見出し画像

一生を共にする本

心に響いた言葉は、付箋を貼って印をつける。2週目、再読の際、付箋を貼った箇所のみ読み返し、更にメモを取る。感銘を受けた文章に、直接線を引いたり書き込むタイプの人間だ。この印が多い本ほど、一生を共にする本と言える。
山崎怜奈の言葉のおすそわけは、その内の一冊だ。

尊敬している人はと問われれば、まず初めに山崎怜奈さんをあげる。年齢が1つ上ということもあり、親近感を感じているのもある。
当たり前だが、仕事での山崎怜奈しか僕は知らない。その表上での、普段目にしている立ち居振る舞いや紳士さ、人に寄り添う面を尊敬している。自分もこうならないとなと、マイナスな感情ではなく、自分を鼓舞するような力をくれる。

このエッセイは、安心をくれる。山崎さん本人が自分と向き合っている文面が幾つも見られるが、その数々が、僕の人生の道標になっている。
社会では、他人と比較すべきでない、他人と同じ道を進むな、個性を見つける、逸脱しろと多様性を重要視された時代になっている。それでも、山崎さんの生き方を参考に、自分の生き方を模索するのは悪くない。

特に読むわけでもなく、何度もパラパラとページをめくってしまう。その行動に、大きな意味はないけれど大切な物を手にした、高揚感に近いものを感じる。これから先、何度も読み返す一生の本との出会いは、多幸感と成長をくれる。
様々な作品に手を出すよりも、特定の作品に没頭する方が、自分を豊かにすると思っている。いかに、一生の本と出会えるかが大切だ。
それは、作品だけでなく人間関係も同様に、たくさんの出会いよりも、特定の人との幸せに時間を使うべきだと思う。

多様性や個性が重要視され、世の中全体が寛容な傾向にあっても、その個人の解釈の違いや乏しさから、社会は思うようにいかない。だから、それが普通だよと偏った常識や理不尽な社会は反して未だに存在する。この価値観の違いは、これから先も解消できない。
それでも、そんな世の中を生き抜く術を、最高のアイテムを手に入れた気がした。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?