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ふしぎの海のナディア 感想 こじれる前の庵野監督作品「人は一人では生きていけないのだから」

暑いですねー!夏最高!!三連休最高!!

そして2023夏アニメの超豊作具合が素晴らしいですね。
近況がてら1~2話の感想を。

・「呪術」はテンポ遅すぎるけどクオリティは高い!(過去編は私が一番推しているんだけど、原作のテンポの良さはアニメにはないからそれはちょっと不服だし、声優が見事にはまってないのも嫌だけどベテランだから演技でカバーできているので及第点です。信者だから見る目が厳しくなってまうねん)
・「はたらく魔王さま!」は待ちに待った続編だけど作画崩壊で……(お金ないのかな…ショック)それに配信もしていないし宣伝もしていないけどもしかしてあんまりやる気ない?1期の続きで作られているけどかなり昔の作品だし再放送とか1期だけでも配信やらないと新規は見ないでしょ……涙(←あんまり調べてないから実は地味に再放送してたらすみません。)
・「無職転生」は面白いし作画も神!!一番続きが楽しみ!!

さて、そんな中、地味に二週間くらいかけて古~い作品の、ふしぎの海のナディアを見ました!全39話です!

とっても古い作品で、90年くらいのやつですが、作画がマジでよい(あ、ちなみに崩壊するとやばいです)ので多分普通に見れると思います。

今の子にもわかるように説明するとエヴァンゲリオンの監督が監督していて、エヴァンゲリオンのキャラデザの人がキャラデザしていて、オタキングが作ったアニメ制作会社が製作しているアニメです。(てんこ盛り)

まあなのでガチのアニオタは知らない人はいない作品ですね。
今の自称アニオタはアニオタじゃないから。
ガチのアニオタの人たちの話です。
私も平成アニオタですが、この作品は見たことなかったんだよね~。生まれる前の作品だしね~(言い訳)

しかし今見ても面白いので監督の才能を感じずにはいられないよね。

あっちなみに私はエヴァンゲリオンを面白いとは思わないので全然庵野監督は支持していませんが、この「ふしぎの海のナディア」は面白いと思いました。

エヴァを好きじゃない理由は①主人公がネガティブ②作者の主張が強すぎ③いくらなんでもさすがに考察勢に丸投げしすぎだからです。
ただし、シン・エヴァンゲリオン𝄇は評価しています。庵野監督の成長がうかがえるエンドだからです。𝄇は評価が分かれますが、旧エヴァンゲリオンファンの人からすれば、評価が低いのも納得だと思います。監督の嗜好変わりすぎだから。

うおっと。今日はエヴァの感想じゃないのでこの辺で。

ふしぎの海のナディアは、エヴァンゲリオンで拗らせてこじらせて躁うつ病みたいな主張をし始める、拗らせる前の庵野作品なのだな~と思いました。

エヴァって映画「ジョーカー」みたいな胸糞アニメだと思っているんですけど。

しかしねぇ、ナディアはそんなことないんですよね~。

作品概略

一言でまとめれば、ナディアとジャンのボーイミーツガールを通して人間の本質である「愛」と「科学技術の進歩」について言及している作品。

以下細かいあらすじをメモに残しておきます。

物語の大筋

・「ブルーウォーター」と呼ばれる宝石を持った少女ナディアは自分の出自を知らない。
・偶然フランスで見かけたナディアに一目ぼれした発明好きのジャンは、ナディアにアプローチするため彼女を追いかけるが、ナディアのブルーウォーターを狙う悪党たちからの襲撃に巻き込まれていく。
・ジャンの父親は海の怪物に襲われ行方不明になっており、それを捜しに出るための飛行機を開発するのがジャンの夢であった。
・ナディアの宝石を狙うのはガーゴイルと呼ばれる海の怪物(潜水艦)を操作する悪の組織の親玉
・ガーゴイルは当時の技術ではありえない潜水艦や飛行船、化学兵器を所有している
・やられそうになったナディアとジャンは、ガーゴイルと敵対するノーチラス号という潜水艦に助けられる。ノーチラス号もガーゴイル同様に超化学技術の塊である
・ガーゴイルがブルーウォーターに賭けた懸賞金狙いのグランディス・ハンソン・サンソン三人組も当初はナディアを狙うが、いろいろあって仲良くなり、ナディア・ジャンとともにノーチラス号の船員になる
・途中の行きついた島で両親をガーゴイルに殺されたマリーという女の子をジャンとナディアが助け、一緒に連れていくことになる

伏線(謎)の答え

・ガーゴイルとノーチラス号の超化学は、宇宙人が地球に持ち込んだものの遺産だった
・宇宙人最後の生き残りはナディアとその父ネオ船長(ノーチラス号船長)
・ブルーウォーターは超化学の結晶みたいな魔法の石
人間は地球に宇宙人が降り立ったとき、より便利に過ごせるように宇宙人によって作られた生物
・つまり宇宙人>人間であり、
ガーゴイルは自分も宇宙人だと信じており、増えすぎた人間を滅し、再び宇宙人の手で地球を支配しようとしていたが、皮肉にもガーゴイル自身は人間だった

私がすごいなーと思った細かい伏線と、作品の主題(メッセージ)

・ナディアはベジタリアンであり、その理由は「生き物(家畜)を殺して食べるのがいやだから」だったが、最後まで見れば、ナディアは宇宙人であり、ナディアにとって人間はある意味家畜だから、本能的に拒否していたのだとわかる

・ジャンは発明好きで科学に興味があるが、ナディアとともにガーゴイルとの戦いに巻き込まれ、発明が人類進歩を成し遂げる素晴らしいものという側面だけでなく、滅ぼすことも可能になる危ういものだと理解していく成長を描いている

科学の進歩=いい側面も悪い側面も持っている」っていうのはこの作品の主題でもある。

・ナディアの出自は不明であり、生涯孤独で、いつも一人でだれにも頼らず生きてきた。だが周りの大人(グランディスさんたち)はみんな「人は一人では生きていけないのだから」という。それが理解できず、常に自分を気にかけ助けてくれるジャンに初めは反抗的な態度をとるが、助けられ惹かれていく過程で「人は一人で生きていけないのだ」と理解し成長する。そしてそのナディアが宇宙人の生き残りであることは、皮肉にも人類を救う伏線となる。愛は地球を救う。

人と人、違う人種同士(作中では宇宙人と人間)が地球で共存し、化学が発展しても共存し続けるためには、結局「愛」なのだ。

人間を守るのは『理性』から生まれた「技術」ではなく、最後の最後は『感情』である「愛」なのである。

人は一人では生きていけないのだから。

私は作中のこのグランディスの台詞が大好きでしてね。
そして一番好きなキャラはもちろんグランディスなんですよね。
グランディス・ハンソン・サンソンの3人組はこの作品の良心ですよ。

平成初期の作品だから主張が古臭いかもしれませんが、いやはやそんなことはない。

昔の言い伝えが、科学技術で裏付けされる現代です。

つまり化学なんてなくても、人間は本能や感で、この世の真理を理解しているんですよ。

ってことはだ。いつか、科学技術で愛の効果・効能が裏付けされる日が来るんでしょうかねえ。

なーんて思っちゃいました。


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