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いい病院・医者はどこに?(その2): MRI初体験。ここにモニターあったらいいんじゃない?

6月下旬に、「ちょっとおかしいかな?」と感じた事があって、病院に行く事にした。

数年前に引っ越してから、こちらのエリアで婦人系の病院にはかかった事がなかったので、自力で調べた病院に行ってみたが、どうもハズレの医者だったらしく、3週間もかかって結局、診断もできず方針も決まらなかった。

前のnoteはこちら



最初のお医者さんの指示で検査を受けた後、1週間放置されている間に、別のお医者さんにいく事に決めた。

今度は自分で探すのをやめて、友人のお母さんが行っているお医者さんに診てもらう事にした。

実は最初のお医者さんに行く前にもちらりとこのお医者さんの事を聞いたのだが、場所が微妙だったのでやめていた。

しかし今回の事があって、もう場所を気にしている場合ではなくなったので、再びお休みを取って行ってみる事にした。

今月の有給もう全部使っちゃったよ。。。

こちらは個人経営の小規模なクリニックらしく、行ってみると住宅街の中にある一軒家であった。

友人の紹介で来た事を伝え、今回受けた検査結果を渡し、卵巣脳腫を疑っており、手術が必要ではないかと思っている事を伝えた。

こちらのお医者さんは50代後半かと思われるすらりとした女性で、受け答えも大変明瞭であった。

検査結果を確認して、内診した後、MRIを受ける様に言われた。同時にこちらのクリニックで子宮頸がんの検査をしてもらい(内診の時にサンプルを採取)、MRIの結果を持ってまた来る様に言われた。

その日は病院に行くためにお休みを取っていたので、その足でお医者さんお勧めのMRIを受けに行く事にした。



さて、私は今まで大きな病気をした事がないので、MRIは人生初体験である。

その日は絶食してなかったので、それで問題ないかだけを事前に確認してもらい、検査に向かった。必要な検査があるなら、早く済ませてしまった方がいいと思ったのだ。

紹介された場所に行き、事前に連絡してある事を伝えると、受付してくれたが、費用を聞いて思わず聞き間違えたのかと思ってしまった。

「はい。じゃ、11,000ルピーデスね。」

・・・え??もう一回お願いします。検査料はいくら?

あまり深く考えずに来てしまった事と、ちょうどその週に有り金をはたいて息子の授業料を払ったばっかりだったため、その金額に耳を疑った。

インドでは診察や検査に保険は適用されない事が多い。日本の様に3割負担などと言う概念はあまり聞かない。じゃあ保険は何の為かというと、多くの場合は入院時やガン・糖尿病などの手術や入院をカバーする為である事が多い。(もちろん保険規約によって違うが。)

なので、日本で保険適用外だと考えるとこの程度かかってもおかしくはないのだが、なにせタイミングが悪かった。

一瞬、このまま帰ろうか躊躇したが、いづれにしても検査しないと手術の有無、方向性が決められないのだからもう仕方がない。

文字通り清水の舞台から飛び降りて支払いを終え、問診票を記入、着替えて検査室に入ると、中央にある板の上に仰向けで寝る様に言われた。

あれよあれよという間にベルトをされて、ヘッドフォンを付けられた所で、スタッフが「音がうるさいからヘッドフォンしますね。どうしても我慢できなくなったら、このボタン押してスタッフを呼んでください。」と言う。

この状態でどのくらいいなければならないのかが不安なので、「どのくらいかかるの?」と恐る恐る聞いたら「30分ぐらいかな。じゃ。」と言って、さっさと立ち去りドアを閉めてしまった。


バタン!

・・・・。

1人取り残された私は、若干の不安でドキドキしていた。

うるさいことだけは分かったが、寝返りもできない状態で、筒の中に入り、痛いのか暑いのか寒いのかさっぱり分からない状態で、検査がスタートしてしまった。(もうちょっとちゃんと調べて来ようよ、自分。)

程なくして、イヤフォンを通して大きな音が聞こえてきた。

しばらく様子を観察し、痛くも暑くも寒くも苦しくもない事が分かり始めて、少し安心した。

だが、しばらく経つと、ちょうどアキレス腱のあたりに、自分がのせられている板の角があたっている事が気になり始めた。下半身はマジックテープで固定されているので動かせないが、自分の重みで板の角にアキレス腱が食い込み地味に痛い。足をひねって直接あたらない様にするのが、精一杯だった。

私は閉所恐怖症ではないのだが、正直、この筒の中に体を動かせない状態で30分もいないといけない事を考えると、中々に気が滅入った。これは狭いところが苦手な人には苦痛な検査だろうなと思う。

そして何よりも、ヒマで仕方ない。

体を動かす事はできず、何も見る事ができない状態で30分と言うのは何時間にも匹敵する長さだ。私は、「この検査が終わったら何を食べたいか」をひたすら考える事で何とかやり過ごした。

30分って言ったら結構な長さなので、ちょうど顔の上のところにモニターとかつけてNetflixでも見れる様にしたらいいんじゃないのか?とか考えてしまった。

などと思っていたら、それに近い事例があった。

そうそう。これですよ。患者の気持ちに寄り添うのも大事だと思うのですね。それとも広告でも流したら、広告料もらえていいんじゃないのか?



必死にぐるぐると食べたいものを考えて、アキレス腱の事を考えない様にしながら耐えていると、音が収まり、「・・・ガチャ」と言う音が聞こえてきた。

やった!終わり??

そう思いながらやってきたスタッフ達を期待のこもった目で見ていると、おもむろに私の右手を持ち上げて消毒液で手の甲を拭き始めた。体を固定するベルトはそのままである。

え?ちょっと待って何するの?って言うか、終わりじゃないの?

心の声が出ていたのか、スタッフは「映像がはっきりする様に注射します(造影剤を打った)」と言いながら、さっさと造影剤を注射してしまった。

チクリとした感覚の後、体の中にひんやりとした感覚がじわじわと広がり始める。よく知らない感覚がなんとなく気持ち悪かった。

そのまま右手だけをバンザイした状態にして、再び、洞窟(MRIの機器)の中に入れられそうになったので、慌ててアキレス腱のあたりが痛い事を訴えた。

さっきから足を動かしていて、「動かしちゃダメ」と叱られていたのだが、状況が分かると、アキレス腱のあたりにクッションを挟んでくれた。これでしばらくはがんばれそうだ。注射を打たれたって事は、悲しいけど終わりじゃない事ぐらいは理解している。

とにかく早く終わりたい私は、再び「後どのくらい?」と聞いた。スタッフは「10分ぐらいかな。」と言って、再び、さっさと検査室を出て行ってしまった。

20分+10分=30分だったのか、
それとも、
30分+10分=40分だったのかはもう分からないが、

(とにかく早く終われ~!!!)と思っていた事だけは事実である。

そんなこんなで、最後の10分も終わったらしく、やっと体を固定していたベルトを外してもらった。

ふうう~。。。痛かった。。。。

みんなMRIの時は腰とおしり痛くないのかな??

ツラい時間を乗り越えた後のこの開放感と言ったら、最高である。

その後は着替えて、撮影したフィルムをもらい、検査結果はWhatsAppで送ってもらう事になった。



翌週、改めてお医者さんの予約を取って、会社帰りに診察に行った。

まず、お願いしていたガンの検査は陰性だったので、次は5年後にすればよいとの事だった。

MRIの検査結果を見て、お医者さんは「こんなに大きいのをそのままにはしておけないわね。手術だわ。」と言ったが、詳しい手術内容は腹腔鏡の専門のお医者さんに聞いてね、との事で知り合いのお医者さんを紹介してくれた。

これまたわらしべ長者的な感じで、病気の核心に少しずつ迫っていく。

これでまず手術が必要な事は分かった。

次は、詳しい手術の内容とそのメリット・デメリット、
その費用はカバーされるか・されないか、
一時的な支払いはいくらぐらいで、
どうやりくりするか、
いつ手術するか、だ。

次のお医者さんの予約をして、次の週末に診てもらいに行く事にした。



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