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息子がはこんできてくれた冬の夜

きょうは冬至。
わが家は「ゆず湯」を楽しんだ。

今夜はゆず湯にしようと発案したのは、息子。

保育園の帰り、息子はどこかのおうちの庭木にゆずがなっているのを見つけ、昨夜の『ちびまる子ちゃん』で観た「ゆず湯」のエピソードを思い出したという。息子が夫に「きょうは、ゆず湯にしようよ」と言い、ふたりで青果店に寄ってゆずを一袋買ってきた。



息子と暮らすようになって、考えるようになったことがある。
「季節」はそれを愛でようとするひとにしか、届かない。
どれだけ自然豊かな場所に住んでいたとしても、それに目を向けようとしない限り感じることはできないし、都会に住んでいればなおのこと。「季節」を見つけて暮らそうとしないひとには触れることができない。

息子は「季節」を見つけるのがとてもうまい。
草花の色や、虫の声や、風のつよさや、空のかたちをとてもよく観察している。

息子のそばにいると、わたしの日々にも「季節」がするりともぐりこんでくる。


息子の買ってきたゆずを、すべて湯船に浮かべた。
息子は「まる子ちゃん」が入っていた、銭湯の「ゆず湯」を期待していたようで、ぷかぷかと浴槽を泳ぐゆずを見て、「すくない」とひとこと言った。

あまい香りのゆず湯は、からだもこころもあたためてくれた。

息子がはこんできてくれた、しあわせな冬の夜だった。

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