【実話】 無理やり縁結ばせ神社
私は、謎な奴らに「追いかけられる」宿命を背負っているらしい。
数年前も、バイオハザード婆に追いかけられたし
吉本新喜劇みたいな男にも追いかけられている。
つい先日のこと。
通り雨が去ったばかりの、夜8時。
冬の雨の後の空気は、殊更冷たい。
人通りの少ない歩道を歩いていると、路地から2人の男女が飛び込んできた。
彼らは私のパーソナルスペースを完全に無視した超至近距離で、私と同じ方向に歩きだした。
私が一瞬でも立ち止まろうものなら、ドミノ倒しに転ぶ距離だ。車に喩えると車間距離50センチという、ウザさと交通的な危なさ感じる間隔である。
「この人達は、見ず知らずの人と家族のように歩いていて、変な気分にならないのだろうか?」
私は、すっごく変な気分だぞ!
ちなみに、この二人は外国人ではない。
流石に15mもパーソナルスペース完全無視の至近距離、すぐ隣でやかましく喋り続ける奴らと共に行動するのは気持ち悪い。
私は出来るだけ自然な感じで、競歩大会のごとき速さで、スタコラサッサーと距離をあけることにした。
10mは距離があいたので、「よっしゃ!スッキリ!」と心の中でガッツポーズしそうになった瞬間、後方から「あの女!」といって、2人組が追いかけてきた!?
たまに歩道で、通行人に追い越されただけで舌打ちしたり、怒鳴ってくる人がいると聞くが、何もしていないのに「あの女!」と怒る男は、そのタイプなのか?
何の接点もないのに、足早に逃げられたのが悲しかったのか?大きな声だけが聞こえてくる。怖いから振り返らないようにしよう。
私は更に歩みを速めた。
すぐに、交差点に差し掛かった。
目の前の歩行者信号が今にも変わりそう!
私は迷わず小走りで横断歩道を渡った!
「よっしゃ!ついてこれまい」と安心して振り返ると、2人組の片割れ、けたたましいキンキン声の女が「あー!あの女ぁ」と横断歩道の向かい側から、私を指差していた。
後から合流してきた見ず知らずの奴らが、何も接点が無いのに、なぜ私を追いかけてくるのか?
怖いので、あえて自宅の反対側に向かって歩いて攪乱しよう。
すると対岸の道路の男女が、こちらを見ながら、私の進行方向に歩いていく。
さっきまで信号待ちしてたのに、こっち方面に歩くの?
なんで信号待ちしてたの?
本気で危機感。
私は路地の暗がりにスッと入って身を隠した。
すると、キンキン声の女が「あいつ消えた!どうする?」と喚いているのが聞こえた。
やっぱ尾行してたのか。
私は更に隠れたほうがいいと思い、暗がりの先の路地に向かった。
突然、見たことがない立派な稲荷神社が現れた。
木が茂っているが、庭は綺麗に整備されている。
東京にしては珍しく、ボウっと白く暗く光る地味な明かりが灯っている。
静けさのなかに、浮かびあがる狐の像。
今風ののぼりや立て看板もなく、江戸時代のままであろうという簡素な佇まい。
雨上がりの夜8時。
薄暗がりの中に、江戸時代の景色。
松と、湿った土の匂い。
このままこの場所にいたら、異世界に迷い込んでしまいそうな感覚に襲われた。
夜の神社には、よくないものが集まると聞いたので、今回は参拝しないで、また後日にしよう。
社殿に一礼して神社の裏に出ると、なんとそこは、いつも使っているATMのある道路だった。
「え?ここに出るの???」
Googleマップも拡大しないと出てこない穴場の神社なので、今まで知る機会がなかったのか。
不審な男女に追われて逃げ込んだ神社の名前を調べたら、私と縁のある稲荷神社の"本社"ということがわかった。
逃走劇がなければ、気が付かないままだっだと思う。
無理やり縁が結ばれちゃったなあ。
あの男女の奇行、もしかすると狐に操られていたのかもしれない・・・。
その後、あの2人組に会わないようにスーパーマーケットに行くのを諦め、ナチュラルローソンに行ったら、食材が安く買えたり、プチショートケーキがあったりと、嬉しいことが沢山あった。
食にご利益のある稲荷神社の力かな。
早めに参拝せねばと思っていたら、神社の近隣の店舗でスキマバイトを募集していたので、エントリーしたら即決となった。
この店舗で募集をかけるのは珍しい。初めて見た。
強力に引き寄せられたので、朝、お参りしてきた時の写真。
参拝した後に、神社の近くでオーガニック食品スーパーマーケットを発見した。
安いのに、お惣菜はレストランの味!
※扉の写真は、この時に購入した「カリフラワーカレーマカロニグラタン」と「ピクルス」。
お稲荷さんのご利益で、グルメ運が上がるんだなあ。
その後も長らく、グルメ運は好調であった。
ここ最近は、成城石井で半額〜20%オフ惣菜に恵まれていて、嬉しすぎる。
成城石井の「とり天」、すっごく美味しいのでおすすめ!
揚げ物なので、半額シール(200円台になる)が貼ってあることが度々ある。
不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。