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肩関節屈曲の正常運動とは??

正常な動きを知っていることで、異常な動きを察知することが可能となります。

日頃の臨床現場では異常な運動をみることが多く、なかなか正常を学ぶ機会が少ないと考えます。

患側の反対側は、健側なのだから正常な運動も知っている!と思うかもしれませんが、人間は片側だけに異常が出るのではなく、全身を使って(左右でバランスを取っている)調整しているので、全身のどこに問題があってもおかしくないはずです。

まずは、教科書的な肩関節の正常な屈曲について知りましょう!


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肩関節屈曲

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肩関節屈曲:3つのフェーズ理解

肩関節屈曲動作の観察および分析をする際は、下記の3つのフェーズ(相)で理解すると良いです。

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上腕骨運動としての肩関節屈曲

まず、1つ目のフェーズ(以下、第1フェーズ)では「上腕骨だけの運動」として肩関節屈曲を捉えます。

個体差がかなりある部分ではありますが、わたしはの第1フェーズの終了は、肩甲骨が動き出すまで(肩甲上腕リズムの開始)と解釈しています。

一般的に肩甲骨が動き出すまでの角度は、肩関節屈曲0〜45もしくは65°程度と言われています。

動力筋は、「三角筋前部線維」、「烏口腕筋」、「大胸筋」です。

ちなみに、屈曲の制限因子となる筋としては「棘下筋」、「小円筋」、「大円筋」が挙げられます。

この時期は、上肢挙上に先立ち、肩甲骨が挙上の準備をする時期とされ、セッティングフェーズと呼ばれています。

このフェーズでは、肩甲骨の動きの個体差は大きく、まったく動かないように方もいれば、下方回旋する方や、ユラユラと揺れる方もいます。

上肢挙上のための準備は人それぞれ。良い悪いだけで判断するだけではなく、どのような準備の仕方をしているのか?なぜ、そのような肩甲骨の動きがみられるのか?を考察しましょう。

肩甲骨の動きは、胸郭の形状に依存します。

肩甲骨は肋骨の上に浮遊していて、肩甲骨周囲筋群の働きによって動きます(肩甲胸郭関節機能)。

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上腕骨+肩甲骨運動としての肩関節屈曲

次に、2つ目のフェーズ(以下、第2フェーズ)は、「上腕骨だけでなく肩甲骨の動きも伴う運動」として解釈しています。

一般的に言われている肩甲上腕リズムです。

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