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いい病院・医者はどこに?(その9):退院後の色々

2024年は卵巣嚢腫の手術で始まった。

過去にも嚢腫部分は摘出したのだが、再発してしまい手術する事になった。手術の方針に迷ったり、保険適用される病院が分からなかったりと色々あったのだが、手術は無事に終わり家に戻って来た。


退院して家に戻ったのは日曜日だった。

病室の中では元気になった気がして早く家に帰りたかったが、退院して家に戻るだけでもう息切れがして足がガクガクするぐらいに疲れてしまった。

なんと、こんな日常動作でこんなに疲れるとは・・・・!!

もうおばあちゃんになった気がした。(元気になったら絶対に筋トレを始めるぞ)、そう心に誓って家にのそのそと戻る。

事前に休みは取れなかったので、このままいくと明日は月曜日で通常勤務だが、sick leaveで休もうと決めていた。この状態では自宅勤務をするとしても、パソコンの前に座る事すら難しいだろう。

次の日の朝はいつも通りに目が覚めたのだが、熱っぽくてとてもではないが起きられなかった。重要な仕事は入れていないし、不在の自動通知も設定してあったので、事前に決めていた通り休む事にして、再び目を閉じた笑

もうびっくりするぐらい眠れた。

寝て、起きてトイレに行って、何かを食べて薬を飲み、また寝る。を繰り返して一日はあっという間に過ぎた。

次の日(火曜日)から、しぶしぶ自宅勤務に戻る事になった。

着替えや移動が無いだけでも体への負担は格段に少ない。特に傷口が残るお腹は手術でガスを入れた事もあって膨らんでおり、いつも来ているスーツが苦しくウエスト部分が傷にも響いたので、一日中パジャマで居られて助かった。

二週間もの自宅勤務を認めてくれた上司には感謝である。



「退院して一週間たったら、抜糸に来てね。」と言われていたので、一週間後に病院へ。

この時期は寒かったし、傷口に水がかかるのが怖くて、実はその日までシャワーはできなかった。清潔にしていないといけないので、シャワーの代わりに体を拭いたり、髪だけ洗ったりしていた。

お腹には4つ傷口があり、絆創膏を貼ってある。お医者さんはサッと確認して、「経過はいいけど、後もう一週間したら抜糸しましょう。左側の傷口がもう少し治ってから。」と言った。

そして言われた日にもう一度病院に行き、今度こそ抜糸してもらった。

麻酔はせずにそのままパチンと切って、糸を引っ張って取り出すのだが、体から糸が抜けていく感じがちょっと痛くてゾワりとした。

膣からの出血はまだあるので内診で経過を確認してもらった。特に問題ないが、薬は継続する様にとの事だった。他にも新たな薬(主にビタミン剤)を処方してもらい、また来ることになった。

その時に検査結果も確認したのだが、結果を見た先生は「あら~」と一言。

今回は、両方の卵巣と卵管、子宮を摘出した。子宮は深刻な問題は確認されていなかったのだが、(子供もいるので)残しておく必要性は無かったし、予防目的で自ら摘出を決めた。

実際に摘出してみると、小さな子宮筋腫が目視で確認された。手術時にそれぞれから検体を採って検査に出した結果、それは腫瘍(ただし陰性)だったのだそうだ。

つまり、子宮を残しておくと、これにより痛みや出血等が生じていたかもしれない。

異常が確認されていない臓器を摘出する事に対する迷いや、
手術のリスクへの不安があったのだが、
全てを摘出する事にしてよかったんだなあ、と思った。



新しい薬を飲み始めてから、吐き気が収まらない日があった。

朝食後に薬を飲んでから、どうにも胸のあたりがむかついて仕方がない。今までの経験上、消化不良が原因なので、胃を空っぽにしたらよくなると分かっていた。

何度かトイレに行って、胃を空っぽにしてすっきりしたのだが、いつもとは違い、胃が空っぽになっても吐き気が収まらない。水を飲んだだけでも戻してしまう様になった。

更に悪い事に、排泄する時に痛みを感じる様になってしまった。
膀胱炎になってしまったらしい。

手術直後も思ったが、排泄がうまくできない時のつらさと言ったらない。それにトイレに行きたい時に近くにない恐怖にも耐えられない。私は「もし何かあったら」と思うと恐ろしくて外出できなくなってしまう。

あまりにつらくて、夜中なのにお医者さんにメッセージで薬を処方してもらった。さすがに周りの薬屋は空いていなかったので、朝一番に近所の薬屋に行って買って来た。

処方されていた薬は一旦飲むのをやめて、吐き気を抑えて、膀胱炎を治す事に集中した。

飲み薬(吐き気、膀胱炎)に、お腹には軟膏、下にも薬を入れて、もう薬漬けみたいになってしまった笑。

あまり食欲は無くても何かを口に入れて薬を飲み、可能な場合は横になって休み、水分をたくさん採ってトイレに行く様にした。

幸いこの時は週末に差し掛かっており、しかも運よく祝日も重なっていた為、週明けには大分落ち着いて来た。

私は弱っていると膀胱炎になるので、やはり手術で体力や免疫が落ちているんだろうな、と思った。

吐き気と膀胱炎を乗り切った事で、手術に関係する不調はほぼ乗り越えたと思う。何か、色々なものが体から出て行った感覚がある。

これらの症状は落ち着いたが、今でも軟膏は塗っている。もう少ししたら、また経過を確認しに病院に行く必要がある。



さて、今回インドで手術してみて思う事がある。

日本人はインドの医療って危険なんじゃないかと思っている場合が多いが、きちんと調査、検討すれば問題は無い。自分でも調べ、セカンドオピニオンを聞いて、知り合いにも確認を取っておく事をお勧めする。

選ぶ方にもリテラシーが求められるのだ。

注意して欲しいのは、インドの(特に大きな)病院ではお医者さんにも売上目標が設定されている事が多いので、必要がないのに手術を勧められることもある。必ずよく調べてから判断しなければならない。


またインドでは基本的に自身の意思により手術する事が可能な様だ。

手術では家族や配偶者の署名が求められる事が多いが、本人の署名と証人の署名で十分だった。

私のIDの一つにはまだ元夫の名前が記載されている為、これが日本だったら元夫の署名が無ければ手術はできなかったはずだ。

手術は大事な事であり、必ずリスクも伴うので、第三者の意見や立ち会いが必要な事は理解できるが、日本は女性に決定権(特に妊娠・出産関係の)を与えたくないんだろうか?と感じてしまう事はある。

日本は自分が生まれた国なので、もっとよくなってくれるといいなあ、と思っている。


今回でインドで行う手術も三回目だ。

概ね問題なく終了し、私はインドの医療サービスに満足している。一部の病院の対応に文句はあるが、それは日本でも起こり得ることなのでインドだからダメな事ではない。

2024年の幕開けは、心身のデトックスで始まった。
今年も健康に気をつけていい年にしていこう。



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