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火事は世相を反映している~火事のあれこれを分析してみた

今期の冬ももうすぐ終わりますが、以前と比べて高齢者の自宅火災が多いように思います。しかも被害者は高齢のご夫婦そろっているのが多いのです。火災の発生する要因を自己分析してみました。

失火(過失で起こった火事)


消防庁によると火災の原因の多くは、たばこ、たき火、コンロ、放火、ストーブなど。放火以外はミスによる火事の発生です。火事は泥棒よりも質が悪いと昔から言われています。何もかも一切なくすからですね。

放火

恨みや証拠隠滅のために放火することがあります。現住建造物等放火罪では死刑または無期もしくは5年以上の懲役でありほぼ殺人罪と同等です。

自宅放火心中

75歳以上の後期高齢者ご夫婦でか細い年金暮らし。諸物価の値上がりで生活もままならず、貯金も枯渇し、住居も老朽化してきた感じ。この世に生きている喜びなどないようになると本当に、何のために生きているのかわからなくなってしまう人が最後に選ぶ手段と受け止めています。

片方の相方の介護疲れの限界などもあるかもしれませんね。

昔だったらまだ生きてゆける地域の人の輪がありました。生活上の息苦しさも今の半分もなかったように思います。会ってはならないことですが、実にこの条件の火事が本当に増えたと思います。消防も警察も推測はできても確たる証拠にはたどり着けません。

保険金目的の偽装失火

店舗(特に飲食店など火を使う店舗)や作業場、工場、産業廃棄物置き場などで発生するものが多いと考えています。もちろん本当の失火も含まれていますが、「裏の借金でどうにもならないところまで追い込まれた」店舗がたまに実行する手段です。

初犯の場合は保険金が下りても、2回目、3回目となるほどチェックは厳しくなります。また事故情報も今は統一されていると思いますので、保険会社が変わっても情報は共有されているはずです。

<飲食店の失火・偽装失火は3パターン>
コロナ禍の借入金が払えなくなって火事による保険金で清算して店じまいというケースも中にはあるように思います。

ガスコンロの天ぷら鍋から火災発生
昔から天ぷら鍋を火災の原因とするものは多くあります。火をつけたまま忘れていた。天ぷら鍋を誤ってひっくり返した。どこまでが本当かわかりませんが、知っていたお店の主人は2回これで保険金をもらい、3度目に逮捕されました。

客席のシートの間に落ちていた火のついたタバコから火災発生
たまーにある火事の原因です。閉店後1~2時間して発生しますから、駆け付けた時はほぼ全焼になります。閉店時は、臭いも含めて点検が必要ですね。

焼肉店の無煙ロースターの排煙ダクトから火災発生
これは20年間に3件ほど契約店舗で起こった火災です。原因は3つ。排煙のダクトを10年以上使用して油が血管のコレステロールのようにびっしりとたまった状態で営業している場合、お客さまが脂分の多いカルビやホルモンを網一面に広げて一気に焼き炎がダクト内に入って油に引火した場合、ダクトの部品の防火シャッターをケチってつけなかったためわずかな火でもダクト内に引火させてしまう場合です。

焼肉店は複合施設内で営業する場合はダクトの定期清掃や10年ごとの入れ替えが欠かせません。

店舗が火災になると、お客さまや従業員の避難が最優先です。狭い店内で消化するにも手段が限られており、一酸化炭素中毒で呼吸困難になり死亡する恐れがあります。

飲食店舗は1/4消失でも店舗は火や水や臭いで使用できません。店外に出て火災を見送りする以外にありません。また、臨店から火災が発生して類焼しても保険金は出ません。自分の店舗の火災保険は必ず入りましょう。

その他の火災

漏電による電気火災発生
20年~50年と経過した店舗に多い火事です。古い店舗ほど電源ケーブルやコンセントなどの電気設備が老朽化している場合に起こります。

雷が原因で火災発生
忘れるくらいにたまにある火災原因です。店舗の落雷や近くの電柱に雷が落ちた場合などがあります。


これからは40年以前迄あったような「地域の輪」が復活して、生きづらさを和らげる世の中になればと思います。

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