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映画「ペパーミント・キャンディー」を観て。

原題:박하사탕
邦題:ペパーミント・キャンディー

監督:イ・チャンドン(1999年)

あらすじ: 1999年春。鉄道の高架下で男ヨンホ(ソル・ギョング)は全てを失ったいま、過去を振り返っていた。3日前、ヨンホは危篤状態にある初恋の相手、スニム(ムン・ソリ)を見舞う。数年前には行きずりのバーのホステスにスニムの面影を見る。さらに3年前、新米刑事のヨンホのもとにスニムがやって来るが、彼はそっけなく追い返してしまう。その4年前には兵役についたヨンホを訪ねたスニムだが面会許可がおりなかった。そしてその1年前、青年ヨンホはスニムとこの高架下で互いの将来を語り合っていた。(引用)

感想:時代が人を作る…?

その過ごした時代で人間性が構築されてしまうのか。壊されてしまうのか。あんな時代じゃなければ、ヨンホはあの純粋な青年のままだったのか。

コロナありきの世界。この時代に生きた我々の人間性は、コロナ以前の人間性とは変わってるのか。

ワタシ自身考えると、コロナにより人生が大きく変わっていったことは事実。仕事も住まいもその先の計画も。お金は無くなるわ、いい仕事見つからないわ、環境自体はなかなか悪い。精神的にも不安定な時期が長く続いた。

でも、コロナ前のときと比べたら少し変わったと思ってる(まあ歳とったからかなあとも思うが)。

だから、その時代が人間を壊すとは限らない。でも、いい方向にも悪い方向にも変えてしまうのは事実。

ましてや、ヨンホのように国が引き起こした光州事件によって壊されてしまうようなこと。憎むものが抽象的すぎて、ツライ。コロナも然り。

ペパーミントキャンディー。スニムが苦手だけど工場で毎日包んでるから好きになろうとしてるモノ。ヨンホは、もともと人付き合いが苦手だったんじゃないかなあ。でも、スニムとお近づきになりたかったから花を渡して頑張ろうとしたんだと思うと、なんて健気で純粋なんだろうと思う。その気持ちは、決して消えてなかったとお見舞いのシーンでわかる。ずるいなあこの演出…。過去に遡ることで今はこうだが未来はこうなんだよとわかってしまい切なくなる。

人間、そう簡単に変わらない。変わったように見えてもそれは殻か何かに包まれてるだけで本質は変わらない。時代という殻にコーティングされたヨンホだけど、本質は変わらなかった。

と、まあ。また伝説級にベスト級に考えさせられる映画に出会ってしまった。チャンドン氏は何者…。

ソル・ギョング。憑依型と言われても納得するレベルでの移り変わり様。光州での泣き喚くシーンは、演技、とは?と感じざるを得ない。そして対照的に静かに涙を流す最後の河原シーン。ずっと険しかったり辛そうだったり悲しそうだったりの表情ばかりだったから、唯一の優しい表情がもう、美しすぎるし、狂おしいくらいに愛おしい。最初のクソ男で見てて腹立つのと、共感制羞恥で見てて辛くなる中盤と、なんで彼がこんな目に合わないといけないの同情したくなる終盤と、こんなにも主人公への心の入り方がコロコロと変わるのは珍しい。あなたの手は汚く無い、変わらず優しいんだよと包み込んであげたくなる。

ムン・ソリ、めちゃくちゃ美人やん…。オアシスカップルと知り、めちゃくちゃエモいやんとひとりでのたうち回ってた。

彼に何があればよかったのかなあ。いや、何が無ければ、のほうが合ってる気がする。

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