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干し柿を食べる。

 庭の柿の木には、秋が深まると柿の実がなる。

 春先までに、枝をかなり伐採しても、気がついたら、多くの実がだいだい色を深めていく。

 それらを高枝切りバサミを使って、柿の実を、今年もとった。

 60個くらいは取れた。

 思った以上に多かった。

 渋柿だから、そのまま食べられないのだけど、それを承知で、要望してくれた方がいたので、それを妻が配ってくれたりもした。

 なんだか、うれしかった。


柿を干す

 取った柿の実は、カゴの中に入れておいたのだけど、それを整理して、ひもをつけて、干してくれたのは、妻だった。

 柿を干すと、その周囲の印象が変わる。

 ここは東京都内でも、もともと神奈川県境に近い、ちょっとのんびりしたところではあるけれど、柿を一本あたり5個の干し柿が何本も、軒先につるされると、急に、さらに田園風景の印象に近づく感じがする。

 最初は、生々しく、最初の柿の形に近く、丸っこく感じて、これが食べられるようになるまでは、どのくらいかかるのだろう、と時間の先が遠くに感じていた。

 それから、気温は下がってきて、気がついたら、あれだけ毎日のように庭に散っていた柿の落ち葉も減ってきて、見上げると、柿の木は、ほぼ枝だけになっていた。

 柿の木にある実も、時間が経つと、鳥が食べて、形が変わったり、食べられてほぼなくなって行ったりもするのだけど、考えたら、渋柿なのに、ああやってしばらく実っていると、そのままでも味が変わるのだろうか、と思ったりするけれど、それを確かめる前に、鳥に食べられている。

 さらに時間が経ったら、干してある柿の実は小さくなり、色も少し変わっていた。

干し柿を食べる

 妻は、干してある柿を取り込んでいた。

 だいたい約2週間以上が経って、食べられるようになったようだ。

 その干し柿を、やはり要望がある人に、妻は箱をきれいにパッケージをして、それで人に贈っていた。

 それはとても喜ばれたらしい。
 よかった。

 そうした作業が一通り終わって、それでも残った干し柿があって、それを家で二人で食べた。

 干し柿、にしかないあの味で、渋柿のはずなのに甘くなっていた。

 毎年のことだけど、不思議だった。

 おいしかった。

 この1年もずっと庭の柿の木を見てきたけれど、これで今年も締めくくれるような気がする。






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