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耳下腺腫瘍になったよ 15 (入院2日目 ・ 手術当日 - 全身麻酔から意識がハッキリするまで)

(注意:これは僕が感覚として覚えている体験なので実際に起こったかどうかは不明です。確かめる術もないです。)

「眠くなるお薬を入れますよ〜」と言われた後どのタイミングでかはわからないけど、多分僕は意識を失ったんだと思う。

1回目に自分の存在を認識したとき多幸感を感じた。
これまで生きてきた中で感じたことがないレベルの多幸感が僕という存在の内からも外からも全方向から溢れ出していた。そして僕は7年前に死んだ親友を認識した。2年前に死んだ友人も認識できた。けど「会った」という感覚ではなく、僕は彼らで、彼らは僕だという強烈な統一感。全ては一つなのであるという。自分の存在を認識すると僕と彼らは違う存在だったけれど、それを認識できないと僕は彼らで彼らは僕だった。

(注意:ここから先は実際に起こったことです。第三者が教えてくれました。)
2回目に自分の存在を認識した時、僕は母親に鍵を返してもらうように話しかけていた。ベッドに寝ていた僕を覗き込んでみていた母親は驚いて鍵を僕に渡してきた。ベッドの脇にいた医者が「凄い」と呟いていた。今でもその光景を思い出せるけれど、視点はベッドに寝ている自分からの視点ではなかった。後日医者に僕が母親に話しかけて鍵を返してもらったかどうか聞いたら、その通りだと教えてくれた。全身麻酔をする手術直後であんなに早くまともに話しができる患者さんはあまりいないから驚いたと教えてくれた。

3度目に自分の存在を認識した時誰かが「大丈夫ですか?」と話しかけてきた。今までの人生で感じたことのないレベルの吐き気が押し寄せてきて辛かった。「これから3時間ほど経過観察するので動けないですよ」とその人が話しかけてきた。吐き気が本当に辛い事を一生懸命伝えようとしたけれど多分声が出てなかったんだと思う。吐き気が全然おさまらなかったから。
その時自分が病室のベッドの上にいることが理解できた。まったく身動きが取れないし体は重いし視界は狭いし酸素マスクをしてるのに呼吸がしにくいしですべてが最低だった。

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