見出し画像

原初の神様は菌類なのではないか

ミクロの菌類がマクロな神様ではないのかという今回の話。フラクタルな世界をお楽しみください。
下記は古事記の冒頭部分の現代文です。この文章の中に神様は菌類なのではないかとの理由があります。

天地のはじまりの時、高天原という場所に、神々が出現した。はじめに出現したのは天之御中主神、次に高御産巣日神、その次に神産巣日神だった。その後、地上世界がまだ未成熟で、水面に浮いた脂と同じく、クラゲのように漂う状態であった時に、葦の若芽のように萌えあがるものによって出現した神は、宇摩志阿斯訶備比古遅神うましあしかびひこじのかみ、ついで天之常立神かみであった。 ここまでの五柱ごはしらの神は、「他と区別された、特別な天あまつ神」である。

宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)この神様を今回取り上げていきます。この神様が理由で、原初の神様は菌類ではないかと考察していきます。


ここから理解の為に植物について解説します

パイオニア植物について


火山が噴火し、植物が全部枯れた後、最初に生えてくるのがアカマツです。これをパイオニア植物※1、先駆樹種※2と呼んでいます。私は植物の専門家では無いので、分類に間違いがありましたらご指摘ください。
火山以外にも、開発された場所や、全ての植物が枯れた後、最初に生えてくる木がアカマツです。理由は菌類と共生してるからです。菌類に栄養を与える代わりに、菌の力で地面を豊かにしています。

※1パイオニア植物とは、荒れ地や火山灰などの生育に適さない環境に最初に侵入する植物のことを指します。先駆植物とも呼ばれ、多くはススキやイタドリなどの草本植物であり、場所によっては地衣類やコケ植物などが侵入することもあるとされています。また、遷移の初期に現れる種類の樹種を先駆樹種と呼びます。パイオニア植物は、その後の植生の発展に大きな影響を与えることがあります。

※2先駆樹種は遷移過程の初期の明るい環境に定着する樹種を一般的に指します。大規模な山火事や土砂崩れ跡などに定着するアカマツ、ネムノキ、シラカバ、ヌルデやアカメガシワなどが代表的な先駆樹種になります

では冒頭に登場した神様の名前について見ていきましょう。諸説あります。今回は私の妄想で進めていきます。

國學院大學の解説

宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)
下記は國學院大學が公式に説明している名前の由来です。
神名は、この神の出現を語る「葦牙(あしかび)の如く萌え騰れる物に因りて成りし神の名は」という表現と対応している。『日本書紀』では、七通りの伝のうち三つの伝に「可美葦牙彦舅尊」と見えており、読みは訓注で「可美」を「于麻時(ウマシ)」、「彦舅」を「比古尼(ヒコヂ)」と読ませている。
 名義は、ウマシは良いものをほめた美称とされ、アシカビは葦の芽、ヒコは男性、ヂは祖父(おほぢ)、伯父(をぢ)に同じで、ヒコヂは男性の尊称や親称とされる。その神格は、アシカビの語が神名の核になっていることから、葦の芽の神格化とする説や、葦の芽から人類の始祖が出現したという神話の反映とする説がある。


ではもう一説考えてみましょう


▪ウマシ
宇摩志(うまし)
これはほめ言葉で「素晴らしい」の意味合い。
▪アシカビ
阿斯訶備(あしかび)
=葦芽(あしかび):葦の芽。葦が芽吹く様子を表すとも。
葦(あし)は現代では葦(よし)と呼びます。
▪カビ(もう一説)
訶備(かび)
真菌のことを『カビ』と呼ぶのは、これが語源ではないかという説もあり
▪ヒコ
比古(ひこ)
男性の尊称や親称
▪ジ
遅(じ・ぢ)
「比古遅(ひこじ)」の3文字で男性を表すという説や、「遅(ぢ=地)」で地や泥を表すという説があり

また、この神は「独神成坐而隠身也(ひとりがみとなりまして、みをかくしき)」とも記されている。「独神」は、神世七代で出現する男女の対偶神に対する単独の神と解されています。「隠身」の意味は明確でなく、「隠(かく)り身」という読み方も考えられている。「隠身」の解釈には、身体を持たない抽象神のこととする説がある。

つまり、身体が無く形の無い単独の神様。葦ならば形を成していますが、カビならどうでしょうか。カビ(菌類)ならば、人の目からはほぼ見ることが出来ず、形がありません。菌類は主に単独で胞子をばらまいて仲間を増やします。ですから単独の神様にも合致します。動物界や植物界とも区別される菌界。その菌類が原初の神様だとしたら興味深いと思いませんか?

生きている植物の近くに生えるキノコは菌根菌と呼ばれています。植物とキノコでお互いに栄養のやり取りをしています。また動物や植物の死骸を分解して栄養を取ることもあります。こういった特徴からも、菌類とパイオニア植物が土地を豊かにし、その後に他の植物が生き抜くことの出来る土地をくつり出している描写を神に例えたのではないでしょうか。

以上、古事記に出てくる神様の名前からの考察でした。
ちなみに菌類である椎茸はビタミンDが豊富です。ビタミンDは日光に当たることで皮膚で合成されます。睡眠や幸せな気持ちを維持する事に関わるビタミンですので、日照時間のすくなくなるこれからの季節は積極的に摂りたい栄養です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?