「子供を保育園に預けることはかわいそう」なのか、生後3ヶ月で保育園に預けられたわたしがひとこと。

今年は春の訪れが早いね。
もう桜が咲きはじめている。

きっといま、入園準備中のご家族も多いと思う。
新生活がはじまるのってドキドキするね。

さて、さて。

保育園に子供を預けるのかわいそう論者に出会ったことある?
いるよね、この令和の時代にも。
他人によくそんなこと言うよなあと思うけどさ。

わたし、生後3ヶ月で保育園に預けられて「生粋の保育園児」やってた。
マスターって呼んでくれていい。がっつり6年通ったし。

そんなわたしが言わせてもらうよ。
「保育園に子供を預けるのはかわいそう」って言う人にはこの返しでいい。

保育園、通ったことあるんですか?

もう、これに尽きる。
保育園に通わせるのかわいそうなんて言う人はね、たいてい通ってない。
自分は経験したことがないのに、イメージだけで物申してる。
何なら自分の子供も保育園に預けたことない場合が多い。

とにかくね、自分の人生だったり選択だったり、
そういうものを正しかったんだって思いたいけど、自信がないから
自分とは違う選択をしている人を批判したいだけなんだよ。
そもそも相手にする必要がない。
議論ふっかけてきてるんじゃなくて、価値観押し付けてきてるだけだから。

これでもう、はい、論破。なんだけど。

せっかくなので、この元マスター保育園児だったわたしの話をする。
保育園に預けられた側の人間の気持ち。
お暇ならどうぞ読んでみて。

✳︎

わたしが保育園児だったのは1980年代。
まだ女性の就業率が50%程度だったらしい。(よく知らん)

フルタイム勤務の父親と母親のもとに生まれ、生後3ヶ月で保育園に預けられた。
乳児保育所と公立の保育園に通算6年通ったわたし。
「親と離れてさみしい」なんて思ったことはない。

いや、正確には、さみしかったという記憶がない。

わたしの幼少期の記憶は、やはりその場面のほとんどが保育園での出来事。

マジ最高だったよ?保育園。めっちゃ楽しかった。

0歳の頃からたくさんの友達がいた。記憶にないけど。
親以外に信頼できる大人が何人もいた。記憶にないけど。
たくさんの遊びを親以外の人に教わった。記憶にないけど。

すっかりいろんなこと忘れちゃってるけどね。
みんなでおさんぽして、ごはん食べて。遊んで、喧嘩して。
そういうわたしの成長を、親以外のだれかも喜んでくれて。
これって、わたしの世界が、親の周辺だけで完結しない広い世界だったってこと。

これの何がかわいそうなのか、わたしには理解できない。

母親に聞けば、「保育園に行きたくない」と泣いた日もあったんだって。

でも、わたしはそんなことちっとも覚えていない。

わたしのなかには「保育園イコール楽しい」思い出がいっぱい。

親の目線から見れば、さみしい思いをさせていると感じたこともあったのかな。
だけど、当の本人がそれを記憶していない。ごめんごめん。

でも覚えていないってことは、
わたしにっとてそれは「忘れられる程度のこと」だったんだ。

それを凌駕するだけの楽しい出来事にあふれてたってことだ。

✳︎

親と離れて過ごすことがかわいそうって言うなら、それはビビリすぎ。

四六時中そばにいないと伝わらない愛情なんて、その程度だよ。
「会えない時間が愛育てるのさ」ってTOKIOも歌ってたよ!
(ググってみたら『よろしく 哀愁』のオリジナルは郷ひろみらしい)

わたしは、父や母の愛を信じて疑ったことなんてこの人生で一度もない。
父と母は、無条件にわたしを愛し続けてくれる
世界でたったふたりの存在だって、ちゃんと知ってる。

離れてる時間もわたしを愛してくれてた。それを、ちゃんと知ってる。

✳︎

きっとわたしの親世代の働く女性は、わたしの母も含めて、
この忌々しい「保育園に預けるのはかわいそう」を
浴びるほど聞かせられたんだろうな。いまより、ずっと。

手を貸してくれるわけでもないだれかにきっと無闇に傷つけられた。

それでもよく諦めずに、自分の仕事と子育てを両立してくれたよね。

うちの母はいつも言う。
「あんたのことは、わたし一人が育てたんとちゃう。
あんたはたくさんの人に育ててもらったんやで」


離乳食もトイレトレーニングも、箸の持ち方まで。
母の育児はいつも保育士さんたちとともにあった。

素敵じゃない?

みんなで育ててくれたんだよ。
わたしの母親はたったひとりだけれど、
わたしの成長を喜んでくれた人は母親だけじゃなかった。

みんながサポートしてくれて、
できたできたって褒めてくれて、喜んでくれた。

たくさんの人に支えられて生きてきた。奇跡!

✳︎

小さな子供を保育園に預けることはきっと
親の立場からは切なく、心苦しいこともたくさんあるよね。

だけど、大丈夫。大丈夫!

離れて届かない愛情なんてない。
親のさみしい気持ちを理解してくれる人たちもいる。

心無い人の言葉に傷つくより、やさしい人たちを信じて。

その思いは、きっと子供に伝わる。

わたしは仕事をしている母が好きだった。
母は母の世界で、わたしはわたしの世界で、
それぞれの時間を、相手を思いながら過ごした。

保育園児だったわたしの日々は、愛にあふれていたよ。

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