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鑑賞ログ「バービー」

230823

マーゴット・ロビーが主演でバービーなんて!と制作が発表された当初から観たいと思っていた。相手のケン役はライアン・ゴズリングか…ちょっと意外だったけれど、好きな俳優だし、期待できそう。

完全無欠な世界のバービーランド。何人かいる恋人のケン(いくつかパターンがある)との関係も良好だし、医者や小説家のバービーとも仲良し。
毎晩パジャマパーティを繰り広げ、楽しい毎日…のはずが、いつも上がっているかかとが地面についたことからほころびが発覚。ほころびを修復するために、現実世界に赴くバービー。そこはバービーが思っていた世界とちょっと違っていて…という話。

ゆめ色の世界観で、ハッピーでアゲアゲな感じを勝手に期待して観に行ったけど、全然違ったわ!
前半のケンの頭が空っぽすぎて、ライアン・ゴズリングよ、なんでこんな作品に!?と思ったけれど、途中から雲行きが怪しくなって、納得。

バービー中心のバービーランドでは、その世界を成立させるための装置でしかないケンが、男性優位の現実世界を体験してどうなるか。
多様性や女性の自立を描いてきたバービーが現実世界に行くことでどうなるか。
秩序が崩壊して、ま結局、女性たちよ目覚めよ系なわけだ。衣装とか美術が好きな分、主張が強すぎてお腹いっぱいになっちゃったな。
目覚めたくない、伝統的な社会的役割の枠の中で生きたいという人もいるわけで。多様性を押し付けられて、思っていた道とは違うところに放り投げられることってないのかな?そういう枠組みの中で生きたいと思う人のことも認められるようになったら、いいのにね。たくさんの選択肢の中で、その道を選べばいい、っていうかもしれないけど、大体選択肢を与える人たちって、伝統的な枠組みの中で生きる人を否定してくるよね。だって、進歩的な方が評価される世の中じゃん。複雑な気持ちになるわ。

アメリカ・フェレーラがいい感じに熟成されていてよき。ケイト・マッキノンは「イエスタディ」とか「スキャンダル」に出てたね。好き好き。ちなみに、ケイトが出演してるシーンでてんやわんやになった時に、「さらされる!」っていう字幕があったと思うんだが、「さらわれる!」の間違いじゃない!?

ちなみにバービーって17歳の設定なんだけど、それを30歳オーバーのマーゴット・ロビーがやるってどうなんだろう。んで、ボーイフレンドが40歳越えのライアン・ゴズリング。それでバービーの世界観をまとったいわば啓蒙メッセージを送るって…なんか大人たちからのメッセージを感じちゃうな。もっと若い俳優でやったらどうなったんだろうか。いや、2人とも俳優としては好きなんだけどさ。

おっさんだけでバービーを作ってたのは、NHKの「LIFE!」のコントのネタにもあったけど、アイドルのコンセプトとかをおっさんが作ってるのと同じで、現実にはあるあるなんだろうな。最終的にバービーの版権会社であるマテル社のPRかな?と思ったことも事実。

個人的にはやっぱりちょっと食傷気味。これがアメリカで大ヒットということは、企画がはまったということで、まんまと大人たちの思惑通りになったいるんだろうけど…。なんか考えちゃうよね。

あと、最後はちょっとモヤモヤ。え、結局映画の中のバービーは何歳なの??

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