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映画『エレファント・マン』



【本当の優しさとは】

病気で顔が異形な造形のまま成長してしまった男、エレファントマン
その異形な見た目から周囲の人々には避けられ
彼に近づく男は利用しようとしかせず
サーカスの見世物として監禁されたりする

ただ生まれた姿がこの姿だっただけ
望んでもいない、それでも死ぬわけにもいかない
彼のこれまでの人生を想像なんてできない
ほとんどが彼の気持ちのほんの一部さえ
理解することはできないのだろう

エレファントマンを中心に色んな立場の人間の彼との関わり方について描かれる。ある医者は彼に家を与え、希望を与えた。看護婦は彼の世話をし、医者の家族は彼に安心を与えた。だがその優しさは本物だろうか?そんな疑問が劇中で投げかけられる。自分よりも可哀想だと思う人に向ける優しさは、実はそうしてる自分が好きなだけではないだろうか。善い行いをしていると周りに見られることが目的なのではないだろうか

1人の有名舞台女優が、エレファントマンを劇に招待し、劇終了後に名指しで彼を讃え賞賛する。特別扱いで。賞賛されてる姿自体は美しいが、彼はまた違う形で見世物になっただけなのでは。女優のイメージ向上に利用されただけなのでは。そう思えてならなかった

しかしこれまで非道な扱いを受けてきたエレファントマンにとって、場所を与えられ、自分を認めてくれる存在に出会えたことは幸せ以外の何物でもなかった。そう彼は言う。彼に向ける優しさが仮に純粋で綺麗な善でなくとも、その思い自体が当事者に届いてさえすれば世界は明るいはずだと。そう信じなければ酷く苦しい現実だけが残るそうするしかないのだ。表面上の美徳は裏面に潜む何かを下敷きに成り立っている。そんな気がした

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