絶対服従の二乗、原宿。
この前の週末、妻が休日出勤をすることがあった。娘(小1)と息子(年中)とずっと家にいるのも退屈だしどこかに出かけようという話になった。
またその日は娘と息子の従姉妹のあいちゃん(小2)があいちゃんの両親の都合によりうちにくることになっていて、私と子ども3人で休日を一日を過ごす日になっていた。
あいちゃんのお母さんは妻の姉である。私は基本的に妻に絶対服従である。
妻はその姉に対して絶対服従している。妻も怖いが、妻の姉はさらに怖い。妻の姉の見た目は広末涼子にそっくりであるが、その見た目に騙されるとキャンドルジュンくらいびっくりすることになる。
だから私にとって妻の姉は絶対服従の二乗である。絶対服従の右上に小さな2がついているのである。絶対服従の二乗はおそらく絶対王政か神権政治である。
これはもうあいちゃんを一日しっかりと預かり、楽しませるしかない。あいちゃんがもし妻の姉の家に帰り「今日は楽しくなかった」などと言えばもはや事件である。令和の事件簿だ。
あいちゃん、娘、息子にどこに行きたいか丁寧に聞き取りをしてみた。
息子は「おきんぎょうちゃん(息子はぬいぐるみのことをこう呼ぶ)が売ってるところに行きたい」と言う。息子は小さい頃からぬいぐるみが大好きで、コレクターと言っても過言でないくらいのぬいぐるみを持っている。
娘は「ハラカドってとこができたんだって。ちょっと行ってみたいな」と言う。娘は情報番組が好きであり、最新情報の収集に日々、余念がない。原宿に先週、新スポットができたということをなぜか知っていた。
あいちゃんは「竹下通りでお買い物したい」と言う。娘とあいちゃんは原宿に行きたくて事前に示し合わせていたのだろうか?
ただあいちゃんのパパは、赤坂、六本木、渋谷、原宿、中目黒、代々木上原などが主な仕事場なので、あいちゃんも都内のおしゃれタウンに詳しくなっている。
あいちゃんも娘もそういったおしゃれ関係なことについて興味津々なのである。もう小学生となると立派な女子なのだなと感心する。
ちょっと前までアンパンマンとかしまじろうとかプリキュアとか言っていたのが信じられない。子どもの成長は早い。
私は退化することはあっても成長はそれほどないので、子どもたちを見習って頑張らなければいけないと感じた瞬間である。
そんなこんなで、妻がいない休日に原宿に出かけることになった。おきんぎょうちゃん(ぬいぐるみ)はおそらく原宿でも買えるので、息子は原宿自体には興味がないかもしれないが、付き合ってもらうこととした。
ハラカドではフードコート的な場所でご飯を食べることができ、子どもたち3人はご機嫌である。特にあいちゃんと娘は新しくできたおしゃれな空間に身を置いていることに興奮している。
息子は「みんないっぱいいるねぇ」と人の多さに驚きつつも、お出かけできていること、そしてこの後おきんぎょうちゃん(ぬいぐるみ)を買ってもらえることがあるのでご機嫌である。
竹下通りでは買い物を楽しんだ。娘はサンリオショップでさんざん迷い、サンリオキャラクターの中で一番好きなポチャッコのファイルを選んだ。
あいちゃんはアクセサリーショップでどう言葉で表現したらいいか分からない、キーホルダーのようなものを買った。言葉足らずで申し訳ないが、原宿には未知の物体がたくさん売っているのである。これは三重の田舎で生まれ育った私にとって、理解できない状況だ。
ただ、あいちゃんが欲しいと言えばそれが何か分からなくても買ってあげるのである。
なぜなら先にも申し上げた通り、あいちゃんのお母さん(妻の姉)には絶対服従の二乗だからだ。
息子はお土産屋さんのようなところで、モモンガのぬいぐるみを選んだ。「モモンガさん飛ぶのかなぁ?」と満足そうである。
ただこの後、あいちゃんと娘に合わせて、何の思い入れもなく原宿にやってきた息子に更なる愉悦の瞬間が訪れるのだ。
息子にとっては望外の喜びであっただろう。
それはどんなことだったかというと、竹下通りにはカワウソカフェがあり、その店頭でカワウソを肩に乗せた店員さんが呼び込みをしていたのだ。
息子はカワウソが大好きである。ちょっと前にもnoteで書いた気がするが、息子は池袋のサンシャイン水族館に行ったとき、カワウソの展示の前からなかなか離れようとしなかった。
飽きるくらいカワウソを見てられるくらいのカワウソファンである。
息子にとって一番かわいい動物はカワウソなのだ。
息子は原宿竹下通りにいるカワウソを肩に乗せた店員さんを見ると「カワウソさんだぁ…」と目をうるうるさせている。「カワウソさんいた、かわいいねぇ…」と感激の極みである。感激の極み息子である。(カン)ゲッキーであった。
それほど原宿には興味がなかろう息子にも、楽しみがあって良かったと私は思った。
あいちゃん、娘、息子ともそれぞれ大満足してうちに帰って来られて私にとっても充実した一日なって本当に嬉しかった。
妻の姉にも「しろくんありがとう」と言われてほっとした。絶対服従の二乗した甲斐があったというものだ。
そして息子は感ゲッキーが冷めやらないのか、その夜、うちにあるカワウソのぬいぐるみを肩に乗せて「いらっしゃいませーいらっしゃいませー」とカワウソカフェの店員の真似をしていて、親バカながらとてもかわいいと思ったのである。
おわり
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