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もらいそびれたアイスクリーム。

「あっ」

もう7月も半分が過ぎようとしたところで、わたしは今更気づいてしまった。

「31のお誕生日アイスクリーム、もらいそびれた……」

お誕生日やお誕生月に、サービスをしているお店はいっぱいある。なかでも31アイスクリームは、なんとアイスが1つ無料でもらえるとあって、30歳ながら(そのときは29歳だったが)わくわくして5月に会員登録した。

6月になったら、31アイスクリームがもらえるんだ!

ふだんは31アイスクリームなんて食べないくせに、現金なもので気分が上がる。食べなれない複雑な味、呪文みたいなチャーミングなネーミング、元気な店員さん。ああ、早く6月にならないかな。

そう思っていたのに、気づけば食べ忘れて7月16日、今日まで生きてきてしまった。なんという失態。アイスは冷たいからカロリーゼロ理論と誕生日だから太らない理論で、罪悪感なく甘みを味わえると思っていたのに。もう、わたしの31アイスクリームは返ってこない。当たり前だ、誕生月じゃないから。

途端に後悔がつのる。6月、じぶんの誕生日パーティー開催してる場合じゃなかったよな。休みの日、企画メシの課題やりながらでも、アイス食べに行けたはずだよね。っていうか30歳にもなってスケジュール管理が甘いんじゃないかな、甘い…甘いもの…甘いアイスクリーム…ああ。

いつだって後回しにしてしまいがちなご褒美は、ピンポイントで設定しておかなければならない。心に誓った。

ご褒美あげよう、と思ったら日にちも時間も決めておくこと。

友だちとの約束もそうだよなあとこの歳になって思う。「会いたいよね〜」じゃ会えないのだ。「この日に会おう!」と決めなくちゃ、日々に流されてしまう。

ああ、あのひとにも会いたいし、まだ連絡返してないし、流されてる。もったいない。

妄想のなかの溶けることのないアイスクリームを眺めながら、じぶんの流され具合を確かめていた。

そして気づいた。

「あっ」

来年31歳で31アイスクリームをもらいにいったら、ぴったりダブルで31だ!

大人げない31アイスクリームとの関係は続く。だって、アイスクリームも無料って言葉も、すきなんだもん。

その前に、この夏お金払って食べに行こう、うん。

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