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飲食店未来学51:飲食店経営は本当に儲からない商売か?

世の中の半数以上の人は飲食店は儲からないと思っていると思います。コロナ過を経ても未だ80%の回復レベルですから、既存店対象で考えれば、確かに「儲からない商売」だと思います。利益を生む仕組みが新規店とは違うことも影響しています。

YELL 元気で有用なnoteクリエイターさんに出会いました。ご紹介します。

私の主張はこうです。

「令和の時代に通用する(利益を生み出せる)しくみを持つ飲食店は、しっかり利益を生んでいます。生むことができます。」ということです。では、どうしたら利益体質になれるのでしょうか?これを説明しましょう。

以前の作業のしくみのまま不足ポストを埋めようとするのは間違い

人手に頼り過ぎるしくみは人件費が高くなり赤字経営になるしくみ
人手がいないから募集する~従業員を投入する~人件費が膨らむ~コストアップ、となり利益を増やすことはできないサイクルが出来上がります。仕事のしくみを抜本的に見直してこそ利益が増えるしくみに変ります。

従業員ゼロ設定から考え直して、必要な人材は何人か、必要な機器はどこにどんな機器を導入すればいいか考えて組合わせましょう。(ますます人件費は上がりますし、募集しても応募が半数もない時代になってきています)

広い店舗で経営するのは間違い

今までの日本の飲食店の考え方は、一番稼げる週末(金土や土日)に目いっぱいお客さまを取り込んで売上を一気に上げることを前提に組み立てられたしくみです。昭和の30年代~50年代に出来上がった仕組みです。

今令和の時代でありながら、この大きめの店舗は、平日に利益を出せない負担増のしくみです。私は、以前の常識的な店舗規模の80%の規模で、同じ売上をつくるように変えましょうと推奨しています。しくみを変えることで、家賃、人件費、メニュー数、水道光熱費を減らすことができます。

この4つを軽減するだけで、営業利益は倍増します。

メニュー数が多すぎる飲食店はしくみが間違い

まさに千客万来の良き時代は、どのお客さまも利用できる飲食店として、お店の限界までの力を総動員してメニュー数を増やして集客してきました。しかし外食人口の減少時代を迎えた今は、このしくみは問題だらけです。

調理担当者が育たないから多店舗化できない
メニュー数の多いお店は、経営者が調理、経営者の身内が調理している例が多いのです。従業員が担当しても同じ味の料理ができるとは限りませんし、辞職すれば即閉店するリスクがあります。

店舗規模や客層の種類に応じた適切なメニュー数を見直す時期です。

食材の鮮度管理、ロス管理ができない
私も小さな居酒屋を数年間経営して調理もしていました。食材数も結構多くなります。豚角煮や餃子など仕込みをする料理も多く、味噌やたれ、ドレッシングなど調味料の仕込みも13種類もありました。どの食材も抜け目なく均等に鮮度管理することがどれほど難しいかよくわかります。

毎月仕入れ食材のどれかが上がる
飲食店経営を続ける限り、食材も、人件費も、光熱費も、改装費用も、厨房の機器や空調の機器もすべて値上りすると理解してください。出るお金に負けない収益性の良さが必要ですね。

お店のしくみを変えてランニングコスト(運営費用)を軽減する。希望する売価で商品を販売して、経営継続に必要な利益を得る。増やす。この2つの働きで利益は増えます。

新規飲食店のメリットが大きい

固定客を持たない新規飲食店であればこそ固定客の存在に悩まされずに、ストレートに開業時の商品設定と価格設定が決定できます。見る限りでは、既存店より30%~40%は高い売価でデビューしています。言い換えれば、既存店は月間の食材原価率36%~39%あたりで青息吐息ですが、新規店はデビュー時から原価率30%目安の商品開発を行い、少ない従業員数で効率の良いしくみで開業しています。

 店内売上だけに頼らず飲食店の恩恵を3つの方法で提供して楽しんでもらう時代

1,一番ぜいたくな利用は店内飲食(外食)

トンカツ専門店では揚げたての分厚いロースかつを食べられます。立ちの寿し店では、好みのネタをチョイスしてプロのスタッフに握ってもらえます。このぜいたくな時間は、飲食店に行って利用する楽しみです。

今は当たり前と思うでしょうが、もう10年もすれば、外食で店内飲食できることは破格のぜいたくになることでしょう。それももどき食材でなく、本物の食材を使った料理になればなおさらのことです。外食する=1人5,000円が当たり前になる時代はさほど遠くはないと思います。

2,次にぜいたくなテイクアウト料理の利用

テイクアウト料理で高額な商品は通常予約します。手のかかる料理は1~2時間前から作り始めます。手のかからない料理は10分~15分前から調理して保温容器に盛りつけます。店内での出来立てを口にすることはできませんが、それに準じる美味しさを満喫できます。

容器代を別途請求するところはほぼなくなりました
店内では10%の消費税ですが、テイクアウトは8%です。2%分を容器代に置きかえて、店内店外売りの価格を「同一」にする助言をしています。

大切に持ち帰れば盛付けも壊れません
年々容器代は多々くなっていますが、盛付けが壊れにくい容器、見栄えが良い容器が開発されています。テイクアウト料理は、お店と同じ冷たい料理、温かい料理が食べられることがメリットですね。

3,居ながらにして楽しめるデリバリー利用

ひと頃のようなデリバリーの普及感はあまりありませんが、長期に渡りホームデリバリーは浸透して普及すると思います。普及のさせ方は2種類。自店の周りにチラシを配布しデリバリータイムを設けて自店スタッフで行う方法と、専門業者と契約してネット注文で販売する方法です。問題点は、

店内価格よりも破格に高い(業者以来の場合)
普及し始めた頃は大きく期待されましたが、売価を変えずにデリメニューで売れば、ほぼ利益ゼロ。(食材原価と店舗のコスト20%を加えると60%近くになるため)かといって、40%のデリマージンを上乗せすると、店内価格の150%売価になります。これって一部の人しか支持されませんね。

盛付けがグチャグチャになる、こぼれている(業者以来の場合)
自転車で配達しているウーバーイーツの人の背中のバッグはやはり不安定です。バイクでボックスのあるほうが安定しています。当初は料理になっていないことでクレームが多かったようです。

料理が冷めている(業者以来の場合)
一応配達エリアは片道20分圏内くらいで組んでいるようです。

儲かる飲食店経営はしくみが違う

人、食材、メニューを必要最小限度にする

開業店は開業費用を抑えた予算にすることで
確実に既存店より多くの利益を得ることができます

参考になるキンドル本です。オードリー7著(宇津宮正博)

(了)


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