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うちの弁護士は手がかかる〜織田信長にも手がかかったムロツヨシ(改訂版)

タレントを三十年間支えていた、能力のある芸能マネージャー蔵前(ムロツヨシ)が突然解雇をされる。
しかし偶然新人弁護士天野杏(平手友梨奈)と出会い
香澄法律事務所の所長(戸田恵子)に雇われる。
しかも蔵前はパラリーガルとして天野杏のサポートをする事になった。


第2話を観て…私は話について書きたい事があったしムロツヨシについても書きたくなりました。

うちの弁護士は手がかかる2話

天野杏のところに嘗て同級生だった若宮(渡邊圭祐)の家から、過去にクラスでいじめられた事で訴えたいという仕事依頼が入る。
若宮円は、クラス中から酷い虐めにあいそれ以来七年間家から一歩も外に出られない引き籠もり状態になったというのだ。
しかし天野はその事を知っていた。
実は天野杏はその時にクラスの生徒達にいじめをやめるようにお願いをしたのだが、全く聞き入れられなかった過去を持つ。

平手友梨奈さん、眼力の強さを活かして悪を許さない若手弁護士を演ずる。口もかなり悪かったりするので「その言い方」と相棒によく注意をされる。蔵前と一緒にいるうちに気をつけるようになるのかな…スタイルが良くて格好良い。



↓ネタバレ的あらすじも貼りますので、閲覧注意です。


ドラマ2話目、平手友梨奈演ずる天野杏が、偶然にも同じクラスだった若宮から依頼を受ける。
合田が主導のクラスからの虐めに合う若宮だった。

同じクラスであった天野杏は、学級委員だったのか正義感がその頃から強いのか
若宮をかばい、さんざんクラスの生徒達にいじめをやめさせようとしてもそれは止まらなかった。

その時にどうやら?天野杏は弁護士になろうと決意をしたらしい…

やがてそのクラスで葬式ごっこが行われ、いたたまれなくなり若宮は学校に通う事が出来なくなり家からも出られない引きこもりで七年間を過ごす。

最近noteで投稿した
「最高の教師」と「何曜日に生まれたの」に近いものがあった。
天野杏は当時クラスのいじめの渦中にいても解決が出来ず、弁護士になってそのクラスに帰ってきた。
パラリーガル蔵前を携えて。

証拠も、7年後に揃った。

その7年後の教室で、厳しくクラスメイト全員に天野杏は告げた。

「あなた達は犯罪者だ!」

その言葉は「最高の教師」「何曜日に生まれたの」を私が観ていた時に言いたかった言葉でもあったので良かった。
そして蔵前もクラスメート達や教師を脅しに近い怒りでもって説教をする。

クラスで一致団結をしていじめをして、ひとりを登校拒否にしたり、自タヒにおいやる事件は昔からある。
それをやった人間たちは良心の呵責を負ったまま…恋愛をしたり、結婚したり、子供を育てたり旅行をしたりを本心で楽しめないので言うのだろう。

「やられたやつが悪かった」
と。
自分達は悪くないと。

なので、最後に裁判での訴訟はやらなかったけれど
クラス全員に謝らせた。

そこは、「最高の教師」と同じだなと思いました。

天野杏が弁護士になる原因のような
このクラスのいじめの決着の付け所はこれで良いのかと私も考えた。

7年もたってから…というのは遅いと思った。
そしていじめで訴えられなかった原因があったのだが、このエピソードは疑問が残る。それはあり得ない事だと思った。



「お前らのした事を許せない」

という気持ちを初めて現した若宮。
多分当時だったら笑われるような叫びだったのかもしれない。
クラスの中で唯一 正義感を持つ天宮がいくら生徒達に言ってもクラス中から笑われていたから。

そのクラスのいじめの加害者連中が
7年後に大人になって、若宮の激しい怒りや
弁護士になった天宮杏や蔵前の脅しを切実に感じて
謝った。

それは恐怖からの謝りなんだろうなと思う。

ひとりの女の子は七年間忘れずに、証拠を大事に持っていたのでずっと謝りたかったのだろうが…

それ以外のクラスメイトは、この会がお開きになったら、また忘れるような人間なんだろうなと思う。

だが、一応若宮の七年間の憎しみはおさまったように見えた…
それが重要なのだ。

これで良いのかという視聴者はいるが、最初から被害者の気持ちをどうしてあげるかが重要なので
これはこれで良いのだと思う。

 追記∶但し、1話目も2話目も結局はやはり脅しのようなやり方で解決をしているので危うい。

ネバーランドの悪魔のような脅し方(ドラマ「ブラックポストマン」参照)では無いのだが、その方法だと逆に根に持たれる可能性は大きい。
いじめのクラスの人間が逆に天野に傷つけられたと訴える場合があったり
クラスのリーダー格だった合田は有名YouTuberだったので、根に持った結果YouTubeで復讐をするかもしれない…が
 相手は天才弁護士なのでもしかしたら自分のイメージを傷つける事になり、負ける事になる。なので余程考え無しじゃないと復讐する気にはなれないだろう。

しかも若宮の事を
「彼が我慢している事によって、復讐の連鎖をそこで止めてくれている」
という表現で復讐は良くない選択だという事も、説いている。


追記の追記:あくまで被害者のためにやっているのだが、法廷の外でやる方法は普通のやり方では無い。

今のところ、示談に持っていこうとする相手に我慢出来なかったり、言い負かしたりする傾向のある天野杏は恨みばかりをかうやり方だと思います。
 なので今後、物理的暴力的な復讐をされそうで危なっかしいのです。
相手にもう失うものが無ければ、天野のやり方は危険だと思います。
蔵前はそうならないように、採用されたのかもしれないが…


ムロツヨシの演技の底力

 ムロツヨシは、優しい良い人の演技が多かった。
これは彼にとって簡単そうである。

1度、妻が病院で治療のかいも無く亡くなった夫の役をやった時は、悲しみ 怒り 復讐心に燃えたぎる演技の時があり、いつものムロツヨシと雰囲気が違うが良いのでは?
と思った。

「星降る夜に」吉高さん演じる女医のいる病院に来ては「ヒトXろしヒトごXしヒトごろX」と言い(↑ここ、確かその場面ですね?)「この病院の先生はヒトXろしでーす!」と叫ぶムロツヨシ。普段良い人の役が多いので、この人が怒ると嫌な怖さがある。しかし悪では無くて、哀しい人の役なので難しかったと思う。

今年大河ドラマ「どうする家康」でムロツヨシが豊臣秀吉をやった。
実はこのムロツヨシの演技がとても良かったのである。


豊臣秀吉は農家の出で、足軽になり織田信長に近づき取り入った。
その時の演技は「うちの弁護士は手がかかる」の、蔵前をさらに卑屈にさせたような太鼓持ち?である。正義は、無い。

強いものが 白と言えば白
やっぱり黒といえば黒いと言う。
プライドなんかいっさい無い男豊臣秀吉を演じた。
✳豊臣秀吉はここまで卑屈だったのかな…とびっくりしました。

しかし、織田信長がいなくなると
(その前から早く織田信長はいなくなれば良いとつぶやいていた)

織田信長並みか、それ以上に冷酷な太閤になる。
それ以前からそういう傾向は時々あった。

 天下人になったらその比が逆転したのだ。
持論を強行に押し通し、それが無理そうと見ると急にお調子者の秀吉に戻る。
まさに豊臣秀吉こそがもっとも手強い天下人
完璧な天下人だ。

ムロツヨシだからこそ、出来た役だと思った。


妻に甘える姿は可愛らしかった…
秀吉の弟が
「兄は人を下から見るとよく分かると言っていました」と家康に言う。この下からというのは、卑しい身分、ピラミッド構造的に下の身分の者から見てという意味ですよ。


秀吉の妻寧々、権力志向は無さそうで包み込むような優しさの人として登場。和久井映見がやるので余計にそうなっている。

ムロツヨシのその演技力は秀吉役で確立したように思った。
そして、「うちの弁護士は手がかかる」を観て
秀吉の演技が活かされていると思った。
ムロツヨシは演技の幅が現在の日本の俳優の誰よりも広がったと思った。

恐ろしい程だと思った。

✳取り敢えず加筆修正致しました。

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