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飲食店未来学<24年予測3/8>:1年先を見据えた食材原価率対策の実行が必要な時代です

 今日を<いつものように無事であれ>とがんばるまじめな
経営者の方が多いことに気づきます

 そういう方に限って、5年先、10年先の事業のビジョン
(未来像)をお持ちですかと聞いても、
これといって考えていない方が多いのです

 立場がトップの経営者の方だし、部下はそんなことは聞きもしません。
また金融機関さんも、税理士さんも、嫌われることを忖度して、
機会がないと、なかなかそんなことは切り出せません。

 そういうときに、私のような悪魔的?コンサルタントは、
  『未来ビジョンを考えていない会社は大体赤字ですよ
  『やがて衰退して消滅しますがいいですか
という、お得意の脅迫トークでがんばりスイッチを入れています。

🍓飲食店の赤字原因1位:
月間の仕入高の比率(食材原価率)が高いから

あくまで私の私見です。

月間の食材原価率40%以上のお店
 いくら売上アップをがんばっても黒字化はしません。
推定ですが、客単価が低く食材原価率が45%を超えるスシローさんでも、
平均月商が2,500万円を超えないと良い売上にはならないと思います。

 経営できているお店は、人件費がかからない、家賃が不要、食材の半数が自家生産などのコストダウン要因がないと成り立ちません。
 *一般的には個店の飲食店の墓場を生む食材原価率です。

月間の食材原価率36%~39%のお店
 
お店によっては、経営者の手取りよりも常勤の従業員さんの方が多くもらっているという笑えない状況に陥る食材原価率のお店です。
 かっては儲かっていたが、食材の値上がりがあっても、価格転嫁しずらい状況を引きずって経営悪化をきたしているお店の原価率です。

 業態変更や大幅なメニュー変更、売価変更などの大手術を行ない、35%以下に一旦リセットできるようにしなければ経営の喜びは生まれません。
 *利益体質に転換するか限界で廃業するか決めるべき食材原価率です。

月間の食材原価率33%~35%のお店
 
食材コストや人件費コストがじわじわ上昇しても、1年~1年半は凌げるしのげる食材原価率です。

 開業時はどうしても通常よりも2%~5%ほど月間の食材原価率が高い状態ですから、無駄のない仕入数量、ロスの出ない予測仕込み、廃棄の出ない調理などにより、毎月1%ずつ原価率を下げる工夫をして引下げます。

 食材が値上がりしても同じ食材原価率ゾーンにあるためには、
料理のメインの質とボリュームを変えることなく、他の2次的、3次的な
付け合せやサービス品を削ることと合わせて9%以下の価格転嫁を行う
ことです。

 *多くの飲食店はこの範囲の食材原価率帯を月間、年間で守る対策を打つことが健全経営につながります。

月額500円の飲食コンサルサブスク契約と考えてください。
ランチタイムのコーヒー1杯の価格です。

●月間の食材原価率32%以下のお店
 
もともと食材原価率が低い業種が多いのですが、中華料理や麺類のお店はガス代が一般店の2倍程度もかかり、食材原価率、人件費比率、家賃、光熱費の4大コストで見ると、さほど大きな差はなくなります。

 安定しているのは、イタリアンやフレンチなどの専門料理店です。
しかしこちらは、生存商圏内に同じようなお店の競合が起こり、店舗間競争が激しいのが現状です。

 *自店の食材の半分は自店で行う、宿泊施設のないオーベルジュタイプのお店が今度とも繁盛すると予測しています。
(自然、健康、美容、食材の自家栽培、自家調理、安心安全、供給不安解消、食材コストの低減と安定など)

🍓飲食店の赤字原因2位:
 人件費比率が高すぎる

 食材と人件費を合わせたFLコスト率を上昇させないためにも、
食材コストが上がる分だけ、AI機器などの省力化機器を導入して、人件費の比率を下げる工夫をしなければなりません。

 35%以上 ➡30%に ➡27%に ➡25%にする
そして、
 23%に ➡20%にする。
FLコスト率を50%~55%の中でコントロールするのが黒字経営の
基本のしくみです。

 固定経費で一番高い人件費を改革しなければ、利益は生まれません。
そのためには、業種変更や業態変更も積極的に行うべきです。 


🍓飲食店の赤字原因3位:
 家賃比率が高すぎる

 2024年からは売上の上がらない時代に入ります。
それでも売上を上げる方法はいくらでもあります。それと並行して
かってはバランスの取れた家賃でも、売上が下がり家賃比率が上がれば、
それは見直す良い機会なのです。

家賃比率12%以上のお店
 一般的に言って、FLコスト率が極端に低い業態でないと利益は出ません。サイゼリアさんは12%でも大丈夫のようです。

家賃比率8%~10%のお店
 
多くの飲食店は10%以内であることが最低の管理目標です。
これを超えると、利益を食いつぶしていると考えてください。

 家賃が一定でも月々の売上高が平均月商を割り込むと、家賃比率は上がります。

家賃比率0%~7%のお店
 
多くの利益が出る条件を持っていますが、人件費や食材原価率に無駄が
あり、ちゃんとしたコストバランスになっていないお店が多い。
 *コストごとのバランスに甘さがあるケースが多い。


🍓飲食店の赤字原因4位:
 水光費比率が高すぎる

電気代が高いお店
 店舗構造に寄る場合が多い。

ガス代が高いお店
 お店の業種や業態によることが多い。

水道代が高いお店
 お店の業種や業態によることが多い。

以上のようなことを一つ一つチェックしてみると、売上アップのために
貴重な利益をつぎ込まなくても、
店舗のしくみが「利益体質」に生まれ変わります。

是非参考にしてください。

オードリー7の著書のご紹介

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(了)

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