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マジカル・ガールという映画【あらすじ・ネタバレ8割くらいあります】

映画を観る時に誰が悪い、誰が善人
という見方しかしない人は観ないで欲しい映画です。


8年くらい前に私は映画館で観たのか…その時の衝撃が凄まじかった。そして何を見せられたのだろうと思った。最近DVDを買って見直してみたら、色々わかってきた。
1.教室で生徒(バルバラ)と教師(ダミアン)の会話。それはそんなに驚くような会話じゃ無かったが…映画においては重要なシーンだった。


「魔法少女ユキコ」というアニメのテーマ曲が流れる。スペインで日本のアニメは人気なのか
少女アリシアはそのアニメが大好きだった。
ユキコになりたいとすら思った。

2.画面が暗いですが、娘のお願いノートにユキコの衣装が欲しい事と、13歳になりたい事が書いてあった。
アリシアも知っていたのだ。
自分が13歳になれないかもしれない事を。


3.父親ルイスは医者から娘は助からないと宣告され、娘のノートを見てどうしてもアニメの衣装を買ってやりたいと
悩む。
しかし無職で何とか暮らしていたルイスにはどうしても買えない。

金の調達のために高い本を売ったり、知り合いに頼んだりするのだが「魔法少女ユキコ」の一点物衣装はとんでもなく高い。

そしてルイスは偶然にバルバラと出会った。
まさに天からの??導きのような出会いだった。

美しくて精神不安定が激しい
そしてミステリアスなバルバラとルイスは、一夜を共にする。

4.このバルバラの傷は自分でおでこを鏡にガーンとぶつけてつけたものです。ルイスと会う前です。オーバードーズをするほど不安定。


そしてその後にルイスは、あることをする。

それはバルバラにとって驚く事であったし
観客にとっても、驚く行動でした。
(ま…その前に犯罪に走りかけていましたけど)

バルバラが良い暮らしをしていると思って
金をせびるルイス…
ルイス「金をくれないと旦那に全部バラしちゃうよ」
バルバラ「くず!」
しかし、ハイエナのようにたかるルイス


バルバラにとって夫は依存する存在だった。
夫がいないと精神的にも生きていけないし
夫もバルバラを手放す事はしたくない
共依存の夫婦のようだ。
そしてバルバラは不思議な魅力を持っていた。

ミステリアスなバルバラ

バルバラは夫に悩みを言えず、夫には秘密の場所
会員制の秘密倶楽部に行く。

お金はすぐにもってこいとルイスが言うので
短期で稼がなければならなかった。
本人も、何日もやりたくは無い。
という事で
蜥蜴の部屋に行く。

そこは謎めいていた。
本当に謎なのです。

「ブリキ

その言葉を言えば終わる。
それ以外では止まらない。
我慢をすればするほど報酬は良い」
という説明をされるバルバラ。
「挿入は無しで」
バルバラの望みはそれだけだった。



バルバラは大金を貰ったが瀕タヒの姿で
少女の時以来会っていなかったであろうダミアンの元に現れた。
冒頭で見つめ合っていた教師です。

実はダミアンは、バルバラと出会ってから或ることをしてしまいその結果ずっと刑務所にいた。


バルバラは
「男にストーカーにあっているの」
と告げた。
バルバラは多少話しの辻褄合わせをして説明をしていたが
瀕タヒという事もあり、詳しくは話さない。
ルイスのお金のために秘密倶楽部である事をされたので嘘とも言い切れない。
✳ちなみにルイスはお金のためにバルバラが重症を負ったことを全く知りません。お金の無心はいつも電話なので。
そしてダミアンもバルバラの秘密を知らない。なので必然的にダミアンは「ルイスがバルバラの身体を痛めつけた」と思っている。

ダミアンは銃を手に入れて、憎い相手に会いに行った。

刑務所に逆戻りというのは、刑務所でとても世話になった心理師にも悪いと思ったのだろう。

自分がルイスに撃たれて、そしてルイスを刑務所に入れようという考えだった。

初対面から親しく世間話しをするダミアン
少しうざったいルイスだったが
ダミアンから「バルバラをひどい目に合わせたんだよな。私は彼女のために刑務所にいた」
と言われて
ルイスは思わず言った。
「クソアマ!」

そしてあいつが誘ったんだという弁解をし始めた。

ショックを受けるダミアン。ルイスと会う前にバルバラは急に守護天使おじさんを思い出して、ダミアンに電話をかけていたんだけどね…ダミアンは電話を切ったんですよ?


(うわっなにこれ?こいつはヤーバーそうだ)と思ったルイスは「あの女はマジそうなの。ねぇ、わかりました?俺は強□して無いよ?信じて?」と言いたかった模様。ペラペラ喋る。

✳このルイスの態度により、私も前半のルイスの
情けないけど
嫌いになれない男から…
何だこの言いわけ人間、本当に馬鹿だなと思いました。
マンションの部屋を見て
「いい暮らしの主婦か
何とかなるぞ」と思ったくせにと思いました。←ルイスは、言ってはいませんよ。
もっと普通の言い方です。


ルイスがバルバラを落としてペラペラ喋るが、パーン!


えーっと、まだこの店に目撃者がいたよなと
立ち上がるダミアン


✳父娘の心温まる泣ける難病映画かと思ったら、
ノワールもののようにとんでもなく非常な展開になっていく。

これはスペインで相当の人が観たようです。
「日本のアニメのコスプレ衣装がっ!高すぎるからじゃないの?」と思われたかも。
日本じゃどう思うか
日本では大ヒットしていませんし、知りません。

しかし監督は日本ヲタクで
アニメは「美少女戦士セーラームーン」や「魔法少女まどか☆マギカ」を観ていたし、「ドラゴンボール」も好きだそうです。
おまけに江戸川乱歩通には分かるような事を散りばめています。
美輪明宏の「黒蜥蜴」も好きなんでしょうね。
オープニングもエンディングも日本の歌手の歌です。
長山洋子さんが喜んでいました。


ジグソーパズルをするダミアン。

バルバラと出会い、ちょっとしたマジックを見せられたダミアン。
魔法なんか無いというよりも
魔法はあったんですね。

ダミアンはバルバラに魔法をかけられて依頼
どうにもならないほどバルバラが大切になった。
人生が失われても。

アリシアの魔法はどうなったのか…映画を見て自分で確認して下さい…

しかし、分からない事だらけなんです。

この映画は観た人間が頭の中でパズルの間を埋めなければいけない。
現実でそれをやるのが楽しいという奥さん
フィクションの中で、楽しんで下さい。

人が登場するたびに映画の種類が変わっていくフィクション。こんな映画は観たことが無いです。

✳加筆修正致しました。

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