい姿勢がわかってきます。
布団を首から足の先までしっかりかぶって眠りたい子
横向きになって両手を片耳に当てて漫画の姿勢のように眠る子
自然とうつ伏せの体勢になる子(眠る前に声をかけると自分で仰向けになります)
本人のベストな体勢に自分で整え始めた時は「あ、もう寝るなー」と私達にもわかる時ですね。
年中長さんになってくると
どれだけ寝かしつけをしても寝ない子もいるので
その場合はその子にとっては横になって体を休める時間としています。
本当に疲れている時はいつもは寝ない子でも寝るものです。
なので、午睡をしない子が入眠したりすると体調が悪いことも多いですね。
睡眠は健康のバロメーターとはよく言ったものです。
*SIDS(乳幼児突然死症候群)
保育園では
SIDS(乳幼児突然死症候群)対策は必須です!!
午睡中
0歳児は5分に1回
1〜2歳児は10分に1回
必ず呼吸確認をしています。
SIDSの原因はまだわかっていませんが、男児、早産児、低出生体重児、冬季、早朝から午前中に多いことや、うつぶせ寝や両親の喫煙、人工栄養児で多いと言われています。
私たちが出来る限りの対策はしています。
その子の寝る体勢の癖でうつ伏せになっていたら、その都度仰向けに体勢を変えたり、
寝ていても目が離せません。
子どもの命を預かっていますからね。
生命に関わることで「まぁいっか」なんてことはありません。
なので、午睡時間は乳児の先生は赤ちゃんのそばを離れることが出来ません。
交代でそばについて見守り、SIDSチェックをしています。
*午睡時間の保育士の仕事
保育園での午睡時間、
先生達はいったい何をしているのでしょうか。
寝かしつけが終わり、起床までは
だいたい1時間から1時間半程度の時間。
・SIDSチェック
・連絡帳を書きます
・クラス間で情報共有のためのMTをします
・制作などの準備をします
・指導案や企画書などの記録系を進めます
・園内研修や園全体でのMTをするときもあります
・掃除をします
・園長と面談をすることもあります
えーーー!
忙しすぎる!!
じゃあ、いつ休憩してるの?ってなりますよね?
ちゃんと休憩も取っていますが時間がいくらあっても足りないのが本音です。
制作ならこだわりたい先生はどこまでもこだわれるし、文章も苦手な先生は時間が2倍くらいかかることもあるし、MTなら話し合いたいことなんて山ほどあるし、、、
これも、チームプレイなんです。みんなで協力して補い合って助け合いながら上手く時間を使っていくことが大切ですね。
なので、順調に子ども達が午睡時間に入眠してくれると、子どもと触れ合う保育以外の仕事の時間が確保できることも事実ではあるんです。
それも、質の良い保育をしていくうえで欠かせない業務です。
*寝かしつけが苦手な保育士さんへ
これは、慣れるしかありません。
あたりまえですが、絶対に自分が一緒に寝てはいけません!
眠くなるのもわかりますが、あなたが眠くなると「あ、せんせいねてるーー!じゃあ私も寝なくていっか!」って、逆に子どもは目が覚めてしまいます!!
トントンしていると
子どもは話しかけてきますよね?
無視なんかできないし、答えますよね?
その話全てに答えていたら永遠に終わらないし、子どもはどんどん興奮してテンションがあがってしまいます。
なので答え方が大事です。
初めは子どもに合わせて答えていきますが
だんだん
声を小さくしていって
だんだん頷くだけにしていって…
こちらに子どもが合わせていく感じに自然に持っていきます。
そしたら、自然と落ち着くことが多いです。
そこから本当の寝かしつけがスタートですね。
ただただ無心に無表情に機械的にトントンしたりなでなでするだけではそんな簡単に寝てくれません!
落ち着くように
安心できるように
包み込むように
そんな気持ちでトントンしてください。
これこそ
気持ちが大事です。
ごろーんと横になって
お部屋も薄暗くて
静かな空間になるので
色々敏感になりますよね。
だから気持ちも伝わるんですよ。
それプラス
それぞれの寝かしつけポイントを見つけたら
もう大丈夫です!
*お家での夜の寝かしつけアイデア
家族みんなで一緒に布団に入り、みんなが寝る時間にしてみよう。
「僕が寝ている間に
パパママは楽しいことしてる。」
「まだ起きてる。」
とかが、わかり始めると
なかなか眠れなくなる子もいます。
みんなで一緒に今から寝ようね。と、家族みんなが寝る時間にしてみると、眠りにつきやすくなることがあります。
初めは嬉しくてテンションが上がるかもしれませんが、次第に安心する時間になっていきます。
優しいオルゴールの音楽をかける
眠りの音楽を決めて習慣化するのも一つです。
この音楽、この音が流れると寝る時間だというふうに体や脳が感じやすくなります。
優しいゆったりとしたオルゴールの音源を流してみると効果があることも。
使う音楽は日によってバラバラではなくいつも同じものがいいですね。
いかがでしたか?
保育士の技でもある寝かしつけのコツ。
現役保育士さんも育児中のパパママさんにも参考になっていれば嬉しいです。
今回のお話はこれでおしまいです。
また、次のお話でお会いしましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?