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散歩したら、風に出会った。

こんなことを書くのはできるだけ避けたいのだけど、最近ちょっと疲れている。

壮絶な職場で働いたことがあるひとからすれば「いや、ふつうに終電までに帰れてるじゃん」と言われてしまうかもしれないんだけど、わたしは軟弱なのでパンクしそうになっちゃう。

スーパーにも寄れず、なにも漬けてないぬか床をただただ夜中にかき混ぜてると「お野菜漬けたいのに…」と切ない気持ちになる。

洗濯機も夜中に回そうとして、実際に回して、そのまま寝てしまい干せずにそのまま。もう一回今日帰ったら回して、今度こそ絶対に干さねばならない…。

今日の昼間は会議も続いてしまって、ランチの時間もずれ込んで、夕方に。まだ明るかったので、気晴らしに会社の近くをお散歩した。noteも書かずに、ぼーっと歩く。セブンイレブンに行って、なにも買わずに店を出る。また散歩する。ななめの日差しを受けたビルの美しさに足を止めると、強めの向かい風が吹いてきた。

「うわあああ、きもちい〜」

思わずひとり言がこぼれる。重たかったおでこの熱を、風が吸いとっていってくれるみたい。

いつもこっそり休んでるベンチに腰掛けると、桜の木が目に飛び込んできた。もう、緑の葉が生い茂っている。桜の花の薄ピンクを見上げたのは、ついこの間のことなのに。
幹もつやつやとしていて、生命力がみなぎっていた。5月って、こういう季節なんだよなあ。しみじみして、会社へ帰った。

それからまた言葉の連なりの海へダイブして、意識のなかを彷徨う。

ふと、書くときに大切なのは「耳」にあたる部分なんじゃないかと思った。

書いていると、出口のないような、平衡感覚のない世界に迷い込んだ気分になることがある。

そんな世界で、二本足で立って歩いて行くためには、三半規管が鍛えられないといけないんじゃないだろうか。そして、客観性と言われるものがそれなんじゃないか。

なんて考えはじめると、「目」も「鼻」も「口」も、なにもかも大事だなあと、ありきたりな結論に行き着く。

わたしのぜんぶが、大事だよ。

風の行方を教えてくれる髪の毛一本まで、ぜんぶね。


帰りに会社の近くにある24時間スーパーできゅうりを買った。どうしてここのスーパーのこと、忘れてたんだろう。今夜、ぬか漬けにしようと思う。

ちょっとずつ、日常を手放さないようにしながら、仕事を頑張りたい。

この道のさきに、もっといろんなひとの役に立てるじぶんが、いるはずだから。

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。