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「ローソン」の「スイーツ定期点検」。 vol.6

 ローソンが少し遠いコンビニになってから、時々しか行かなくなった。

 それも、図書館に行った、その帰りに寄るから、荷物が重いので、気持ちにゆとりがある時だけ店の前に自転車を止めて、借りてきたばかりの本が入ったカバンを持って店内に入る。

 だいたい10冊くらいの本は入っているので、少し重いのだけど、そのままスイーツが並ぶ棚を見て、色も含めて、ちょっとうれしい気持ちになると、その中から、2つ選んで購入して家に帰る。

 夕方に買ったときは、次の日のおやつになる。ちょっと楽しみだったりする。


いちごの季節

 果物の品種は、時代によって主流が変わる。

 最近のブドウは、値段のこともあるので、自分が日常的に食べるかどうかは別として、メディアの中では、今は、まるでシャインマスカットしかないような印象になっている。

 これだけ偏った人気になるのは珍しいと思いつつ、もしかしたら、自分は、まだちゃんとシャインマスカットを食べたことがないのに気がつくから、この秘かな熱狂の理由がまだちゃんとわかっていないのだと思う。

 そのことと直接の関係はないのだけど、いちごへの注目度が、以前より高くなっているような印象がある。

 以前はもう少し春に近くなってからだった記憶があるのだけど、最近は、まだ寒い真っ最中の、年が明けたあたりから、いちごを使ったスイーツが多く商品棚に並んでいる。

 いちごは実は野菜、といった話は時々されていて、厳密に言えば、そうらしいのだけど、スイーツの材料になっているいちごは、全くそんなそぶりもなく、果物として振る舞っているように思う。

 ここ何年かは、ぶどうほどではないけれど、やはり、消費される品種の偏りはあって、最も多く名前を聞いたり見たりするのは「あまおう」で、その次に「とちおとめ」になった気がする。その名前自体も、野菜を否定するような名称だけど、どうやら1月15日が「いちごの日」らしい。

 それもあって、年明けから、コンビニでも「いちご狩り」と称して、いちごを使った商品が並ぶようだ。

 今年は、ファミリーマートと、ローソンで、華々しく「いちごの季節」を推している。それもあって、ローソンに寄った時、いちごのスイーツを買ってしまったのだと思う。

シュークリーム

 どちらを選んでもいいように買って行ったのだけど、2つのうち、妻はこちらを選んだ。

「パッケージを開けて、見た目はかわいい。桃っぽい感じにも見える」

 これは、いちごだけど、あくまで見た感じの印象のようだ。

 妻は、食べ始めて、ややけげんな顔をしている。

「クリームを食べてて、あと皮が少しだけ。
 シュークリームだと思うと、違って感じる----」。

 シュークリームだと思うと、クリームが多すぎ、皮が薄く、それが、戸惑いになったようだ。

「---クリームはおいしい。クレープみたい。
 クリームの中に、時々、いちごが入っていて、おいしい」。

 食べ進めると、少しずつ表情が柔らかくなり食べ終わってから、聞いたら「また食べたいかも」という感想になった。

大福

 私は、主にこちらの「苺ケーキ大福」を食べるのだけど、その前に、妻に味を見てもらおうと思った。

 妻の表情は、やはり、すぐに笑顔にならなかった。

「---これも、大福の皮がぶりぶりすぎるのでは」

 食べ進めると、少しずつ表情が変わっていく。

「----おいしい。だけど、これは、大福ではないのでは、と思っちゃう。
 クリームは、おいしい。ケーキ?
 これも大福と思わないと、もっとおいしいかも。
 すごく変わった、新鮮なスイーツだと思う」。

 どちらのスイーツも、いちごの入ったクリームが、味がフレッシュでおいしく、でも、確かに、このケーキ大福は、要素が多くて、それが一体感に結びついていないように思えた。

 それでも、確かにおいしかったし、いちごの季節感はすごくあった。

新しさの難しさ

 新しいものをつくると、それまでの定番とは距離ができることがある。そうなると、それまでのオーソドックスなものになじみがあるほど、その新しい商品がおいしいとしても、その違いを納得するまでに時間がかかる。

 全く違うジャンルと比べるのは違うのかもしれないけれど、大物でベテランのミュージシャンが、ライブで、こちらは新しい曲をやりたい。だけど、観客は、私が知っている「あの曲」を歌ってほしい、になることを、微妙な表情で語っているのを見た記憶がある。

 かといって、ずっと一緒だと飽きられる。新しすぎても警戒される。

 食品もおそらくそれは共通することで、だから、今回のローソンのスイーツも、クリームを思い切って増やした商品には「ほぼクリ」という名前をつけたり、大福には「もちもちいちごケーキ」という名称によって、どちらも、これまでとは違いますよ、という準備をしてもらおうと考えたのではないか。

 だけど、それがうまく届かないこともあり、そうなると、すごくおいしくても、その味がまっすぐに気持ちに到達するまでに、数秒のタイムラグが生じることがある。

 今回は、大げさかもしれないけれど、そんなことを思った。

いちごスイーツ専門

 そして、改めて、この「ICHIBIKO」という店が気になった。

いちごスイーツ専門店ICHIBIKOは「いちごの、いちご好きによる、いちご好きのためのお店」です。2017年に東京・世田谷区太子堂にカフェ1号店をオープンしました。

(「ICHIBIKO」より)

 今回のローソンのスイーツで感じた、いちごの強さは、このショップの力が大きいのかもしれないと思い、できたら、ここに挙げられていたカフェで、一度はいちごのスイーツを食べたいと思った。

 オンラインショップにも、おいしそうで個性が強いスイーツが並んでいて、やっぱり気になった。




(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。





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