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[65]千本鳥居 三首

ともがらの白き歯見ゆる朱鳥居あかとりい
今日は秋晴れ銀杏いちょう舞い散る

登りくぐり奉納名ほうのうめいを語り合う
願いが通る千本鳥居せんぼんとりい

幾千万いくせんまん言祝ことほぎ語る朱鳥居あかとりい
九十九折つづらおり千代ちよ八千代やちよ


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仲間と一緒に神社参拝をする。
待ち合わせから笑顔も会話も絶えない。
まるで修学旅行だ。
大きな鳥居を見上げ、
無邪気に感嘆の声をあげる笑顔に笑顔が応える。
秋晴れの青い空を背景に鳥居の朱色が眩しい。
その先の参道には、
午前中の新鮮な陽射しを浴びて輝く高い銀杏の木が見える。
一陣の風が吹き、
このひと時を祝福するように
その金色の葉がゆっくりと舞い散った。


この神社は、
参道を埋め尽くす、
赤い鳥居の連なりの美しさで有名だ。

願い事が「通る」「通った」ということで、
願い事が成就したお礼の意味で鳥居を奉納するようになり、
その習慣が広まって現在の姿になったのだそうだ。

目につく奉納名を読み上げながら、
私たちは学生のように語り合い想像する。
夢を叶えた私たちが奉納する、
鳥居の鮮やかな朱色とそこに刻まれる漆黒の文字を。
その想像の広がりを止める者はここにはいない。
ただ共に味わい楽しむ仲間がいるだけだ。


この鳥居の連なりは、
叶わぬ願いへの渇望ではない。

人の世界と神の世界をつなぎ、
そして、
過去から現在、未来へとつながる、
感謝と喜びと祝福の連鎖なのだ。

私が今歩いている参道は、
この山一帯に巡らされているうちの一つに過ぎない。
これまでもそうだったように、
これからもこの連なりが、
この山に幾重にも重なり続けるだろう。
この世に感謝と喜びと祝福の連なりを示し続けるだろう。

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